電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

シベリウス「交響曲第5番」を聴く

2011年09月15日 06時02分15秒 | -オーケストラ
最近の通勤の音楽は、シベリウスの「交響曲第5番」です。カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏で、第4番とのカップリングです。カラヤンは、シベリウスを何度も録音しているようですが、このCDに収録されているのは、1976年9月のEMI録音(CD:CE28-5186)です。

添付のリーフレットによれば、この曲は、1914~15年、シベリウス生誕50年の記念行事の中心として計画された祝賀演奏会の曲目として作曲され、その演奏会で初演されたのだそうです。1919年に改訂を加え、これが決定稿となったとのこと。この演奏は、たぶんこの決定稿に基づいたものなのでしょう。時代的には、第一次世界大戦とロシア革命の激動期にあたりますが、ロシア、オーストリア、ドイツの三つの帝国が崩壊し、1917年にはフィンランドが独立を果たします。作曲家シベリウスにとっても、最も油の乗り切った頃の力作です。たぶん、「フィンランディア」の作曲家シベリウスの生誕50年を祝う記念行事とは、フィンランドの民族主義運動の象徴でもあったのでしょう。

楽器編成は、Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(4), Tp(3), Tb(3), Timp., 弦5部という、一部拡大された二管編成となっています。

第1楽章:テンポ・モルト・モデラート~ラルガメンテ~アレグロ・モデラート。伸びやかな、ゆったりした出だしは、北欧の大自然の夜明けか、春の到来を連想させるような、素朴で牧歌的なものです。しかし、曲調は暗く不安気で陰鬱なものから、明るい農民舞曲ふうなものに変わり、楽章の終わりは堂々たるものです。
第2楽章:アンダンテ・モッソ、クアジ・アレグレット。ヴィオラとチェロとが、ピツィカートで、森の小動物か、あるいは鉄腕アトムの妹のウランちゃんが小走りに歩くような旋律を奏でます。なんともチャーミング。これが主題となり、あたたかな雰囲気の変奏が展開されます。こういう音楽は、カラヤンはうまいですね!
第3楽章:アレグロ・モルト。ヴィオラの忙しいトレモロで始まり、ゆったりした旋律が堂々と立ち上がります。ひそひそ噂話が広がるようなトレモロと、やや悲しげでヒロイックな旋律が交代するように展開され、ドラマティックな盛り上がりを見せて、六つの和音で曲は終了します。

カラヤンが指揮した、ベルリン・フィルという大ヴィルトゥオーゾ・オーケストラによる、重厚で壮大な演奏と言ってよいでしょう。北欧の冷涼で神秘的な側面が語られることの多いシベリウスにしては、伸びやかで祝祭的な気分が現れた、繊細・精緻な作品であり、演奏であると感じます。シベリウスの作品の中では、好きなものの一つです。

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Gnomeの「時間とともに変化する壁紙」

2011年09月14日 06時02分42秒 | コンピュータ
自宅で使っているパソコンOSは、主として Ubuntu Linux です。デスクトップは Gnome で、これまでは季節の写真を背景画像として選択し、設定しておりました。ところが、たまたま地球の衛星画像に魅了されて、これを背景画像として選んだところ、一定の時間が経過したら、背景の写真が変わってしまうではありませんか!













これは面白い!というわけで、数日かけて、背景画像が変わっていたらスクリーンショットを記録する方法で、集めてみました。天文知識はうといほうですが、見事な写真には魅了されます。それぞれ実は何の画像なのか、知りたいものです。

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えっ、かのベートーヴェンが山形へ?

