スピカは脚短い。
マンチカンほどやないけど、結構脚短い。
「いち」が元気なころ、二匹並んで寝転がってたら、
スタイルの違いがようわかる。
脚短い分、ぱっと見ぃ、どこがどないなってんねん的なポーズしてることある。
例えばこないだも、
あら、いつになくおめかししてるやん。
まずお手々舐めて、
そのお手々でお顔きれきれして‥
いや ?
脚やったんかいな。
内緒やけどな、スピカ、自分で耳の後ろ掻けませんねん。
「かいっ !」
て、勢いよう後ろ足を耳の方に上げはんねんけど、
スカ食ろて、コテンてこけてはんねん。
しゃあない。
そこんとこは見て見んふりして、
たまたま私の気まぐれで、ゆう感じでゴシゴシゴシ、
ブラシか指で耳の後ろ、掻いたりますねん。
「あんさん、いらんこと言わんでよろし !」
まあ、もともとがようテーブルの上に乗って来る子ぉやった。
乗って来る、ゆうたらまるで漫画のヒーローみたいに
「ひらり !」ってカッコええイメージかもしれんけど、
この子のバヤイ、
ちょっとちゃうねんなあ。
「上げてぐで～」
お世話係の膝にしがみついてアピール、抱き上げてもらうわけです。
で、ただでさえ狭いテーブルの上で何するかゆうと、
マウスパッド毛だらけにして、マウスごと地上に落としたり、
どちどち歩き回って、ありとあらゆるもん踏んづけたり、
PCに豊満なおいど乗っけたり、
こっちにしたら、いきなりPC画面切り替わったり、
ぴろぴろ点滅したり、
しょっちゅう修復に難儀しとります。
そんで、
タッチパッド部分をティッシュボックスでガードしてみたり、
懸命に対策を講じてはみるのですが、
スピカにとってPCは、
どないしても負けられん宿敵なんやろかなあ。
グイグイグイ !
なんぼ押し戻しても、おいど乗せてきはりますねん。
「よっこらしょ」
ないことスピカが居間の入り口に陣取ってる。
「わて、これでも気ぃつこてまんねん」
あ、ひょっとして、こないだ書いた居場所のこと ?
そっかー。
スピカ、気ぃつこてくれてるんやー。
けどスピカさん、
せっかくなんやけど、
そこはあの～、
踏んずけそうなんですけど‥‥。
「えっ ?」
「ど、どないやのん」
冬、家じゅうで一番暖かいとこ。
夏、家じゅうで一番涼しいとこ。
猫、それよう知ってんねんて。
スピカは夏、昼間はほとんど一人で母屋の方に行っとった。
「いち」は、私が居間にしてる離れに、夏も冬もずーっとおった。
「いち」がおらんようになった今年の夏、スピカはどこで過ごすんやろ。
「いち」がいつも寝そべってた猫マット、夏用の涼感ベッドに替えてみた。
何日たってもここは空き家。
スピカは「涼感なんちゃら」ゆうのはお好きやないのかな。
で、どこでお休みかというと、
離れから玄関通って、母屋のすぐ入り口。
このマットの上に、例によって体半分だけ載せて丸まってはります。
そうか ? そこ涼しいんか ?
ほなら「いち」、暑いのに頑張って私のそばに居てくれてたんかなあ。
すまんことしてもたかなあ、「いち」。
