映文蓮アワード2015 Japan Intrernational Short Film Festival
脚本・監督 謝名元慶福 撮影興那良則
昨夜謝名元慶福さんからお電話がり、メールが届いているかとのことだった。以前使っていたメールアドは使えなくなっており、この間そのアドで連絡していた方にご迷惑をおかけしている。グランプリ作品の上映会へのお誘いだった。「是非みなければ」で博物館・美術館講座室に向かった。
綺麗な映像の中に95歳の寡黙な平良敏子さんの姿が映し出されていく。まず自然の海であり、そして芭蕉の海である。感情移入して涙がこぼれそうになった。糸芭蕉を大事に育て、芭蕉の幹から繊維を区分けして取り出しそれらをゆでたりさらに糸を細かく選別しながら糸巻きにしていく。芭蕉布ができあがるまでの行程が淡々と映し出されていく。ナレーションは湯浅真由美さん。敏子さんのことばは聞こえてこない。黙々と糸芭蕉に向き合っていく彼女の姿、表情が引き込んでいく。喜如嘉の芭蕉布保存会のみなさんの同じく黙々と作業に勤しむ姿が芭蕉布を生み出してきた女性達の長い歴史を思い起こさせた。
おそらくこのグランプリ作品は何度も上映されていくと思うが、是非、多く方に見てほしい作品だ。時間が許すなら作品全部見たかった。1部、2部に分かれていて一日がかりの上映会である。是非また夏にでも機会をつくってほしい。いい作品や様々なプロジェクトが広報がうまく伝わらなくて逃してしまうことはよくあるゆえに、惜しいと思った。しかし、いい作品は衰えることはない!
文化継承の敬虔さが95歳の姿そのものだった!映像の最後に小嶺和佳子さんが敏子さんの織った芭蕉布の絣をつけて優美に登場した!「人類館」の女を演じても、また琉球歌劇や史劇を演じても彼女は大きく花開いている女優・舞踊家ですね!