先に1986年から1996年頃に刊行された文具系の文庫本を記事に取り上げました(*1~*3)が、これらが昔の文具本の傾向を代表するものとすれば、その特徴は、一言でいえば「舶来文具への憧れ」ではないかと思います。それは、たとえばスマイソンの手帳にモンブランのマイスターシュトゥックで記録をしたり、ミードの黄色いリーガルパッドにビックの太字のボールペンで書いて破り取ったりするようなライフスタイルへの憧れを醸し出すように作られていると言ってもよいかもしれません。
ところが、先日、某図書館の日本十進分類「生活」の棚に「文具」という区分が作られており、文具に関する書籍やムックが並んでいるのを発見。その中から、比較的新しめの文具系ムックとして、2011年8月に刊行された『別冊宝島・最強の文房具394』を借りてきました。他にも類似のものが並んでいましたが、傾向は似たり寄ったりで、時代の空気の共通性を感じます。その特徴を一言でいえば、「国産文具はかなりスゴイぞ」となります。『別冊宝島』という母体の傾向もありますが、「仕事が快適になる超組み合わせ術」というテーマのもとに、「達人たちがイチオシする」文房具を紹介する、というスタンスです。
この20年間に起こった、「舶来文具への憧れ」から「国産文具はかなりスゴイぞ」への転換のきっかけは何だったのだろう? それは、もしかしたらジェットストリームやフリクションボールといった、定番ボールペンの大変革にあったのではないか? 年代的にはおそらく2006年前後で、この時期に、大げさに言えば「ジェットストリーム・フリクションボール革命」が起こったと考えると、つじつまが合います。昔の文具本と今の文具本の違い。それは多分、「ジェットストリーム・フリクションボール革命」を経験したかどうかの違いのように思います。
(*1):市浦潤『文房具~知識と使いこなし』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
(*2):中公文庫編集部編『文房具の研究~万年筆と鉛筆』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
(*3):中公文庫編集部編『文房具の研究(2)』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
さて、今日は午後からマチネで山響定期。鈴木秀美さんの指揮で、ハイドンの「太鼓連打」とシューベルトの「ザ・グレート」です。楽しみです。
ところが、先日、某図書館の日本十進分類「生活」の棚に「文具」という区分が作られており、文具に関する書籍やムックが並んでいるのを発見。その中から、比較的新しめの文具系ムックとして、2011年8月に刊行された『別冊宝島・最強の文房具394』を借りてきました。他にも類似のものが並んでいましたが、傾向は似たり寄ったりで、時代の空気の共通性を感じます。その特徴を一言でいえば、「国産文具はかなりスゴイぞ」となります。『別冊宝島』という母体の傾向もありますが、「仕事が快適になる超組み合わせ術」というテーマのもとに、「達人たちがイチオシする」文房具を紹介する、というスタンスです。
この20年間に起こった、「舶来文具への憧れ」から「国産文具はかなりスゴイぞ」への転換のきっかけは何だったのだろう? それは、もしかしたらジェットストリームやフリクションボールといった、定番ボールペンの大変革にあったのではないか? 年代的にはおそらく2006年前後で、この時期に、大げさに言えば「ジェットストリーム・フリクションボール革命」が起こったと考えると、つじつまが合います。昔の文具本と今の文具本の違い。それは多分、「ジェットストリーム・フリクションボール革命」を経験したかどうかの違いのように思います。
(*1):市浦潤『文房具~知識と使いこなし』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
(*2):中公文庫編集部編『文房具の研究~万年筆と鉛筆』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
(*3):中公文庫編集部編『文房具の研究(2)』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
さて、今日は午後からマチネで山響定期。鈴木秀美さんの指揮で、ハイドンの「太鼓連打」とシューベルトの「ザ・グレート」です。楽しみです。