電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

映画『超高速参勤交代!』を観る

2014年08月04日 06時04分34秒 | 映画TVドラマ
あまりの暑さに耐えかねて、映画館で涼んでこようと意見が一致し、妻と映画を観に出かけました。いろいろな候補はあったものの、今回は「楽しさ」重視で、『超高速参勤交代』(*1)を選びました。この映画、あちこちのブログでも話題になって好評のようです(*2,*3,*4)し、なにやらおもしろそうだとの予感がします。なにしろ、発想がいい(^o^)/

現在の福島県いわき市にあたる、磐城国・湯長谷藩の藩主・内藤政醇(ないとう まさあつ)は、参勤交代で国元に戻ったばかりなのに、金山の不正申告疑惑を正すためと称して、五日以内に江戸に参勤せよとの命令を受けます。これは、老中・松平信祝(のぶとき)による、湯長谷藩取り潰しをねらった無理難題でした。

幕命に対する藩論は割れますが、藩主の内藤政醇は、五日以内に参勤することを決意、知恵者の家老が「キセル参勤行列」を計画し、一匹狼の忍者・雲隠段蔵の案内で、山の中を走り抜けることになります。もちろん、幕府のお庭番が妨害役になり、チャンバラ場面もたっぷりですが、意外だったのが「殿」の内藤政醇の剣術が強いのなんの、閉所恐怖症で人がいいだけのバカ殿ではありません(^o^)/

貧乏で人が良いだけではなかった陸奥(みちのく)の湯長谷藩ですが、文字通り情けは他人のためならずで、飢饉の時に救援米を送ったりした実績が、困難な場面で自らを救うことになります。また、庭に後ろ手に縛られていた山猫のような飯盛り女・お咲に情けをかけたことで、宿場役人の探索から逃れることができましたし、金が全てという雲隠段蔵が、信頼の値打ちを知って再び戻って一行の危急を救う役目を果たします。善意は実り悪意は倒れるという、典型的な娯楽時代劇の王道を行く脚本ですが、中には中央と地方とか、為政者と民というような、現代的な要素もちりばめられています。具体的な台詞は忘れてしまいましたが、たしか将軍吉宗に向かって、ボソッと「トップが愚かだと、民が難儀するので」という趣旨のことを言っていました。幕府=東京、湯長谷藩=フクシマ、という構図だととらえると、エンターテインメントにこめられた風刺と見ることもできます。

また、「華麗な」とはとても言えませんが、恋の要素もちょっぴり盛り込まれており、大名と飯盛女とか、藩主の妹と堅実地味だが不死身の家臣とか、艶やかな着物姿も目の保養です(^o^)/

いやはや、涼しく楽しく観ることができました。なかなかおもしろかった!

(*1):「超高速!参勤交代」公式サイト
(*2):超高速!参勤交代~「迷宮映画館」2014年7月
(*3):映画・超高速!参勤交代~「読書と映画とガーデニング」2014年7月
(*4):映画「超高速!参勤交代」を観る~「石狩国音楽記」2014年7月

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