2011年09月13日 06時03分52秒 | クラシック音楽
朝晩はぐっと涼しくなり、日中もすごしやすい陽気となった今日この頃、久しぶりに暦どおりの連休に、農作業を終えてついうとうとしてしまいました。

するとそこへ、ドラえもんが現れて、お客さんを連れて来たのです。やってきたお客さんとは、なんと、かの L.V.ベートーヴェン! 学生時代にドイツ語を選択していたとはいえ、すでに忘却の彼方です。ドラえもんに翻訳コンニャクをもらい、なんとか話せるようになりました。なんでも、あの世には「クラシック音楽作曲家連盟」があるのだそうで、新たに作られた作品は「メイド・イン・冥土」だそうな(^o^)/
要するに、先に訪問した(*1)モーツァルトから、山響はいいよ、山形はいいところだよと話を聞き、作曲が一段落したので散歩に来た、とのことでした。

それでは、というわけで、まずは山形市の馬見ヶ崎川の河原で芋煮会。ベートーヴェン氏、野趣あふれる山形芋煮がいたくお気に入りの様子でしたが、それに加えて、地元山形産ワイン(*2)に感激して、高畠ワイン、蔵王スター・ワイン、朝日町ワインなどを味わって、美味しい美味しいと連発しておりました。確かに、山形ワインなら彼の健康上も安心(*3)です(^o^)/



たまたま隣で芋煮会をしていたのが、東北パイオニアの社員有志。ベートーヴェンの本物に感激し、携帯カメラで記念写真を激写していましたが、うちの補聴器を使ってみてほしいと申出があり、小型で高性能なことにベートーヴェンもびっくり大喜び(^o^)/

私も少々ワインをいただきましたので、運転は妻にまかせて、次は文翔館議場ホールへ。山形交響楽団は、ふだんここで練習をしています。この日は、モーツァルト交響曲全曲演奏「アマデウスへの旅」の練習を行っておりました。パイオニアの補聴器で、かなり聴き取れるようになったベートーヴェン、山響の演奏が気に入った様子です。コンサートマスターの犬伏亜里さん、マエストロに話しかけます。

「ベートーヴェンさん、今は冥土で何を作曲しているんですか。」
「うむ、二管編成のオーケストラと、独奏チェロのための協奏曲をな。」
「おや、それはすごい!では、山響でもプログラムに入れられますね。」
「うむ、ワシの曲の演奏を楽しみにして来たんじゃ。演奏が気に入ったら、献呈しても良いぞ。」

わーお、ベートーヴェン作曲「チェロ協奏曲 イ長調 Op.147」だそうです!それはすごいと山響団員の人たちも大興奮。総譜にさっと目を通した音楽監督は、さらに大興奮。新年度のプログラムに、ベートーヴェンの「チェロ協奏曲」の世界初演をぜひとも入れようと盛り上がりました。

と、そこへ、「ご飯ですよ~」と妻の声。なんだ、夢か。えーん、もう少しで曲が聴けるところだったのに~(^o^)/

(*1):えっ、モーツァルト本人が、山響に客演?!~夏の夜の夢~「電網郊外散歩道」2011年7月
(*2):山形県のワイナリーへ出かけよう~山形県観光情報総合サイトより
(*3):ベートーヴェンの聴覚障碍の原因について~「電網郊外散歩道」2010年1月
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天童市の三代松だんご屋でお団子を食べる

2011年09月12日 06時01分58秒 | 散歩外出ドライブ
土曜休日、妻と散歩ドライブにでかけ、天童市の「三代松(みよまつ)」だんご屋を訪ねました。天童市では、菊地だんご屋の「きみのもち」とともに、お気に入りのだんごです。場所は、天童駅前通りをしばらく北に進み、天童四中の裏、成生方面へ左折しJR山形線の踏切を渡ってすぐのところです。少し前に改修したようで、お店が新しくきれいになっていました。でも、メニューはあいかわらず多彩です。



もちろん、お持ち帰りのお客さんが多いのでしょうが、今日はのんびり散歩ドライブですので、奥の喫茶コーナーで一休みすることにしました。





きれいなテーブルで待っていると、だんごが出来上がってきました。お茶をいただきながら、だんごを食べました。「黒ゴマ」や「ぬた」(緑のやつ)の、たれの厚みをごらんください。あとはクルミも、くだいた粒々がそのまま入っていて、美味しいものです。



お昼どきには、おこわごはんも出るようです。また今度、お昼どきに来てみましょう。

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広河隆一『福島 原発と人びと』を読む

2011年09月11日 06時04分09秒 | -ノンフィクション
岩波新書で、広河隆一著『福島 原発と人びと』を読みました。本書の構成は、次のようになっています。

