春秋社から出ている、今井信子著『憧れ~ヴィオラとともに』を読みました。今井信子さんの名前は、昔、コンサートホールというLPレコード通販のカタログで、初めて知りました。日本人の女性で、地味なヴィオラと言う楽器の世界的な名手、という趣旨の紹介が書かれており、たしかブラームスのヴィオラ・ソナタやシューマンの「おとぎの絵本」などを録音していたと思います。
書店でふと手にしたこの本、今井信子さんの自伝的な内容と、ヴィオラに対する情熱を語ったものです。
序章 シオンの奇跡
第1章 すべては桐朋から始まった
第2章 ヴィオラ発見
第3章 室内楽の真髄
第4章 デビュー
第5章 カルテットの日々
第6章 ソリストへの挑戦
第7章 ヒンデミット・フェスティバル
第8章 ヴィオラという楽器
第9章 受け継がれるもの
終章 ノー・リスク、ノー・グローリー
たいへん興味深い内容です。特に、今井信子という音楽家の激しい生き方に驚かされましたし、世界的な演奏家が持つ、子育てや家庭的な悩みも理解できました。たしかに、親は世界をまたにかけて飛び回る日々、子どもは一緒について世界中のホテルを回るのか、それともたまにしか戻れない自宅に置き去りにされるのか、いずれにしろ親として悩むことでしょう。
また、ヴィオラという楽器や室内楽に関心を持つ人であれば、バロックや近現代の作品が中心となり、ロマン派のレパートリーに乏しいという面と、弦楽四重奏などの室内楽においては、内声部の要となるパートだけに、重要な役割を演じなければならないことがよくわかります。カルテットにおける人間関係の距離感の大切さなども、なるほどと思います。
楽器が大きいだけに、支える姿勢の点から子どもには負担が大きく、成人してから自発的に選ぶべき楽器であること、子ども時代はヴァイオリンで基礎を学び、ヴィオラの魅力に目覚める自発性の大切さなど、第一人者としての発言だけに、興味深いものがあります。
その他にも、はっとするような言葉がたくさんあります。「受け継がれるもの」の章(p.217)に、音楽家の人格について、こんな記述がありました。
現状に安住し、手を抜きがちな日常に、思わず襟を正しました(^_^;)>poripori
もう一つ、この本には小さなCDが付録としてついています。これには、細川俊夫編曲による、ヘンデルの「私を泣かせてください」が収録されております。ヴィオラ・ソロの表現力に、思わず感動!ヘンデルの原曲の力はもちろんですが、細川俊夫さん、素晴らしい作曲家のようです。
書店でふと手にしたこの本、今井信子さんの自伝的な内容と、ヴィオラに対する情熱を語ったものです。
序章 シオンの奇跡
第1章 すべては桐朋から始まった
第2章 ヴィオラ発見
第3章 室内楽の真髄
第4章 デビュー
第5章 カルテットの日々
第6章 ソリストへの挑戦
第7章 ヒンデミット・フェスティバル
第8章 ヴィオラという楽器
第9章 受け継がれるもの
終章 ノー・リスク、ノー・グローリー
たいへん興味深い内容です。特に、今井信子という音楽家の激しい生き方に驚かされましたし、世界的な演奏家が持つ、子育てや家庭的な悩みも理解できました。たしかに、親は世界をまたにかけて飛び回る日々、子どもは一緒について世界中のホテルを回るのか、それともたまにしか戻れない自宅に置き去りにされるのか、いずれにしろ親として悩むことでしょう。
また、ヴィオラという楽器や室内楽に関心を持つ人であれば、バロックや近現代の作品が中心となり、ロマン派のレパートリーに乏しいという面と、弦楽四重奏などの室内楽においては、内声部の要となるパートだけに、重要な役割を演じなければならないことがよくわかります。カルテットにおける人間関係の距離感の大切さなども、なるほどと思います。
楽器が大きいだけに、支える姿勢の点から子どもには負担が大きく、成人してから自発的に選ぶべき楽器であること、子ども時代はヴァイオリンで基礎を学び、ヴィオラの魅力に目覚める自発性の大切さなど、第一人者としての発言だけに、興味深いものがあります。
その他にも、はっとするような言葉がたくさんあります。「受け継がれるもの」の章(p.217)に、音楽家の人格について、こんな記述がありました。
人格を養うということは、人それぞれ、日々の些細な身のまわりのことから始まるのだと私は思う。仕事の密度を高めること、家族のために心を砕くこと、日々生きることのすべてを高め、積み重ねていくことで、一個の人格ができあがる。日々ぶつかる出来事を自分の中で消化し、記憶して、その体験を将来につなげていくことが大事だ。
現状に安住し、手を抜きがちな日常に、思わず襟を正しました(^_^;)>poripori
もう一つ、この本には小さなCDが付録としてついています。これには、細川俊夫編曲による、ヘンデルの「私を泣かせてください」が収録されております。ヴィオラ・ソロの表現力に、思わず感動!ヘンデルの原曲の力はもちろんですが、細川俊夫さん、素晴らしい作曲家のようです。