一応プライム会員なので、時々、観ないとね、とまとめて観るのが最近の傾向だ。「罪の声」は知能犯罪と罪を扱っている。70年安保闘争の時代を背景に、社会悪と家族の残虐な世過ぎ身過ぎ、疑念を追いかけるジャーナリストの執念、宿命に突き動かされている物語。子供の声の録音による犯罪は、まったく認識せず加担させられた人生に狂いを、心の負荷をもたらした。犯罪を仕組んだ頭脳犯の国外(英国)での生活、生き方は、作品にグローバルな広がりをもたらしていた。
「『罪の声』(つみのこえ)は、塩田武士のサスペンス小説。2016年発表。講談社刊。グリコ・森永事件をモチーフとしている。2016年度週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、第7回山田風太郎賞受賞。
2020年に土井裕泰監督、小栗旬主演で映画化された。」罪の声 - Wikipedia
グリコ・森永事件の犯人は闇の中、未解決なんですね。小説は会社にダメージを与えて株の利益を狙ったということですが~。事実は謎のまま?
一方「アバランチ」は、社会正義がテーマだ。内閣官房長官や首相、内閣情報調査室 、警察幹部が絡んでいる。
アバランチ (テレビドラマ) - Wikipediaは昨今のテロリズムを背景に、歴史物の「必殺仕掛け人」のように、社会的正義を実行する集団のアイデンティティー、名称である。
単純に面白かった。首相暗殺のプロットまで飛び出してきて、9月の安倍総理暗殺事件を彷彿させた。
「新聞記者」で内閣情報調査室 が国の利害のために捏造情報を流す場面などが出てきた。今回は、その室長や元調査員がアバランチのメンバーである。政府内の不正、病院の財界や政界との癒着、議員やエリート層の男性のアナーキーの快楽&犯罪、ODE海外援助の腐敗ゆえの殺人の追求など、社会的正義がテーマになっている。悪事(秘密なり真実)がインターネットで世界に公開される取り組みなど、2021年10月から12月まで放映されたこのドラマは極めてナウい作品の展開である。昨今スマホやSNSが生活の中心のような劇場型犯罪とその追求は、新しい設定で飽きさせなかった。
政府や警察上層部の蓋をされた犯罪を抉り出す物語でもある。正義を内に宿して実践する面々は、最後まで観るとカタルシスはあるし、ひやひやな場面も多く、アクションも心理的などんでん返しもあって、複数のメンバーによる脚本(物語)の展開は、飽きさせず、前へ前へと展開した。
アクションや情報のエキスパートによるPCのハッキングなど、現代文明の利器を駆使したスパイ映画のような面白さがある。
アウトロー的な人物の過去の経験、物語が筋立てに編み込まれ、より身近なドラマとして展開していく。筋書きの逆転、また逆転の展開など、ひきつける。アメリカのそうした犯罪やテロを扱うドラマからヒントも得たのだろう。最後に正義は勝つのような勧善懲悪的な倫理観も水脈に流れていて、安心して最後まで観れる構成になっている。韓国の「怪物」のドラマシリーズも面白かったが、あのようなグロさはない。 続く。