(思いやり予算で建設された米兵のマンション・キャンプフォスター)
以前、嘉手納基地のフェンス沿いに住んでいた亡くなられた詩人のKさんのお宅を訪ねた時も感じたことではあったが、今日の午後舞台公演の相談でお尋ねした方の立派な三階建て住宅の応接間に座っていると、なんと戦闘機の爆音が凄いのである。広々として住宅はうらやましいほどのぜいたくさで静かなたたずまいだが、しかし上空を何度も戦闘機か軍用機かどちらか知らないがとにかく騒音が次々襲ってくるのである。「こんなに立派な広い住宅だけど、こんな所にわたしなら絶対住まないなー」と思った。最近那覇でもヘリの音がうるさいと感じている。去年よりはるかにヘリの音がうるさいのである。異常な状態だと感じている。しかし、ここ嘉手納飛行場周辺は絶えず重たい戦闘機の音が上空を飛んでいるのである。離着陸通路にあるのかもしれない。30年こちらに住んでおられるというHさんだが、おそらく軍用地地主なのだろう。こんな広い住宅は久しくお目にかかったことがなかった。
よく見ると周辺の住宅も豪華な住宅が多いようだ。防音装置はついていると云うが、それでも音は消えない。騒音訴訟中だとのことだが、音で悩まされる日常より小さな家でも自然のぬくもりの中で暮らす方がはるかにいいと思った。想像以上にこの嘉手納周辺の騒音はひどいようだ。戦闘機の整備音なども、もの凄い音を撒き散らしている。よくもこんな騒音の中で暮らしているものだと感心してしまう。お金と引き換えのこんな環境はいらない。騒音に悩まされる高級住宅より、那覇の中古住宅はまだ騒音の量は少ないのだと納得した。鶯もなき夏は蝉しぐれで命の雄たけびに感動する。那覇のはずれだが近くに御嶽もまだあるのだ。
嘉手納飛行場はどれだけの御嶽を潰して成り立っているのだろうか?どれだけの村々を飲み込んでいるのだろうか?異物のように巨大な軍事飛行場がデンと構える嘉手納である。
やはり異常な場所・空間に他ならない。本来あった村々の元の姿はもう夢幻の中か?失われたものを取り戻す闘いが静かにそこでも繰り広げられているのかもしれない。しかし、それはもはやかなえられない夢のようなものだろうか?嘉手納、嘉手納、ああ嘉手納、そなたはいつ元の姿に戻るのだろうか?いつそなたは沖縄の人間の手に戻るのだろうか?
≪金を騒音をはじき出し遠くで悲鳴が聞こえる嘉手納飛行場、そなたはこの浮世の闇夜、夢はいつ正夢になるのだろうか≫
(国道58号線、返還された土地には似た光景が、マクドナルドとか)
(北谷町の高級住宅)