わが家の木登りネコ、誰も言わぬに高きところに登りて梢を揺らせしに、いと危うく見えたるところは大丈夫にて、降りるときに軒の高さまでになりたるほどに、「気をつけろよ、怪我するなよ」と声をかけた。すると、「こんなところはへっちゃらさ、飛び降りたって大丈夫。なんでそんなことを言うのかにゃー。」と言うので、「昔の兼好法師がそう言っているのさ。」と答えたところ、「そんなのは嘘っぱちだよ、高いところほど保険も高いのさ。」と言ったとか。全く生意気なネコなり。
(ネコ語訳『徒然草』百九段、「高名の木登り」より。)
(ネコ語訳『徒然草』百九段、「高名の木登り」より。)