このまま辺野古移設への反対が続けば、普天間基地が固定されるだけである。

 どうすればよいかの提案抜きの批判には、むなしさを感じる。

 そして、基地返還や米軍反対の運動で、「沖縄から米軍は出て行け」という主張には困惑する。

 日米安全保障条約では、「アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」(第6条)とある。「沖縄から米軍は出て行け」ということは、日米安全保障条約を否定し、日本が独自に安全保障を強化することにつながりかねない。

 防衛費を増やして自衛隊の陸海空の力を増強し、核兵器まで持たねばならないという話になりかねないのである。

 だが、「沖縄から米軍は出て行け」と主張する人たちは、自衛隊の強化にも反対だ。むしろ、その縮小を望む。それは矛盾しているといわざるを得ない。

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