第1章:地震、そして事故発生
第2章:原発作業員は何を見たか
第3章:避難した人びと
第4章:事故の隠蔽とメディア
第5章:広がる放射能被害
第6章:子どもと学校
第7章:チェルノブイリから何を学ぶか
第8章:これからのこと

福島原発事故については、様々に報道されておりますが、どうも紋切り型の言い回しが多く、自分の頭で考えようとすると、なんだか釈然としないことばかりです。これだけの大きな事故になると、全体像をとらえることは困難なことです。チェルノブイリ原発事故の取材を経験したフォト・ジャーナリストの視点からの取材は、この一連の事態の断面を見事に写し取っています。

ヒロシマの被爆二世として育った私は、チェルノブイリや福島原発の周辺で被曝せざるを得なかった人々、とりわけ子どもたちが置かれた境遇と運命に、思わず同情してしまいます。甲状腺ガンなどの病気の発症が限りなく少なくなるように、そして万が一発症してしまった場合にも適切な医療が受けられるように、効果的な施策が実現されるように願いたいと思います。

亡父の場合、ヒロシマでの救援活動による入市被曝の証明のためには、三名の戦友の証言が必要でした。その意味では、周辺地域で自主的に取り組まれているという、3.11以後の子どもたちの行動記録が、たいへん重要な意味を持つものと感じます。

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題材の大きさと硬軟~ブログ記事の所要時間

2011年09月10日 06時03分50秒 | ブログ運営
長い間、記事を更新しつづけていると、力の入った大きな記事を連発できる時期と、どうにも題材が尽きて思いつかず、身近な小ネタでお茶をにごす時期が交互にくるような気がします。私の場合、それはたぶん日常の気力・体力、忙しさの度合いによるもので、多忙な時期には充電できないものだから、アウトプットも貧弱になる、ということなのでしょう。

もう一つ、取り組む題材の大きさにも関係します。事前によく考え、調べる必要のある題材ばかりをかかえていると、日々の更新はなかなか難しいものです。大きな題材の合間に小ネタをはさむのか、小ネタばかりでは不満で大きなテーマに挑戦しようとするのか、そのあたりは定かではありませんが、記事の題材は、大きなネタばかりを同一レベルで続けようなどと気張らずに、大小硬軟取り混ぜて、ほどよく配置するのが継続のコツのようです。

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インターネットでラジオ放送

2011年09月09日 05時47分35秒 | コンピュータ
この9月1日から、インターネットでNHKのラジオ放送3波が聴取できるようになったとのことで、早速試してみました。いつものNHK番組表(*)の「FM」のページのお知らせ欄に「らじる★らじる」というバナーが設けてありましたので、ここから当該ページに飛ぶことができ、NHKラジオ第1と第2、NHK-FMをストリーミング再生で聴くことができました。

番組内容は、基本的には通常のラジオ放送と同じですが、インターネット経由の放送とミニコンポで鳴らすアンテナ経由のラジオ放送とでは、インターネット経由のほうが3~4秒遅れて音が出ているようです。なるほど、これがデジタル遅延なのですね。送信元では同時であっても、中継各所で処理される時間が積み重なり、エンドユーザーには遅れて届いてしまうということでしょう。正確さを求められる時報や緊急地震速報は対象外というのも、やむを得ないことと思います。



ストリーミング再生のNHK-FMの音質は、専用アンテナで受信し、オーディオ装置で聴くFMの音よりも劣るようで、「ラジオなみ」という表現は的確なようです。でも、ラジオ第1と第2のほうは、音質上の不満はなく、混信のないクリアな音声が特徴的です。むしろ、電波状況の悪いビル街や山間地など、ラジオ放送の恩恵を受けにくいところで、大きなメリットがあるように思います。いずれにしろ、すごい時代になったものです。

(*):NHK番組表

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テレマン「ヴィオラ協奏曲」を聴く

2011年09月08日 06時03分03秒 | -協奏曲
存命時には、かの大バッハよりも高名で、膨大な音楽を残したテレマンという作曲家は、私にとっては馴染みの薄い存在でした。テレマンの音楽に親しむようになったきっかけは、間違いなくナクソスの「ヴィオラ協奏曲、リコーダー組曲」等のCDです。エトリンガー指揮カペラ・イストロポリターナの演奏で、1988年6月、スロヴァキア、ブラティスラヴァ、モイゼス・ホールにおけるデジタル録音です。長く聴いてきたこのCDから、ヴィオラ協奏曲ト長調を取り上げます。ヴィオラ独奏は、ラディスラフ・キセラーク(Ladislav Kyselak)という人のようです。

