電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

稲川實『西洋靴事始め~日本人と靴の出会い』を読む

2017年05月16日 06時05分33秒 | -ノンフィクション
2013年に現代書館から刊行された単行本で、稲川實著『西洋靴事始め~日本人と靴の出会い』を読みました。坂本龍馬が西洋の靴をはいて写真を撮っている例はありますが、基本的に江戸時代は西洋の靴とは無縁です。明治維新・文明開化と共に、特に軍隊の近代化の影響で、西洋の靴が普及したのでしょう。では、その嚆矢となったのは誰で、どんな経緯で靴が普及したのか。ちょいと興味深いものがあります。

本書の構成は、次のとおりです。

第1章: 西洋靴事始め
第2章: 伊勢勝とレ・マルシャン
第3章: 明治・大正靴事情
第4章: 軍靴の響き
第5章: 向島の西村勝三像
第6章: 西村記念室の至宝
第7章: 靴業の先人たち
第8章: 靴商売百花繚乱

業界団体の機関紙に著者が連載した記事をまとめた本書は、日本の靴業の祖を、千葉県佐倉の人・西村勝三(1836~1907)とし、彼が洋靴製造を近代産業に育て上げ、今日の靴産業の礎を築いたと評価しています。明治3年3月、築地入船町に軍靴製造所を開業し、当初は香港で靴製造業に従事していた清国人の藩浩(はんこう)を雇って靴工を養成していましたが、明治5年からはオランダ人のF.J.レ・マルシャンやプロシャ人ボスケ等を雇い、指導に当たらせたとあります。ただし、あくまでも日本に来ていた靴職人を雇った形であり、長州ファイブが密航留学してご縁ができ、ウィリアムソン教授らの推薦を得て招聘することができた理化学関係のお雇い外国人教師とは違うようです。

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山響第261回定期演奏会でモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスを聴く

2017年05月15日 06時00分45秒 | -オーケストラ
ようやく雨が上がった日曜日、午前中に少し離れた園地で少しだけ桃の摘花というか摘果をしてから、早めに昼食を済ませて山形市のテルサホールに向かいました。山響こと山形交響楽団の第261回定期演奏会を聴くためです。

今回のプログラムは、「探求が生み出すケミストリー~巨匠カツァリス&鈴木秀美初共演!」と題して、

  1. モーツァルト:交響曲第34番 ハ長調 K.338
  2. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37
  3. ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98
    ピアノ:シプリアン・カツァリス、指揮:鈴木秀美、山形交響楽団

という内容です。



駐車場が混雑するので、早めに到着したのが正解で、ロビーコンサートもちゃんと聴くことができました。今回は、ジャン・クラの弦楽三重奏曲より、丸川倫代(Vn)、井戸健治(Vla)、渡邊研太郎(Vc)の3人の演奏です。ジャン・クラという人はフランスの軍人さんで、仕事の合間に作曲をしていた人らしい。ボロディンみたいなものでしょうか、曲はおもしろく聴きました。

恒例のプレトークは、鈴木秀美さんと西濱事務局長とのお話です。鈴木秀美さんは、古典派以前の音楽を古楽のスタイルで追求するという経歴から、実はプロ・オーケストラでブラームスの交響曲を指揮するのは今回の山響定期が初めてなのだそうです。でも、ブラームスの第4番の交響曲は、第4楽章でバッハのカンタータからコラールを取り入れるなどしていますので、古楽の立場からのアプローチは興味深いところです。そうそう、西濱事務局長の話では、山響のモーツァルト交響曲全集CDは、先月の定期演奏会で先行発売したときの売上が160セットもあったそうな。好調で何よりです。



さて、プログラムの始まりはモーツァルトの交響曲第34番です。楽器編成は、1st-Vn(8),2nd-Vn(7),Vla(5),Vc(5),Cb(3)の弦楽5部に、木管がOb(2),Fg(2)、金管はHrn(2),Tp(2)、それにバロック・ティンパニというもので、コントラバスを正面最後部に置いた対向配置です。
モーツァルト24歳、ザルツブルグ時代最後のシンフォニーは、指揮者が楽員に対し、それぞれ10代の頃を思いだして演奏してほしいと依頼したとのこと。輝かしさを保ちながら、内面のゆらぎを感じさせるものがありました。

