電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形国際ドキュメンタリー映画祭が23日午前9時半NHK-TVに

2007年11月22日 22時50分57秒 | Weblog
某ルートからの情報によれば、11月23日(金)勤労感謝の日の午前9時半から、NHK総合テレビで、山形国際ドキュメンタリー映画祭の番組(*)が放映されるそうです。30分の番組ですが、10月に行われた、山形国際ドキュメンタリー映画祭のことを取り上げたもののようです。番組表によれば、

▽10月に開かれた山形国際ドキュメンタリー映画祭。世界の現実をカメラで切り取った作品や監督たちのメッセージ、それを間近に感じ取る市民の姿を伝える。

だそうです。人口20万の小さな地方都市に、なぜたくさんの映画館が存続し得たのか、そして、隔年とはいえ、国際的なドキュメンタリー映画の祭典を開催するようになったのか、そのへんの事情をどんな風に紹介するのか、楽しみです。

(*):世界を見つめる8日間~山形国際ドキュメンタリー映画祭~
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シューマン「チェロ協奏曲」を聴く

2007年11月22日 06時37分05秒 | -協奏曲
このところ、通勤の音楽としてずっと聴いていたシューマンのチェロ協奏曲、地味ですが、なかなかすてきな音楽です。

R.シューマンは、交響曲第3番「ライン」の作曲と同時期、1850年に、作品129のイ短調のチェロ協奏曲を完成しています。初演の時期は不明で、どうやら作曲者の生前には演奏されなかったらしい、とのこと。全体にチェロの高音が多く用いられ、技巧的にも難しいのだそうです。オーケストラが爆発的に盛り上がる協奏曲の派手さに欠けるばかりでなく、独奏チェロが休みなく奏され、三つの楽章が切れ目なく演奏されるなど、当時の協奏曲のイメージからはやや異色の作品かもしれません。

第1楽章、Nicht zu schnell あまり速くなく、と訳せばよいのでしょうか、冒頭のチェロの第1主題は、たくさんの思いがいっぱいにつまっているような旋律です。低い音から高い音まで、楽器の音域をいっぱいに使った独奏チェロが活躍します。
第2楽章、Langsam ゆるやかに。ひたすら陶酔的にうたう独奏チェロに、オーケストラはもっぱら寄り添うように演奏されます。
第3楽章、Sehr lebhaft きわめて溌剌と。独奏チェロが、目ざめたように溌剌とした動きを見せると、オーケストラも充実した響きで活発に応えます。この楽章は、聴くほうもかなり元気が出てきます(^o^)/

全体に、昔を懐かしむような雰囲気を持った音楽です。ドレスデンからデュッセルドルフに移り、心機一転で創作に熱中した時期。移住にあたり、地図で見るデュッセルドルフには精神病院があることを懸念したというローベルト・シューマン。母親宛に、ピアノ演奏は全然だめになったこと、昔演奏していたチェロならば、自由な左手を用いて、右手の指の不自由さをカバーできることなどを、手紙にしたためています。チェロの音に、若い日のことを思い出し、懐かしむような雰囲気を感じるのは、そのせいかもしれません。
楽器編成は、独奏チェロ、フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット・ホルン・トランペット各2、ティンパニ、弦五部からなっています。

1968年、ロンドンのアビーロード・スタジオでのアナログ録音、もともとはEMIの録音でしょうか、FECC-30441という型番が付された、The CD Club という通販の頒布ディスクで、ドヴォルザークのチェロ協奏曲が併録されています。解説は三浦淳史さんで、

デュ・プレはこの録音が殊のほか気に入っていて、見舞客がくると、必ずそのレコードを掛けさせたそうである。

というエピソードを紹介しています。過ぎた昔を懐かしむような気配は、そんなところからも感じられるのかもしれません。



参考までに、演奏データを示します。
■ジャクリーヌ・デュプレ(Vc)、バレンボイム指揮ニューフィルハーモニア管
I=12'19" II=4'38" III=8'23" total=25'20"
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