七瀬ふたたび 筒井康隆
家族八景の続編です
人の心を読める超能力者、火田七瀬。
前作家族八景では、能力を隠すためにお手伝いとして
いろんな家に入り込み、各家族の心を読むことでトラブルを起こしたり
解決したりするはなしでしたが、今回の続編はまったく趣を異にしてます。
お手伝い家業をやめた七瀬は、美しい娘に成長しました
母の実家に向かう途中、列車の中で同じ読心の力を持つ3歳の少年ノリオと
予知能力を持つ岩淵恒夫に出会います。
その列車は、がけ崩れに巻き込まれたくさんの死者を出しますが
そのことを予知した恒夫の心を読んだ七瀬とノリオは恒夫とともに事前に回避します。
七瀬の能力を恐れた恒夫と別れ、七瀬はノリオと生活を共にします。
金を稼ぐためにバーのホステスをする七瀬。
客の西尾が、透視能力を持っていることに気づきます。
しかし西尾はその力を悪用する、悪い能力者でした。
バーでの事件をきっかけに西尾と対決する七瀬でしたが
西尾の悪の力に屈しようとしたとき、七瀬を危機から救ったのは
バーでバーテンを務めていたヘンリーという黒人でした。
ヘンリーは念力を操ることのできる超能力者でしたが
それをひた隠しに隠してましたが、七瀬の危機でその力を発揮します。
西尾を倒した七瀬とヘンリーはノリオを連れて、
北海道の隠れ家に身を隠すために、フェリーに乗るのですが
そこで全く関係のない、殺人事件に巻き込まれ、被害者を救ったために
同乗していた刑事に怪しまれることに
その危機を救ったのが、藤子という女性でした。
藤子はなんと、時間を遡行できる究極の能力を持つ存在でした
心を読み、その力を知った七瀬が藤子に頼み、時間を遡行し
危機を脱します。
生活費を稼ぐためにマカオのカジノで荒稼ぎをした七瀬は
カジノで知り合った真弓と意気投合するのですが
東京へ戻ってきた2人を何者かが襲い掛かり
真弓が殺されてしまいます
襲ってきたのは、超能力者を人類の敵と考え駆除することを使命にしている組織の人間でした
七瀬を殺すつもりが誤って真弓を殺してしまったのでした
北海道のヘンリーとノリオのもとへ戻った七瀬ですが
組織の追手はすぐそこまで迫ってました
いのちをかけた戦いが始まります。
こんな感じ
1作目とは、まったく趣を異にした
SFサスペンス物となってます。
脱線事故に巻き込まれる列車、透視能力者と対決、
時間を遡行、追跡者に襲われる
北海道の山林での戦い
息をつかせぬ展開で、あっという間に読ませます
50年前の作品とは思えない
ラストはまさかの展開。そうかそうくるのか
筒井康隆恐るべしです。
結果を知りたい人は、ぜひ読むべし
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