続いて、ステージ上の配置が一部変更され、中央にピアノが引き出されてきます。聴衆の大きな拍手に迎えられて登場したのは、シプリアン・カツァリスさんです。シプリアンという名前は「キプロス人の」というギリシャ語が語源なのだそうです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は、8-7-5-5-3の弦楽五部にFl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(2),Tp(2),Timpという楽器編成です。
第1楽章が始まると、技巧のすごさを感じさせない自然で伸びやかな演奏に、思わず引き込まれました。でも、カデンツァはすごかった。なんだか妙なところに気づいてしまったのですが、カツァリスさん、イスがピアノと向き合う角度が妙に斜めになっています。左手(低音)側は鍵盤から離れ、右手(高音)側は逆に鍵盤に近づいていて、ちょっと斜に構えているような感じです。おそらくは、あの低音を響かせるために最も弾きやすい体の向きなのでしょう。
第2楽章の、夢見るような美しい主題にため息をつき、第3楽章の自由で軽快な演奏を堪能した後に、まさかああいうアンコールを聴けるとは思いませんでした。
アンコールは、なんと「ラ・マルセイエーズによるパラフレーズ」。新大統領の就任にちなんで、フランス国歌にしてフランス革命の歌でもある「ラ・マルセイエーズ」を主題に即興演奏を繰り広げます。いつのまにか、どこかでききなじんだ古いシャンソンになり、ああ、これは「枯葉」だな、こっちはジョルジュ・ムスタキだったろうか、若い頃にラジオで「午後のシャンソン」という番組があったっけ、などと思いだしておりました。思わずこのまま帰ってワインでも飲みたくなりました(^o^)/

休憩の後は、ブラームスの交響曲第4番。鈴木秀美さん、指揮台の少し手前でおじぎをして指揮台に登ります。いつもと違う雰囲気に、「ブラ4」演奏前の緊張が高まります。第1楽章と第2楽章は、指揮棒なしで優しくやわらかく、孤独や悲しみを感じるような表現です。第3楽章からは指揮棒を持ち、生き生きとしたリズムや澄んだ響き、それから特に第4楽章ではがっちりとした構成感を重視した音楽となっていました。なるほど、ブラームスへの古楽からのアプローチというのはあり得るなあと感じました。





終演後のファン交流会にも、大勢のファンがつめかけ、大人気でした。ピアノを習っている若い人たちはカツァリスさんへ、鈴木秀美さんのファンは「まだ東京でも発売されていない」という新しい著書『通奏低音弾きの言葉では、』を購入してサインをねだりに、つめかけておりました。当然、ワタクシも著者の署名本コレクションを充実させるべく、列に並びましたですよ(^o^)/



会場の出口に、SAY(さくらんぼテレビ)のドキュメンタリー番組の予告が出ていました。

6月2日(金) 19:00~20:00

これは「山響の活動を長期にわたり追った番組」とのことで、どんな番組になっているか、ぜひぜひ観たいものです。

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赤ワインソースのパスタを作る

2017年05月14日 06時01分34秒 | 料理住居衣服
このところ、休日のお昼にパスタを作っています。妻の体調が今ひとつなせいもありますが、しばらくぶりに自分で料理を作る面白さにハマってしまった面もあります(^o^)/

まずは、先週の写真から。残り肉などありあわせの材料で、パプリカ(赤)があったので彩りがよいのは良いけれど、量が多すぎたのとトマトが見当たらず、味が今ひとつでした。赤ワインソースのパスタは、やっぱりトマトがあったほうが合うみたい。



続いて、今回の写真です。



パプリカやしめじがなくて、材料はにんにく、タマネギ、ベーコン、ピーマンとトマトだけになってしまいましたが、パスタの分量は控えめにして、今回はうまくいきました。にんにくをオリーブオイルで炒めて香りを出し、みじん切りのタマネギを炒めてざく切りにしたトマトを加えます。粗く刻んだピーマンを投入して赤ワインを加え、少々煮詰めてソースを作ります。
茹でたパスタをソースに投入したときにバージンオイルをからめてスープを吸ってしまうのを防ぎ、茹で汁を多めに加え、赤ワインソースのパスタの出来上がり。