第1楽章、ラルゴ。弦楽合奏の穏やかな始まりです。ヴィオラ独奏が登場すると、華やかさのない、地味な楽器なのに、なぜか魅力的な音に魅了されます。
第2楽章、アレグロ。速く活発な楽章です。典型的なバロック協奏曲のようですが、強弱の対比を生かした、面白い音楽になっています。
第3楽章、アンダンテ。少しだけ嘆きの要素も取り入れた緩徐楽章です。
第4楽章、プレスト。再び速く活発な音楽となります。ヴィオラの独奏部分は、中声部の魅力にあふれ、活発な動きに躍動感があります。

指揮者のエトリンガーは、ナクソスの記載によれば、次のような経歴の持ち主のようです。

The Austrian conductor Richard Edlinger was born in Bregenz in 1958 and directed his first concerts at the age of seventeen.

He completed his studies at the Vienna Academy in conducting and composition in 1982, by which time he had already acquired considerable professional experience. He was the youngest finalist in the 1983 Guido Cantelli Conductors’ Competition at La Scala, Milan.

ふむふむ。1958年にオーストリアのブレゲンツに生まれ、17歳で初のコンサートを指揮したとのこと。ウィーン音楽院で指揮と作曲を学び、その時にはすでにかなりの経験を得ていたそうな。1983年、ミラノのグイド・カンテルリ指揮者コンクールにおいて、最年少のファイナリストとなったとのことですので、録音当時は40前の若手(中堅?)指揮者ということになります。

ソリストのラディスラフ・キセラークについて検索してみると、こんな記述(*2)がみつかりました。

1956年ブルノの音楽一家に生まれる。76年ブルノ音楽院を卒業し、プラハ・アカデミーに入学。79年チェコ文化賞主催のコンクールで優勝。その後マン島(80)、ポースマスコンクール(81)弦楽四重奏部門で栄誉を与えられる。86~89年にヴィオラをPardubice音楽院で教えた後、スロヴァーク・フィルハーモニーオーケストラのヴィオラの首席に迎えられる。後、ブルノのヤナーチェク・アカデミーの教授を経て、89年よりヤナーチェク弦楽四重奏団に参加。現在チェコの誇るヴィオラ奏者として、多くのレコーディング、ソロ活動、室内楽コンサート等でヨーロッパ、アメリカ等で活躍中。

なるほど、指揮者とは二歳違いのようですので、まずは同世代の共演ということになるようです。

(*1):リヒャルト・エトリンガー~Naxos Music Library-アーティスト
(*2):ラディスラフ・キセラーク~あの人検索SPYSEE
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村上もとか『JIN~仁~』第2巻を読む

2011年09月07日 06時03分34秒 | 読書
村上もとか著『JIN~仁~』第2巻を読みました。なるほど、抜群のおもしろさです。集英社漫画文庫の第2巻は、「人の章」その4、「コレラ対仁」から。

西洋医学所で、蘭方医の一人、山田純庵がコロリに倒れ、南方仁先生はその治療にあたります。父をコロリで失い、仁先生に対処法の手ほどきを受けていた橘咲は、「どうして助太刀せずにおれましょう、咲は武家の子でございます」の名台詞を残し、仁先生のもとへ馳せ参じます。コロリ治療の試金石となった山田純庵が回復に向かったのは良いのですが、なんと仁先生まで感染してしまいます。その5:「咲の戦」は、死線をさまよう仁先生を救うために、咲さんが大腿静脈への二本の点滴を決断し、死の淵から救い出します。この場面は、テレビでもたいそう印象的な場面でした。緒方洪庵と山田純庵、そして橘咲。良き理解者と協力者を得るとともに、かけがえのない女性として見出す章です。

