電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルト「ピアノ協奏曲第24番」を聴く

2007年11月07日 06時59分46秒 | -協奏曲
携帯CDプレイヤーというのは便利なものです。まず、前もって録音しておくという必要がありません。手近なCDをぽんと入れて、小さなショルダー・バッグに放りこみ、首掛け式のイヤホンで聴きます。デジタルカメラも一緒に入れてちょうどよい大きさのショルダー・バッグは、ずっと昔から使っているもので、たしか千葉そごうで購入した婦人用のもの。1970年代末に、長~いマフラーと一緒に流行したもので、当時のお気に入りでした。肩掛けのひもが切れそうになっても糸で補強して(!)まだ使っております。

さて、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調、K.491を聴いています。

第1楽章、アレグロ。緊張感のある風変わりな音での開始。第1主題はオーケストラが提示して、ピアノがなかなか入って来ません。ピアノが第2主題を奏すると、今度はピアノが一躍主役になります。中間部でもピアノが活躍して盛り上がります。美しく緊張感のあるカデンツァは、エドウィン・フィッシャーによるものだそうです。
第2楽章、ラルゲット。一転してのどかな旋律をピアノが奏でると、オーケストラがこれを反復します。ファゴットやオーボエなど木管がピアノと対話するところなど、シンプルな旋律ながらニュアンスがあり、なんとも見事です!
第3楽章、アレグレット。ハ短調。オーケストラが主題を提示し、ピアノが登場。たんにコロコロところがる自然な音階ではなくて、全曲に通じる不思議な和音が分解されたような、半音階的な表現なのでしょうか。変奏の場面でも、木管とピアノの対話の場面がたいへん多く、音色の対比も考えられているのかな、と思います。何度聴いても飽きない、見事な音楽です!

編成は、Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(2),Tp(2),Timp,弦5部、となっており、充実した協奏曲にふさわしい、ほぼフル編成です。

ピアノはアンネローゼ・シュミット、クルト・マズア指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。ピアノの音は力強く美しく、オーケストラの音も自然で明瞭。東独ドレスデンのルカ教会で、1971年に録音されています。当時のことですから、もちろんまだアナログ録音ですが、ルカ教会での収録は、自然な響きが好ましく感じられます。本全集の製品番号はDENONのCOCQ-84097~105で、ほとんど50ページ近い、充実した解説書が添付されております。LP発売にあわせ、海老沢敏氏が1974年から79年にかけて書かれたようで、CD化にあわせて1991年に一度補筆され、2006年に再補筆されておりますので、信頼度はさらに高まっているものと思われます。こういう全集の場合、日本語の解説パンフレットの充実は、たいへんありがたいものです。

■アンネローゼ・シュミット盤
I=13'18" II=7'05" III=10'17" total=30'40"
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