妻と老母の判定では、素人イタリアンシェフの腕前は徐々に向上している模様です(^o^)/



今日は、午後から山響の定期演奏会の予定。

  1. モーツァルト/交響曲第34番 ハ長調 K.338
  2. ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37
  3. ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 作品98
      指揮:鈴木秀美、ピアノ:シプリアン・カツァリス、山形交響楽団


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再びお弁当箱を新調する

2017年05月13日 06時03分09秒 | 料理住居衣服
少し前になりますが、お弁当箱を新調しました。今まで使っていたお弁当箱(*1)も、サイズも手頃で、トトロの絵柄も「脱オジサン風」でよかったのでしたが、食器乾燥機を常用したら内ぶたが伸びてしまったらしく、ちゃんとはまらなくなってしまいました。お弁当を運んでいるときに汁もれしたら大変なので、外観はまだ充分に実用になるのですが、機能面で見切りをつけ、新調することにしました。四年ぶりの新しいお弁当箱はサイズも小ぶりで、主食のカロリー制限による体重維持をしやすい分量です。外観も、「脱オジサン風」というよりは「紳士にも許容の範囲」でしょうか(^o^)/

これまで、毎年の定期健康診断オール○の健康維持の秘密に、毎日のお弁当もあるのではないかと感じています。単身赴任時の数年間を除き、長年お弁当を作ってくれている妻に感謝です。全く頭が上がりません。

(*1):お弁当箱を新調する~「電網郊外散歩道」2013年2月
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祖父の本で『リーダーズダイジェスト選集:世界のベストセラー16編』を読む

2017年05月12日 06時01分44秒 | -ノンフィクション
母屋のリフォームのために書棚を整理していたときに処分し残した本の中から、『リーダーズダイジェスト選集:世界の名作16編』を手に取り、読み返してみました。この本は、わが祖父のためにその弟(大叔父)の一人が贈ってくれたものらしいです。そういえば、子供のころに『リーダーズダイジェスト』というB6判くらいの小冊子が毎月送られてきていましたが、あれも大叔父が兄のために送ってくれていたもののようでした。



1957年当時の世界のベストセラーを要約し、単行本としてまとめた本書の内容は、次のとおりです。

  • 楽園に生まれて  フォン・テンプスキー
  • 皇太子と私    エリザベス・ヴァイニング
  • 白光に輝く天才  C.B.ウォール
  • コンチキ号漂流記  トール・ヘイエルダール
  • 1ダースなら安くなる  F.B.ギルブレイスII世他
  • 一天才と共にした冒険  アレイン・アイルランド
  • 草原に生きる   ラルフ・ムーディ
  • 天から降ってきた1セント  マックス・ウィンクラー
  • 秘境に降りた婦人部隊員  M.ヘースティングス
  • 名犬物語     ジョン T. フット
  • 死よ驕るなかれ  ジョン・ガンサー
  • 私はモントゴメリー原水の身代わり  クリフトン・ジェームズ
  • 新米おやじ活躍記  ジョン・ファント
  • 卵と私      ベティー・マクドナルド
  • 海のロマンス   レイチェル・カースン
  • トレーラー自動車放浪記  クリントン・トゥイス

たしか、初めて読んだのは中高生の頃だと思いますが、目次を見ただけでパッと記憶が甦るものがいくつかありました。よほど印象が強かったのでしょう。



今の視点でとりわけ注目されるのは、「皇太子と私」でしょうか。これは、現在の平成の天皇陛下がまだ皇太子だった頃、1946(昭和21)年に、昭和天皇の依頼でアメリカ人の家庭教師エリザベス・ヴァイニング夫人が招かれて来日した際に経験した四年間の回想記です。
侍従の顔色をうかがっていたローティーンの皇太子が、日本語を全く使わない英語のレッスンを通してアメリカ流のスタイルを身につけて行く。同級生と隔意なく親しんだり、同年代の外国人の子供たちと交流したりする中で、それまで宮内省の役人たちがしきたりとして押し付けていたものから少しずつ離れ、自由の価値を見出して行く、そういうエピソードが続きます。少年皇太子が占領軍のマッカーサー司令官と面会する際の様子は、自立しようとする少年の意識の中に、敗戦国の未来を見ようとする目が感じられるようです。