続いて「信の章」と「深の章」。ここでは、坂本龍馬を介して吉原の鈴屋彦三郎とのご縁ができ、彦三郎の慢性硬膜下血腫の手術を通じて、呼出し花魁・野風の信頼を得ます。そこから、遊女の梅毒の悲惨な場面から、天然ペニシリンの開発へとつながっていきます。テレビでは、天然ペニシリンの抽出と精製の可能性は、恋人の美紀が調べ、二人の接近のきっかけになるという想定でした。原作では、医学生仲間の友光が調べた、という想定です。このあたり、図解の力もあり、原作のほうが、解説がわかりやすいと感じます。

そして「真の章」。蘭方医の本山である西洋医学所でも内部に反発があり、漢方医の本山である医学館でも疑いを持たれますが、漢方医・福田玄孝の胃に穴が開き、命の危険があったときに、開腹手術でこれを救います。刺客に命を狙われる仁先生、野風・咲連合の機転であやうく難を逃れたと思ったら、一難去ってまた一難、こんどはペニシリン株を失いかけます。結局、西洋医学所から独立することとなり、本巻は閉じられます。



当方も、R.シューマンの悲劇を通じて、梅毒という病気の悲惨さを知りましたが、この漫画では、遊女の運命と悲惨な実状を描き、華やかな吉原遊廓の闇の部分を描き出しています。村上もとかという漫画家の意図は、単なる娯楽を越えて、ヒューマンな作品として現れています。表紙に描かれた、笑顔で働く女性は、橘咲さんでしょうか。なかなかいい絵です。

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村上もとか『JIN~仁~』第1巻を読む

2011年09月06日 06時03分09秒 | 読書
一ヶ月ほど前に、書店で平積みになっていた中に、文庫本サイズの村上もとか著『JIN~仁~』シリーズを発見しました。先にテレビでドラマを面白く観た記憶が鮮明でしたので、第1巻~第3巻までを購入し、読み始めました。自分で漫画を買って読んだのは、たぶん手塚治虫の『火の鳥』シリーズ以来かも。実に画期的なことです(^o^)/
私が読み終わると妻が読み始めますので、なかなか書棚に落ち着くことはありませんが、楽しみなシリーズです。全13巻、集英社漫画文庫。

原作とテレビドラマでは、婚約者だった美紀さんの存在が大きく異なります。テレビでは、美紀さんと野風さんがそっくり瓜二つという想定でしたが、原作では、南方先生の求婚を断って指輪を返却するエピソードに出てくるだけで、この女性の名前すらはっきりしません。
でも、そのほかの物語の内容は、ほぼ原作に忠実なストーリーになっていたことがわかりました。橘恭太郎の頭部負傷と開頭手術、子供をかばって馬に頭部を蹴られた母親の手術、麻疹に倒れた喜市と橘咲の治療、辻斬り事件、勝麟太郎の知遇、横浜における水兵の手術、そしてコロリの流行。

テレビドラマと原作と、一番イメージが違ったのは、実は咲さんの年齢でした。テレビでは綾瀬はるかさんが演じていましたが、どちらかといえばかなり成長した女性のイメージです。ところが原作では、咲さんの年齢はなんと16歳!今ならば高校一年生にあたります。南方仁センセイ、もしかして、青少年保護条例に抵触してませんか(^o^)/

もっとも、明治生まれのわが祖母は、18歳でお嫁にきたそうです。江戸時代には、この年齢で婚約というのは、別に珍しいことではなかったようですが(^o^)/

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ロイヤル・オペラハウスのペンケース

2011年09月05日 06時01分17秒 | 手帳文具書斎
1980年代の後半のことだと思いますが、レーザーディスクでオペラを観るのを楽しみにしておりました。たいていカートンボックス入りの豪華なもので、お値段も13,800円~15,800円と高価なタイトルばかりでした。販売元のパイオニア・レーザーディスク・コーポレーションも、愛好者向けの様々なサービスを展開しておりました。このペンケースも、その一例です。

表面には、ROYAL OPERA HOUSE Covent Garden と金文字でプリントされ、八本のペンを入れることができます。



こんな感じです。実際は、これだけのペンを携帯することはあまりないのですが、いざ携帯する必要があるときには、こんな風にして持参します。ちなみに、写真は上から

 ぺんてるのシャープペンシル(0.5mm)
 ゼブラのシャープペンシル(0.9mm)
 ペリカンの万年筆(太字)
 ウォーターマンの万年筆(細字)
 パイロットの万年筆(中字)
 ヴァレンティノのボールペン

