このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
十年七月七日の夜、独り天漢を仰ぎて聊かに懐を述ぶる一首
織女し船乗りすらし真澄鏡きよき月夜に雲起ちわたる
大伴家持
天平十年(738年)七月七日の夜、独り天の川を仰いでいささかに思いを述ぶる一首
織女(たなばた)し ふな乗りすらしまそ鏡 きよき月夜(つくよ)に雲たちわたる
訳「織姫が迎え船に乗ったのでしょう、その船の水しぶきが雲となって鏡のように清い月を覆っています。」
のちに万葉集を編む大伴家持がこの歌を詠んだ同じ夜、続日本紀によると平城宮の西池宮で聖武天皇主催の詩賦の宴が催されていた。
まだ若く、晴れの場に臨席する資格を有しなかった家持は、この宮廷行事に憧れを抱きつつ、家で一人この歌を詠んだ。
天空の広大さと年に一度のドラマ、そしてそれを仰ぎ見ている詠み手の孤独の対比がとてもよく感じられる。