『死よ驕るなかれ』は、内幕ものの作家ジョン・ガンサーが、脳腫瘍に侵された息子の闘病のようすと、その精神の輝きを記録したものです。まさしく同年代の頃に本書を読み、大きな影響を受けました。要約ではなく全文を読みたいと、岩波新書の『死よ驕るなかれ』を購入したのは、たしか高一の頃ではなかったか。
今思えば、脳腫瘍の診断と治療はずいぶん進歩し変化しているのだろうとは思いますが、子どもが病気になりそれを見守る立場になった親の心情は、時代や洋の東西を問わないものでしょう。主人公である若者の立場ではなく、親の視点から読み返し、思わずホロリとなり、また厳粛な気持ちになりました。



1957年の刊行から2017年の現在まで60年。読み返してみて、実に感銘深いものがありました。

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しばらくぶりに恵みの雨を期待して

2017年05月11日 06時05分02秒 | 季節と行事
昨日、10日の水曜日は、本当にしばらくぶりに、雨の予報でした。このところ、各地で山火事がニュースになるようなカラカラ天気が続いていましたので、畑に恵みの雨を期待したのでしたが、山形市内はお昼頃にザーッと激しく降ったけれど、自宅付近ではごく短時間、辛うじてお湿り程度の降雨だったそうです。もう少し降ってくれないものかと期待していたら、夜のうちに多少の雨が降ったみたいで、土の色が黒っぽく変わっておりました。まずは、ありがたい。

老母の畑も、高齢を自覚して自宅裏に野菜を集約することにしたらしく、食用菊やらウルイやら、宿根性の作物を移植しているようです。当方の週末農業の関連でも、今春に植えた二本の桃「あかつき」苗木のうち、一本は芽が出て花も咲いたのですが、もう一本は枯れてしまったかと懸念しておりました。干ばつぎみの天候に、ポリタンクで水を運んで給水したりしていましたが、どうやら緑の新芽が出てきているようです。この降雨でなんとか干天を生きのびて、成長してもらいたいものです。

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CON-70を付けた白軸カクノの不都合

2017年05月10日 06時03分55秒 | 手帳文具書斎
クリップがないために机上でしか使っていない白軸カクノは、コンバータCON-70を付けて大容量化したのに、棚つり現象が起きて、いつのまにかペン先が乾燥してしまいます。以前、懸念したことがやっぱり起きてしまい、残念無念、なんとも不都合です。

安価なプレッピーPreppyにプラチナ社のコンバータを付けた中字タイプでは、クリップをノートの表紙にはさんであちこち移動して使うためと、スリップシール機構による乾燥防止が効いているため、ペン先が乾燥して書き出しができないという事態は一度も起こっていません。にもかかわらず、白軸カクノ+CON-70の組み合わせでは、一度ならず二度、三度(*1)と同じ現象が起こっています。

放置した期間は、それほど長くはないはず。一ヶ月もない、せいぜい二・三週間といったところでしょう。では、パイロット社の「色彩雫」シリーズの「紺碧」を入れているグレー軸カクノ(CON-50)はどうか? こちらは、自宅の机の抽出しに入れてもう一ヶ月は軽く過ぎていましたが、棚つり現象は起こらず、ペン先も乾燥していませんでした。うーむ、もしかしたらカクノ+CON-70+プラチナ古典ブルーブラックという組み合わせが悪いのだろうか?

インク・コンバータのせいなのかインクのせいなのか、本当のところは不明ですが、せっかく調達したCON-70を装着した白軸カクノなのに、このような状態では安定して使い続けるには難があります。では、どうすればよいのだろう?

