電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」を聞く

2006年11月15日 21時44分40秒 | -オーケストラ
ここしばらく、通勤の音楽として、11月20日(月)の山響第176回定期演奏会、オール・モーツァルト・プログラムの予習をしています。先に掲載したのがピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」で、お次は交響曲第38番「プラハ」です。

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏、DENON の MyClassicGallery シリーズの中の1枚で、GES-9209という型番のCDです。1982年9月に、ドレスデンのルカ教会でデジタル録音されました。初出はLPが1983年6月(OF-7063)で、初出CDは1986年に出ていますが、このCDはたぶんもっと後でしょう。

曲は、古典派交響曲の定番のソナタ形式四楽章の枠を外れ、全部で三つの楽章だけ。いわゆるメヌエットがありません。

第1楽章、アダージョ、アレグロ。重々しい斉奏で始まり、重苦しいアダージョから一転して軽やかでわくわくするようなアレグロに変わります。スコアは持っていませんが、ブロムシュテットは繰り返しをきちんと実行しているように感じます。
第2楽章、アンダンテ。比較的ゆったりとした優雅な音楽です。
第3楽章、フィナーレ、プレスト。力あふれる躍動的な音楽と軽やかで優雅な旋律が次々に交替し、強弱の対比を見せながらフィナーレを盛り上げていきます。フルートとファゴットのような音色や高低の対比もありますし、実演では演奏効果の高い楽章でしょう。

第1楽章が大きいので、全体としては30分弱の規模を持つ交響曲になっていますが、メヌエットがないためなのか、それとも繰り返しの影響なのか、前半が大きくて後半がやけにあっさりと終わってしまうような、そんな印象を受けてしまう曲です。
ブロムシュテット盤の演奏は、比較的ゆったりしたテンポで、対比を明瞭に描きながら演奏されます。説得力のある、いい演奏だと思います。録音も、同時期のブルックナーに隠れがちですが、とても響きがいいと思います。

実は、クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団による演奏についても、このブログの初期に記事にしたことがあります。これも全集分売もので、SONYのFDSS-50124という型番のCDには、演奏時間の表示がありません。参考までに、録音は1980年のミュンヘン、ヘルクレスザールでのデジタル録音、テンポはブロムシュテットよりも速めですが、第1楽章は違い過ぎ。繰り返しはたぶんカットされているのでしょう。でも、こちらも大変いきいきした名演奏だと思います。

■ブロムシュテット盤
I=13'46" II=9'05" III=6'00" total=28'51"
■クーベリック盤
I=10'56" II=8'53" III=5'53" total=25'32"
※クーベリック盤はCDトラック表示データ。実演奏時間はこれより数秒短い。
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