家のすぐ後ろを流れる川があり、せせらぎが耳に入ってくる。そして列車の通る音。空気は澄んで深呼吸するのも気持ちいい。真冬は寒さで震えた京都だが、11月はじめの季節は心地よい。
川に面した小さな庭に立つと何の樹木だろうか、紅葉した葉が目に入ってきた。川沿いを歩きたい。以前柴犬と一緒に散歩した事があった。鈴代さんがまだご健在の頃だった。
湯船に浸かって疲れを取ったのだった。シーンと冷気が滲みてくる清涼感がいい。
亜熱帯の島の空気と異なる空気。山々に囲まれ川が四方から流れている古都をじっくり味わうわけではない。ただしばし、この地に身を置くだけだが、何故か、心が澄んで満たされている。