  • 古典ブルーブラックを諦め、色彩雫シリーズから「紺碧」等の専用で使う。
  • 古典ブルーブラック専用の役割は維持し、ペンケースに入れて毎日持ち運び、一軍選手として日常用途に使うようにする。
  • 諦めて洗って乾燥し、待機組に編入する。

さて、どうすべきか、思案のしどころです。

(*1):白軸カクノとCON-70と乾燥~「電網郊外散歩道」2017年3月

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桃の摘花が半分ほど終わる

2017年05月09日 06時04分25秒 | 週末農業・定年農業
今の時期の懸案である桃の摘花ですが、日曜日までに半分ほど終わりました。ミツバチやクマンバチが飛び交い、花粉を媒介していた桃の花の時期も終わりを迎え、ピンクの色が濃くなり、落花の頃となります。



ちなみに、矢印の先にはクマンバチがいます(^o^)/

遠くから見ると、摘花前にはこんなふうだった桃の樹が、



摘花作業を終えると、こんなふうにスカスカになります。



やりすぎのようですが、これくらいでちょうどいいみたいです。ちなみに、桃の摘花作業用のグッズはこんな感じ。袋はおやつの柿ピーです(^o^)/



おっと、農作業用のラジオも忘れてはいけません。



幸いにお天気に恵まれて、比較的順調に進みました。自宅裏の果樹園の桃は全部終わり、後は少し離れた園地の桃を摘花する必要があります。少しずつ進めていきましょう。

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ヤンネ舘野リサイタルでドビュッシー他のフランス音楽等を聴く

2017年05月08日 06時00分09秒 | -室内楽
朝、早起きしてサクランボの満開10日後の防除作業に従事、ゆっくり休憩して、午後からは山形市の文翔館議場ホールに出かけました。今回はヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルで、山響のヤンネ舘野さん(Vn)と白田佳子さん(Pf)の二人によるフランス音楽を中心としたプログラムです。曲目は、

  1. ドビュッシー 美しい夕暮れ
  2. 同 ゴリウォーグのケークウォーク
  3. 同 ヴァイオリン・ソナタ ト短調
  4. ラヴェル ツィガーヌ
        ~休憩~
  5. W.A.モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.302
  6. セヴラク ロマンティックなワルツ
  7. ショーソン 詩曲

案の定、駐車場はすでに満車で、今回は時間も迫っており、あきらめて別の所に駐車しました。



ほどなくして開演、ドビュッシー「美しい夕暮れ」、「ゴリウォーグのケークウォーク」です。はじめのうちは少し不安定なところもありましたが、じきに本来の調子に戻り、「ヴァイオリン・ソナタ」では美しい音楽を、ラヴェルの「ツィガーヌ」では激しい情熱的な音楽を堪能しました。



休憩後は、ピアノの白田さんの出番を意識した構成でしょうか。パリつながりで選ばれたモーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、どちらかといえばピアノが主役で、ヴァイオリンがそっと脇役を演じる場面が多いようです。次のセヴラクの「ロマンティックなワルツ」は白田さんの独奏で、とても素敵な音楽を聴きました。
プログラム最後のショーソン「詩曲」は、ロシアの作家ツルゲーネフの小説をもとに作曲されたのだそうです。ヤンネさん、男女の三角関係を描いた原作の解説を白田さんに振り、白田さんが簡潔に説明してくれました。なるほど! そういうお話だったのか! 音楽のほうは、オーケストラで聴くのとはまた違い、曲の構造というか音楽の姿がよくわかり、しかも作品と演奏者の情熱を伝えるものでした。

満席の聴衆から大きな拍手と、かわいらしい男の子から花束を受け取り、アンコールです。

  • ドビュッシー 月の光
  • ブラームス、ヨアヒム編 ハンガリー舞曲第5番
  • カザルス 鳥の歌
  • フォーレ Mai

ブラームスは、ちょうどこの日、5月7日が誕生日だったそうです。ハンガリー舞曲が、もとはいわゆるジプシーの音楽に由来することを感じさせる、情熱的な演奏でした。今回も、良い演奏会でした。

帰り際に、関西から遠征の某さんにお会いして、少し立ち話をしました。当ブログがきっかけで山形ファンになっていただいたとのこと、まことにうれしい限りです。良い一日でした。

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珍しくパイロットのボールペンを購入する

2017年05月07日 06時05分57秒 | 手帳文具書斎
外出を機会に行きつけの文具店に立ち寄り、JetstreamやPowerTankなど三菱鉛筆のファンとしては珍しくパイロットのボールペンと替芯を購入してきました。

