電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

アフィニス音楽祭2014合同オーケストラ演奏会でヘンデル、ストラヴィンスキー、シューベルトを聴く

2014年08月25日 06時02分42秒 | -オーケストラ
早朝から午前中いっぱい熱心に働いて、白菜を育てる予定の老母の畑を耕運機で耕し、朝食後は妻と二人で北限の桃「川中島」の収穫に従事しました。桃は、摘果が充分なところは立派な大玉の桃が収穫できましたが、サクランボの時期になり時間切れとなったところでは、小さな実が鈴なり状態になってしまいました。まずは大玉のところからせっせと収穫。

昼食後に一休みして、午後からは山形テルサホールに出かけました。本日は、アフィニス夏の音楽祭2014の最終日、合同オーケストラ演奏会です。今回のプログラムは次のとおり。

(1) ヘンデル 「王宮の花火の音楽」(金管アンサンブル版)
(2) ストラヴィンスキー 組曲「プルチネルラ」
(3) シューベルト 交響曲第5番 変ロ長調 D.485

さて、ヘンデルの「王宮の花火の音楽」は立奏で。ステージ左から、ソプラノ・トランペット(元ロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席で現在はチューリヒ音楽大学教授であるフリッツ・ダムロウさん)、トランペットが三人(宮本弦さん、山響の井上直樹さんと松岡恒介さん:フリューゲルホーン持ち替え)、バロック・ティンパニ(山響の平下和生さん)、チューバ(宮田保良さん)、ユーフォニウム(牛渡克之さん)、ステージ右側にはトロンボーンが三人(太田涼平さん、五十嵐達也さん、高橋智広さんの山響勢)、正面ティンパニの奥に、ホルンが三人(元フィンランド放送響首席で現在はフランクフルト音楽大学教授のエサ・タバニさん、倉持幸朋さん、山響の関谷智洋さん)、という楽器配置です。
演奏が始まると、金管合奏の響きがとにかく華やかです。いかにも夏向きで、ヘンデルらしい豪華さがあります。なんだか、王侯貴族の一人としてロンドンの川遊びに興じているような気分がいたします(^o^)/

続いてストラヴィンスキーの「プルチネルラ」。新古典主義時代の作品だそうですが、当方はあまり聴き馴染みのある曲ではありません。楽器配置も、興味津々です。
ステージ左から第1ヴァイオリン(8)、チェロ(6)、ヴィオラ(6)、右端が第2ヴァイオリン(8)で、チェロの左奥にコントラバス(5)、正面奥に木管セクションとしてフルート(2)、オーボエ(2)、ファゴット(2)、さらにその奥に金管セクションとしてトランペットとトロンボーン(各1)、ホルン(2)と見ましたが、正確な人数はよくわかりませんでした。それよりも、川崎洋介さん(オタワ・ナショナルアーツセンター管弦楽団コンサートマスター)がコンサートマスター席に座ります。指揮者なしの演奏なのです!演奏が始まると、川崎さんのヴァイオリンは、やわらかで澄んだ音で全体をリードします。弦楽アンサンブルは繊細で管楽器の音も軽やか、楽しい音楽になっています。Obのアビュールさん、Fgのデネヴェークさんが加わる木管アンサンブルは期待通り素晴らしい。そうそう、トロンボーンは山響の新星・太田涼平さん、お見事でした。



休憩の後は、シューベルトの交響曲第5番。
同様に、1st-Vn(10)、Vc(6)、Vla(8)、2nd-Vn(10)、Cb(4)、Fl(1)、Ob(2)、Hrn(2)、Fg(2)という編成。コンサートマスターは、ヘンリック・ホッホシルトさんで、川崎洋介さんはセカンドのトップに座ります。いつも見慣れたテルサホールに、指揮者なしで流れる若いシューベルトの音楽を、快く聴きました。ホッホシルトさんは、一つのフレーズの中でも豊かな表情がありますし、コントラバスのイェルク・リノヴィツキさん(元北ドイツ放送響)の動きを見ていると、弓を弦から離して音を響かせるタイミングがすごくうまいことにあらためて感心します。
弦楽アンサンブルの見事さ、管の感度のよさ、全体のまとまり、第3楽章の推進力も第4楽章のシューベルトの激しさもきっちりと表現して、その上でシューベルトのふわりとした柔らかさ、ロマン性を感じさせてくれました。

ホッホシルトさんの合図で、それぞれに聴衆の拍手を受けていましたが、山響の団員の皆さんもだいぶ応援に加わっているようでした。それぞれお名前をあげることはしませんが、お疲れさまでした。ほんとに良かったです。
答礼も終わり、鳴り止まない聴衆の拍手の中で、若い演奏者たちがみんなで握手しあって名残惜しそうにステージから去っていく様子を見ていると、音楽祭というのはいいものだなあと感じます。前向きな刺激を受けます。協力した山形大学の学生さんたちやスタッフの皆さんにも、きっとそれぞれに思い出に残る夏になったことでしょう。アフィニス音楽祭が、来年は広島で、再来年にはまた山形で開催されますように、祈りたいと思います。

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