です。これに、黄色のカラーマーカーや、Jetstream の多機能ボールペンなどが加わります。

ただし、実際に長期出張などの際は、ペンの種類は控えめに、ハサミやカッターナイフ、スティック糊、ホワイトコレクター(修正ペン)などを加えることが多いです。ノートパソコンがいくら便利とはいっても、プリンターまでは持参できませんので、こうした文房具の役割はかなり重要です。



当地山形では、猛烈な暑さ以外にはほとんど台風の影響はありません。のんびりした文房具記事など更新しておりますが、四国、近畿地方の台風12号の被害は、記録的豪雨により、だいぶひどそうです。愛媛県在住の mozart1889 さん、Kazumi さん、被害の少ないこと、ご無事をお祈りいたします。

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那須田務『音楽ってすばらしい~古楽演奏による音楽の魅力の発見』を読む

2011年09月04日 06時02分49秒 | クラシック音楽
自分の得意分野以外の領域では、子供向けの本がわかりやすく重宝することが多いものです。今回、図書館から借りた、ポプラ社の「10代の教養図書館」シリーズ中の一冊、那須田務著『音楽ってすばらしい~古楽演奏による音楽の魅力の発見~』を読みました。古楽演奏に取り組むようになった経緯を、肩肘はらず率直に語る内容が、たいへん興味深くおもしろく感じました。
著者は、1956年に静岡県に生まれ、もともとはフルートを学ぶためにドイツに渡り、そこでフラウト・トラヴェルソ等を通じて、当時の古楽演奏に触れ、新鮮な魅力を感じるようになったのだそうです。

そういえば、フランス・ブリュッヘンやグスタフ・レオンハルト、あるいはクイケン兄弟などの古楽の潮流に、私もLP時代に接しておりました。SEON レーベルの、ブリュッヘン、ビルスマ、クイケン兄弟、レオンハルトらによる「ブランデンブルグ協奏曲」などを入手しておりましたが、正直なところ、妙な響きでジャカジャカ賑やかな演奏だな、という程度の認識しか持っていませんでした。ところが、アーノンクールのモーツァルト「交響曲第39番」の演奏を聴いたことや、当地の山形交響楽団が、「アマデウスへの旅」というタイトルを掲げてモーツァルトの交響曲全曲演奏に取り組み、しかも一部にオリジナル楽器とノン・ヴィヴラート奏法を取り入れて演奏するのを何度も聴く経験を経て、独特の澄んだ響きと、はずむようなリズム感の魅力を知るようになりました。

そんな時に読んだ本書は、ヨーロッパにおける古楽演奏の潮流がいかにして大きな流れになっていったかを示してくれました。とくに印象的だったのは、アンナー・ビルスマのエピソードでしょうか。彼は、国際コンクールに優勝しても、バッハの「無伴奏チェロ組曲」に退屈してしまいます。何よりも、音楽に飽きてしまうという危機に陥っていた、とのことです。そこへ、ブリュッヘンから電話が入ります。チェリストがいない、一緒にチェロを演奏してくれないか、というものでした。ビルスマは、ブリュッヘンやレオンハルトらと知り合い、古楽演奏と言う世界を知り、新しい出発をするのです。

大ホールに豊麗な音を響かせるための楽器と奏法が、レコード録音技術の進歩とレコード音楽産業の発展と共に世界中に普及した20世紀は、たしかに素晴らしい成果と遺産を残しました。でも、それがすべてではない。別の道もありうる。古楽演奏は、その一つの姿なのでしょう。なるほどと納得できる、またこの内容なら自分でもほしいと思わせる良書でした。

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老母、白菜の苗を購入し、畑に植え付ける

2011年09月03日 06時02分39秒 | 週末農業・定年農業
我が家の元気老母は、胃ガンの手術後も84歳とは思えぬほど大変元気で、毎朝の畑仕事を楽しみにしております。先日も、耕運機で耕した畑に、白菜の苗を植えました。若い頃ならば、種を蒔いて白菜を育てたことでしょうが、最近は農業用の資材や種苗を売る店まで、軽トラックで乗せていけと頼まれます。店では、若いお兄さんにテキパキと指示し、ごらんのようにかなりの数を購入してきました。