  • フリクションボール 0.7mm 赤
  • アクロボール替芯 0.7mm 2本(黒、青)

フリクションボールは、消せるインクを使ったボールペンですが、けっこうゴシゴシ消さないと消えないみたいで、二本線をひいて訂正するほうが楽ちんかもしれませんね~(^o^)/
アクロボールは、Jetstream と同様の「なめらか新油性」タイプで、実際に書き味は良好なのですが、替芯が細身で貧弱な印象を受けるのと、黒インクの黒さの点でジェットストリームに軍配が上がります。



今日の予定は、午前中に農作業、午後からはヤンネ舘野さんのヴァイオリン・リサイタルに出かけます。演奏会を楽しみに、せっせと働きましょう。

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香月美夜『本好きの下克上』シリーズ既刊全巻がそろう

2017年05月06日 06時07分28秒 | 読書
過日、買い物に出かけたついでに某書店に寄り、TOブックスから出ている単行本で、香月美夜著『本好きの下克上』シリーズ第1巻『兵士の娘I』を見つけて購入して来ました。そろえる順番が逆になりましたが、これで現在刊行されている分は全部そろったことになります。

  1. 兵士の娘I
  2. 兵士の娘II
  3. 兵士の娘III
  4. 神殿の巫女見習いI
  5. 神殿の巫女見習いII
  6. 神殿の巫女見習いIII
  7. 神殿の巫女見習いIV
  8. 領主の養女I
  9. 領主の養女II
  10. 領主の養女III

長い物語のうち、これでもまだ第三部の前半くらいで、さらに第五部までありますので、全部が完結するといったい何巻になるのか、おそらくは20巻を超えるのではないかと思いますが、佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ全51巻よりは巻数が少ないだろうと思います(^o^)/

この3月にPDFで完結まで読み終えてはいるのですが、紙の本で再読するのはまた格別です。寝床の中でも、ちょっとした隙間時間でも、明るさと老眼鏡があれば楽しむことができます。主人公のマイン(ローゼマイン)が本に執着する気持ちは、よーく理解できます(^o^)/

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飯森範親&山響のモーツァルト「交響曲全集」から「第33番」を聴く

2017年05月05日 06時05分04秒 | -オーケストラ
よく晴れた連休の朝、早起きして静かにアンプの電源を入れ、飯森範親指揮山形交響楽団によるモーツァルトの交響曲全集から10枚目のCDを取り出し、ヘッドホンでじっくり聴きました。このディスクに収録されているのは、第33番、34番、35番の三曲。この晴朗なお天気の下、気分的には第33番を取り上げたいところです。

交響曲第33番は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管による1962年の録音を、廉価盤LPで長らく親しんできたお気に入りの曲(*1)です。山形交響楽団のモーツァルト定期「アマデウスへの旅」では2008年の8月2日の演奏会で取り上げていますが、前月末に亡父が逝去(*2)したばかりで、葬儀や初七日等のため実演に接することはかないませんでした。いわば、九年後に初めて接する山響の「33番」ですので、交響曲全集を購入した恩恵の最たるものでしょう。

九年後に聴いた交響曲第33番は、冷静に客観的に聴いても素敵でした。こうして何度も繰り返し聴いて楽しむことができるのは、まさに録音の恩恵です。セル盤の一糸乱れぬ演奏の気品を「フィガロの結婚」の伯爵夫人に喩えるならば、我らが飯森&山響の演奏の澄んだ優しい響きと活発で楽しそうな表情は、フィガロの恋人スザンナに喩えたいところです(^o^)/

■飯森範親指揮山形交響楽団 (CD:OVCL-00630-10)
I=6'48" II=4'29" III=3'01" IV=7'59" total=22'08"
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管 (LP:13AC446)
I=6'08" II=5'43" III=2'50" IV=4'00" total=18'41"

2008年8月2日、山形テルサホールでデジタル録音された飯森&山響の演奏は、上記のデータで見る限り、終楽章の繰り返しを忠実に実行しているようです。初夏の晴朗な気分を満喫できる、たいへんに好ましい演奏・録音と感じます。

