電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

壇ふみと阿川佐和子の『太ったんでないのッ!?』を読む

2007年10月01日 05時58分23秒 | 読書
芸能スポーツ方面にはとんとうとい私も、壇ふみさんは知っています。その昔、テレビを見ていた時代には連想ゲームかなにかの人気番組の優秀な回答者だったと記憶しておりますし、N響アワーでも、チャイコフスキー大好きと主張する壇ふみさんと、それをからかう池辺晋一郎氏とが、ウィットに富む会話を繰り広げておりました。残念ながら女優さんとして出演したドラマを観たことがなく、もし時代劇に腰元役で出てきたりすると、激しく違和感を覚えるのではないかと心配するほどです。

その檀ふみさんが、作家の阿川佐和子さんと共著で出したグルメ本が本書なのだそうで。グルメがブームだった頃に、「デリシャス」という雑誌に交代で掲載したのだそうです。実は、娘が購入し、母親とともに楽しんだという爆笑エッセイ集。

うーむ。タイトルにずばりと現れているように、女どうしのつっこみの鋭さ、厳しさにいたく感動しつつも、異星人の作文日記を読むような浮遊感あり。キャビア、フォアグラ、トリュフ、いずれも私の興味関心の埒外の食物ですし、美味しいものを求めてどこまでも出かけるという行動力もありません。有名シェフの豪華ディナーより、裏の畑でとれた野菜の漬物が食べたい年齢です。「贅沢はスッテッキ!」という檀ふみさんの叫びに共感できるのは、たぶん文化財やオペラを観るときくらいかも。自分では、「起きて半畳・寝て一畳」「腹も身のうち」という言葉のほうにずっと共感を覚えます。壇ふみ様、阿川佐和子様、申し訳ありませんが、文章の切れ味とお話の楽しさのみ、充分に味わいました。雑誌「デリシャス」およびこの文庫本を企画された編集人様、結婚披露宴で食べ過ぎ・飲みすぎた日に読むべき本ではありませんでした。軽めの本をと思いましたが、選択を誤りました。思わずげっぷが出そうです(^o^;)>poripori
コメント