電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザークの『弦楽セレナード』を聴く

2007年11月05日 06時41分36秒 | -オーケストラ
昨日の日曜日、おだやかなお天気で、地域では文化祭が行われました。公民館には多勢の人々が集まっており、絵画や書、手芸作品、遺跡出土物の解説など、多彩な展示を見てきました。妻は婦人会の役割でだんご販売を担当するとのこと、売り上げに協力して、げっぷが出るほどたくさん買い過ぎてしまいました(^o^;)>poripori

公民館の行き帰り、散歩がてら聴いた今日の音楽、ドヴォルザークの弦楽セレナードは、当ブログの最初期に、プラハ室内管弦楽団の演奏を、通勤の音楽として取り上げたことがあります。その後、クーベリック指揮のイギリス室内管弦楽団の演奏なども入手し、好んで聴いてきました。

第1楽章、モデラート。静かにそっと忍び入るような始まり。ふっくらとやわらかで優しい音楽です。
第2楽章、Tempo di Valse. ワルツのテンポで、と訳すのでしょうか。クーベリック盤では Menuetto. Allegro con moto - Trio と表記されています。どうも、使用する楽譜の版が違うようです。どこかスラブ舞曲ふうの、懐かしさを感じさせるような旋律が反復され、思わず引き込まれます。
第3楽章、スケルツォ、ヴィヴァーチェ。テンポの速い生き生きとした主題が輪唱風に追いかけます。後半は雰囲気が変わり、おだやかで親密。でも弦楽の響きは一貫してふっくらとやわらかです。
第4楽章、ラルゲット。深く優しく包み込むような夜想曲ふうの音楽です。BGMとして深夜放送あたりに使ったら、番組の好感度がアップするかもしれません。それとも、どこかでもう使われているのかな?
第5楽章、フィナーレ、アレグロ・ヴィヴァーチェ。活気ある音楽。第1楽章の主題が繰り返され、コーダに入って盛り上がって終わります。

本作品は、ドヴォルザークが交響曲第5番を完成した時期でもある1875年に、ごくわずかな期間で作曲されたとのこと。少し前に結婚したばかりでもあり、ブラームスと知り合い、オーストリア政府からそれまでの年収のニ倍もの奨学金が受けられたことなど、幸せが反映したような静かで平和な音楽です。この音楽を聴く方も、なんだか幸せな気分になります。

指揮者を置かないプラハ室内管弦楽団の演奏(DENON COCO-70717)は、1993年6月にプラハのルドルフィヌムでデジタル録音されています。弦楽の響きがたいへん美しい録音です。クーベリック盤(Gramophon POCG-9693)は、1969年5月にロンドンで録音されたもので、もちろんアナログ録音です。最新録音の鮮明さはありませんが、全体にやや速目のテンポで演奏される音楽に不満はありません。

■プラハ室内管弦楽団
I=4'13" II=6'30" III=5'46" IV=5'51" V=6'02" total=28'22"
■クーベリック指揮イギリス室内管弦楽団
I=4'28" II=6'17" III=5'21" IV=5'03" V=5'49" total=26'58"

写真は、散歩コースに近い農業用水の水路です。きれいな水が流れ、晴天時にはたいへん気持ちがいいです。
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