(*1):モーツァルト「交響曲第33番」を聴く〜「電網郊外散歩道」2015年8月
(*2):老父の死去に思うこと〜「電網郊外散歩道」2008年8月
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しばらくぶりに回線速度を測定してみると

2017年05月05日 05時40分53秒 | コンピュータ
たまたま2008年頃の過去記事を読んでいたら、単身赴任のアパートでADSLから光接続に契約を変更した話がありました。そこでは、比較のために自宅の回線速度を調べた値が載っておりましたので、現在と比較したらどうなるか、興味を持って調べてみました。

まずは、現在の自宅での回線速度です。

【自宅】
----- BNRスピードテスト (ダウンロード速度) ------
測定サイト: http://www.musen-lan.com/speed/ Ver5.6001
測定日時: 2017/05/05 05:39:55
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 30.01Mbps (3.75MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 86.09Mbps (10.76MB/sec)
推定転送速度: 86.09Mbps (10.76MB/sec)

2008年に、同じサイトで測定した結果は、こんなものでした。

【自宅】
------ BNRスピードテスト (ダウンロード速度) ------
測定サイト: http://www.musen-lan.com/speed/ Ver3.5001
測定日時: 2008/08/04 14:38:26
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 15110.495kbps(15.11Mbps) 1888.3kB/sec
2.NTTPC(WebARENA)2: 8717.259kbps(8.717Mbps) 1089.1kB/sec
推定転送速度: 15110.495kbps(15.11Mbps) 1888.3kB/sec

ふむふむ、時刻が早いせいもあるのでしょうが、かなり向上しているのがわかります。

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ゴールデン・ウィークに果樹園の草刈りと桃の摘花

2017年05月04日 06時04分08秒 | 週末農業・定年農業
ゴールデンウィークも後半に入り、連日よいお天気が続きます。当地(山形県)でも、24℃とか26℃とか、六月なみの気温が続きます。カラリと乾燥した晴天ですので、それほど暑さは感じませんが、続けて乾燥注意報が出るようなお天気は、植物にはあまり良い条件とは言えません。自走式草刈り機を用いて、自宅裏の園地の草刈りを実施し、桃の摘花を行いました。
これが4月末、草刈り前の状態です。

こちらは、自走式草刈り機。ガソリンエンジンで動きます。車輪の前にある円形のカバーの中で大きな刃が回転し、草を刈っていきます。速度は遅速の二段階に切り替えることができ、膝丈くらいまでの草なら余裕で草刈りができます。刈払い機と比べて、ずっと短く刈り取ることができるため、草が伸びるのがだいぶ遅くなるようです。亡父が購入した機械ですので、確実に20年以上は使っていますが、ときどき点検整備を依頼することで故障もせずに使い続けられています。

こちらが草刈り後の状態です。


枝がぼっきり折れたところがあり、樹形は不格好ですが、桃の摘花の途中の様子です。手前のピンクの花の分布が薄く、緑の葉が見えてきたあたりが摘花したところで、奥の方がこれから摘花するところ。

脚立の足元には、ピンクの花が敷き詰めたようになります。全部の樹が終わるには、まだまだ時間がかかりそうです。

この時期、亡父が元気に農作業をしていた頃を思い出しながら、10年前の記事(*1)を読み返して感慨に耽ったりします。

(*1):青空の下、桃の花摘みをする~「電網郊外散歩道」2007年4月30日

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山形テルサの駐車場問題への対応は

2017年05月03日 06時01分26秒 | 散歩外出ドライブ
山形テルサわきの花笠駐車場は、新複合文化施設の建設工事の影響で、一部がしばらく閉鎖されることになりました。このため、ホテルわきの西口駐車場も満車となることが多く、早めに出かけて駐車場を確保しないと入場できない事態が起こってきます。霞城パーキング等に移る人も出てくるでしょう。演奏会場までドア・ツー・ドアで出かけられるという地方都市ならではの恩恵も、いささか様変わりしてくるようです。こういう点では必ずしも都市化しなくてもよいのだけれど、これまでよりも少々早めに出かけるようにしなければならないようです。

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