電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

万年筆の利用頻度が下がった理由

2011年08月05日 06時03分20秒 | 手帳文具書斎
若いころに愛用した万年筆の使用頻度がしだいに下がり、意識して使うように心がけていないとインクの出が悪くなり、書き出しが困難な場合も出てきます。なぜ、万年筆の出番が少なくなってしまったのだろうと振り返って見ると、いくつか思い当たる節がありました。

(1) 携帯用の筆記具としてボールペンが普及し、性能が向上したこと
 万年筆の場合、常時携帯するには、色々と難点があります。胸ポケットに挿せば体温で温められ、インク漏れが起こりやすいですし、ペンケースに入れてカバンで持ち運ぶよりも、ポケットからボールペンをさっと取り出す方が手っ取り早くて便利です。
(2) インクの容量が少なく、頻繁に補給や交換が必要であること
 万年筆のインク容量はあまり大きくなく、とくに中字以上ではインク消費量も多いので、すぐに補給が必要になります。ボールペンだと、筆記可能な量も多く、すぐに交代できるボールペンが身近にある場合が多いのです。
(3) デスクワークがパソコンに置き換えられたこと
 従来は万年筆の出番であった、手書きで行っていた多くのデスクワークが、パソコンで処理されるようになり、デスクで万年筆を使うのは署名や個人的な手帳・ノート記入くらいになってしまったことが大きいでしょう。

こんなところかな。なるほど、プリンターとボールペンに押されて交代したというわけでしょうか。万年筆愛好者を自認していながら、万年筆を使う場面がどんどん減っているというのは、なんとも情けない事態です。出先で使うのは、書き味サラサラの Jetstream ボールペンでよいけれど、自宅のデスクで手書きをするときには、できるだけ万年筆の出番を作っていきたいものです。

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