東京宝塚の「ベルサイユのバラ」はスウェーデンの伯爵フェルゼンとフランス王妃マリー・アントワネットの愛を中心に描かれた。絞首台に登るマリーと、叫ぶフェルゼン、死に臨んで潔い王妃であり母としての女の気品が漂い、その後独身のまま一人のバラのような女性への愛を貫いたという男の愛が多くの女性たちの心に夢のような陶酔感を与えた3時間だったのかもしれない。大勢の女性たちの心を魅了するものは現実にない理想の愛なのかもしれないね。
愛のフャンタジーをひたすら女たちは求めているのだろうか?描かれたのは女が演じた男たちの純愛である。クールな男役!
池田理代子原作の「ベルサイユのばら」より。脚本・演出:植田神爾さん 演出:鈴木 圭 、壮 一帆さんが素敵だった!今回は一途な伯爵の愛が中心だったのかな?マリーが王妃の立場を超えて求めた愛そのもの、そしてフィクショナルな人物オスカルとアンドレの愛。オスカルは今回とても生々しい女を演じていたとフアンの女性が話していた。アンドレの前で自ら彼の愛に応えていったオスカルは、革命に至っては民衆の側について倒れた。永遠なるものへの憧れが人の心に巣食っているのかもしれない。それは限りある生を生きる存在そのものの渇望のようなもの、何だろう?
植田さんんのアフタートークがよかった。久しぶりに市川 明先生や毛利先生、林先生にお会いする。雅恵先生も例のごとくいろいろと肩から担いでアフタートークに間に合ったようだった。宝塚は来年100周年とのこと!凄いね。阪急電鉄が親元で、電車に合わせて3時間でぴったしの公演だとのこと!成功する商業演劇のエキスとは何だろう!いつの世も人は夢を愛を理想を心の中で追いかけて現実を埋め合わせているのかもしれない。ありえない理想を幻想を求めて人はまた生きる。