エンジェルフライト 国際霊柩送還士 | |
クリエーター情報なし | |
集英社 |
国際霊柩送還士(こくさいれいきゅうそうかんし)ってご存知ですか
私は、アルジェリアで例の事件があったときに知りました
朝日新聞書評から転載
海外で亡くなる日本人は毎年、約400~600人もいる。
海外で亡くなった人の遺体を遺族のもとに送り届ける国際霊柩(れいきゅう)送還を手がける会社
「エアハース・インターナショナル」の仕事に迫った
本作『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(集英社)は、
昨年の開高健ノンフィクション賞を受賞。
職業として遺体を扱うスタッフの日々の奮闘を通じ、
東日本大震災で多くの人の死に向き合ったわれわれに、
「死」や「弔い」の意味を改めて考えさせる力作だ。
「エアハース-」の事務所は、東京・羽田空港内のビルにある。
海外から戻ってくる遺体は、皮膚が変色したり、傷ができていることも多い。
その遺体を修復し、生前の姿に近づけて、遺族に引き渡すのが、
木村利恵社長ら、世代も経歴もさまざまなスタッフ6人の仕事だ。
著者の佐々涼子さん(44)が取材を申し込んだのは、
執筆4年前の平成20年。しかし、「『あなたに遺族の気持ちが分かるんですか』と、
ぴしゃりと断られた」。何度も足を運び、取材を許された現場では
「ここまでやるのか、という丁寧な仕事に、何度も驚かされた」と振り返る。
スタッフ全員がかがみ込んで遺体を拭き、顔をファンデーションで整え、
必死に生前の姿に近づけていく。
「傷んだ遺体の処置が進むにつれて、海外で迷い出た魂が、もう一度戻ってくるように思えた」
海外赴任先で転落死した20代の青年に、2011年にニュージーランド・クライストチャーチで起きた地震で亡くなった人々…。
海外に赴任されている日本人は、いったいどれくらいいるのでしょうか?
日本ほど安全な国って無いんですよね。
孤独な異国の地で亡くなられた方の心細さを考えると
せつなくなりますね。
話はとぶけど
関西地区で、日曜の朝やってるテレビ番組
「グッと地急便」っていう番組があるんですけど
これ好きなんです
海外で1人でがんばって生きている人をレポートして
日本で心配している肉親に、その姿を報告するという番組。
たいていの人は、自分でやりたいこと
物つくりや、農業、スポーツ、開発などの目的を持って
苦難に立ち向かってます。
その姿は美しいですね。
日本に残された家族もその姿を見て、安心してます。
しかしどこか寂しげなんですよね。
この番組で、心に残っているのは
イタリア人に嫁いできた女性が、旦那のふるさとイタリアの田舎で暮らすことになって
旦那ばかりでなく、旦那の家族、一族と暮らしを共にするっていう話。
何か目的があるわけでなく、嫁として嫁いできただけの彼女は
どうも、思ってた暮らしと違うようで、
どこか物悲しげな表情が印象に残ってます。
言葉や習慣や考え方の違う異国で暮らす日本人
そんな人が、亡くなった場合
もう遺体は、只の物あつかいなんですよね
そんな遺体を人として遺族に届ける仕事・・
一度お読みください
本の中の言葉
「遺族に安易な慰めの言葉はかけず、むしろ「悲しみ尽くす」手助けをする」
「親を失うと過去を失う。 配偶者を失うと現在を失う。 子を失うと未来を失う」
「残された者たちがその後も生き続けるために、亡くなった人をキチンと送り出してあげることが必要」