電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

プロコフィエフのバレエ「シンデレラ」を観る~キーロフ・バレエ

2014年08月29日 06時02分50秒 | -オーケストラ
プロコフィエフの音楽は、どうやら好みに合うらしく、わりに熱心に聴いております。当地で開催される室内楽の演奏会なども、できるだけ逃さないように心がけておりますが、さすがにバレエとなると、馴染みがないこともあり、めったに親しむ機会を得ません。

そんなとき、たまたま某図書館で、プロコフィエフのバレエ「シンデレラ」のDVD を見つけて借りてきました。1枚のDVDに、キーロフ・バレエの公演が収録されたもので、カメラの特殊効果を用いて場面転換を図っていますし、映画のような横長の画面ではなくて、ほぼ4対3の四角い画面ですので、テレビ放送をもとに作られたのかもしれません。



原作は有名な童話ですので、あらすじは台詞や字幕がなくてもよくわかります。優雅に跳んだり跳ねたりするけれど、要するにパントマイム(^o^;)>poripori
悪役にあたる二人の意地悪なお姉さんたちのコミカルさには、大ウケです(^o^)/
踊りで性格を表すというのは、可能なのですね!

ただし、音楽はすこぶる充実したものです。これまでCDで聴いてきた「シンデレラ」組曲の音楽が、なるほどこういう場面で使われていたのか!とビックリします。同時に、なんてうまく場面を表した音楽なのだろうかと感心してしまいます。



「白鳥の湖」などにおける男性のバレエ・タイツ姿は、少々違和感ありなのですが、この作品では、童話らしい衣装がありますので、あまりモッコリ感はありません(^o^)/
それにしても、時計が12時を打つ有名な場面における、あの音楽のすごさ!
バレエは、踊りの見事さとともに、音楽で楽しむものなのだなと納得いたしました。

私の場合、オペラへの開眼はヴェルディの「ドン・カルロ」でしたが、バレエはプロコフィエフの「シンデレラ」と言ってもよいかもしれません。このキーロフ・バレエのものは、音声というか録音には少々不満がありますので、できれば別の演出で、自分でもDVDを1枚ほしいぞ、と思ってしまいました。

ところで、手許にあるプロコフィエフの「シンデレラ」組曲第1番のCDは、NAXOSのテオドル・クチャル指揮ウクライナ国立交響楽団による演奏です。前半は「ロメオとジュリエット」のハイライトで、後半が「シンデレラ」の音楽になっており、組曲第1番の7曲が収録されています。これがなかなか良い演奏で、プロコフィエフのモダンな響きを生かしながら、神秘性や童話的な夢幻性をよく表現していると感じます。「ロメ・ジュリ」のほうは、スクロヴァチェフスキの素晴らしい演奏・録音もありますので、そちらを手にすることが多いのですが、「シンデレラ」のほうは、今もクチャル盤(8.553273)で聴いて楽しんでおります(*)。

(*):プロコフィエフ「シンデレラ」組曲第1番を聴く~「電網郊外散歩道」2006年8月

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