今回、求めたのは、白菜とブロッコリーとカリフラワーの三種類。丹精した野菜を今後も食べられそうで、まだまだ未熟な週末農業後継者は、まことにありがたい限りです。

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通勤時のラジオ・ニュースなど

2011年09月02日 06時03分36秒 | Weblog
東日本大震災の後、通勤中の決まった時間に、ラジオでニュースを聴くことが多くなりました。通勤時間に占める割合はわずかなものですが、被災地の様子や原発事故の対応など、ハラハラしながら報道に耳を傾けております。当方、スポーツ・ニュースはほとんど興味関心の対象外ですが、国内外の報道はなんだか気のもめることばかりで、困ったものです。

若者が、物理や化学、生物などの国際科学オリンピックで優秀な成績を収めたなどという報道は、まことに喜ばしく嬉しい限りです。それに対して、経済産業省所管の財団法人・日本エネルギー経済研究所が、「賠償加算しても、原子力は火力より安い」と試算結果を発表した、という最近の新聞報道(*1)には、文字通り唖然としてしまいました。

一方、業界新聞である「電気新聞」の報道(*2)によれば、政府(菅内閣)が原子力コストの試算案を作成したところ、ずいぶん高く付くのだそうな。この見解にあわてた人たちがいて、経済産業省所管の財団法人が反論を出したということなのでしょう。おそらく、夜間電力を使い、揚水発電を行うコストを、どの発電方式へ振り向けるかというような、統計データの処理の前提に、かなりの隔たりがありそうです。

(*1):「賠償加算しても、原子力は火力より安い…エネ研」1キロワット時8.5円~読売新聞オンライン
(*2):「政府が原子力コスト試算案 1キロワット時16~20円」~「電気新聞」2011年8月23日付け


うーん、住み慣れた故郷を追われ、静穏な生活と日常を失い、子や孫の内部被爆を恐れながら暮らさなければいけない多くの人々の嘆きと怒りを、そもそも「賠償加算」で代替することはできるのか。様々な立場からの多様な意見のありうる社会的な出来事には、ふだん見解を控えておりますが、この報道には、なんだかなーと思わずにはいられません。

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無印良品のノートパッドにリフィル両面印刷をするには

2011年09月01日 06時01分04秒 | 手帳文具書斎
先に購入した無印良品の「滑らかな書き味のノートパッド」の紙質が良いので、便利に使っておりますが、とくにシステム手帳のリフィルを、プリンターで両面印刷する方法を試してみました。

使用したプリンタは、Canon の iP4700 を Windows で、Brother の HL-5380DN を Linux で、いずれも両面印刷機能は有していますが、このサイズでは自動両面印刷はできません。ですから、両面印刷機能のないプリンターでも、おそらく通用するのではないかと思います。実際の手順は、次のとおり。

(1) 用紙設定は「ユーザー設定」とし、148mm(W)×195mm(H)、縦置き、用紙の余白は、上下を 18mm、左右を 35mm とします。
(2) この範囲内で、内容を作成します。
(3) 印刷設定は、カーソルを当該ページに置いて「このページのみ印刷」とし、用紙トレイを指定して、印刷をスタートします。これで、片面が印刷されました。
(4) 出力された用紙を長辺で裏返し、再び用紙トレイに置いて、次のページにカーソルを置き「このページのみ印刷」を実行します。
(5) これで、長辺を裏返した形で、両面印刷ができましたので、プラスチックのカッティング・ガイドで位置決めを行い、ハサミ等でカッとします。
(6) 六穴パンチで穴を開けます。六穴パンチがない場合、写真のように携帯できるものもあります。



こんなやり方で、常用するデータ一覧や、家族のパーソナル・データなどを作成したり、演奏会等の予定一覧を copy & paste で作成したり、なかなか便利です。レーザープリンタで作成したものは、カラーマーカーも使えますので、自作様式のリフィル作成も現実的かもしれません。

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