沖縄演劇の悲劇的リズムについて以前論稿を書いたことがあるが、喜劇論や喜劇的リズムについてまとめるつもりで、まだまとめていない。研究ノートは書いたがー。ずっと前からモリエールは気になっていて、沖縄演劇の中にモリエールの翻案があってもいいなーと思っていたので、嘉数道彦さんがどのように沖縄芝居の形式に濾過していくのか興味をもっている。
すでに伊良波尹吉も明治、大正時代から西欧演劇の翻案作品を仕上げている。近代の息吹は日本への同化の過程でまさに沖縄風演劇の創作をどんどん生みだしてきたのである!戦後は真喜志康忠さんが試みている。また大城立裕さんも新作組踊や沖縄芝居(歌劇)の中に西欧演劇を翻案化している。沖縄の総合芸術Performaing Artsの東西の融合・ハイブリド作品が結構ある。その一連の歴史の流れに接ぎ木するように嘉数さんたちが新たな創作に挑んでいるのはいいね。
研究テーマの一つとして『比較表象論ー西欧演劇と沖縄演劇』をまとめる予定だ。その比較分析する作品は10作を超える。伊良波、真喜志、大城作品、そして劇団乙姫のシェイクスピア作品のみならず「美女と野獣」の翻案もある。嘉数さんの作品にも「美女と野獣」の新作組踊もあった。んん、面白い。西欧の文化表象がどう沖縄独自の文化(舞台)表象に再創造され、社会に提示されたのか、観客はどのように享受し、どのような認識なり感動がうまれたのか。異文化受容と理解の大きな結晶でもある。
東西の架け橋的な作品、楽しみです。リハもゲネプロも見せてね!