

「わあ、きれい !」
山のほう見て、思わずそう言うたら、
隣に居たおばさん、私の見てる方に目ぇやって訊ねてきた。
「何が ?」
何が、って‥‥。
先日、用あって3日間ほどこの町を離れた。
戻って来た日は、大雨が上がったばっかり。
駅前でバス待ってたら、
お~ !
けど、
う~ん。
車やら、看板やら‥。
電気の線って、こない張り巡らさんといかんもんやろか。
暗い夜に明かり灯したり、
遠くまで出かけるのに電車乗ったり、
便利と引き換えに我慢せんなあかんもん。
外出て戻ってきたら余計目についてまうなあ。
入院中の母が、今月末で退院となる。
今年初めまでは介護保険サービスを受けながら、サービス付き高齢者向け住宅で独り暮らしをしていた母。
もう一人暮らしは無理と判断した妹は、特別養護老人ホームに入所申し込みをした。
2か月から1年以内に入所できそうとのこと。
それまでの間、今までのサ高住は引き払い、夜間有人のサ高住に転居して待つのだという。
重度の介護が必要になってきたとき、施設を選ぶか自宅を選ぶかは人それぞれ。
どちらにもそれなりの選択理由がある。
どちらも、このほうが親にとっていいはずと信じて選択する。
今、母のキーパーソンは妹が務めている。
コロナ感染予防のため、母への面会はできない。
母は耳が遠いので、電話での会話も難しい。
リビングウイルノートは一応作成済みだが、
状況が変わればその段階で、ぎりぎりまで、本人の希望を確認したい。
それになぜか、現在選択されている方向は、リビングウイルノートに書かれていることとは違う。
なあ、スピカ、
あんたならどうしたい ?
「おあいにく様。わてはまだまだ元気だす」
うんうん。
ずっとずっと、元気でいよね。
朝、カーテン引いたらなんや真っ白。
窓開けてみよ思うんやけど、凍りついて動けへん。
しゃあない、母屋の縁側から外見たら、
おお、物干しの足、すっぽり埋もれてしもてるやん。
んで、下の家の屋根からうちの庭まで、つながってしもてる。
隣りの畑のキャベツ、先っぽも見えてへん。
見たってえな、この木。
この村、なんか知らん所々にこんな南国の木ぃ植わってんねん。
「誰や~、俺をこんなとこ連れてきたんは~」
ゆうて震えてるんやできっと。
雪かきおっちゃん(→)が通してくれた家の前の道、
もう消えかけてる。
これじゃあ、どっこも行かれへん、だあれもけえへんなあ。
くくく‥‥。
昨日1月20日は大寒やってんて。
きっちり暦通り頑張りはったんや。
せやけど昔の人はえらかったんやなあ。
どないして一番寒い日ぃなんかわかったんやろ。
ともあれ我が村、ことも無し。
我が家の猫さま、ことも無し。
やむにやまれぬ事情があって、兵庫県の山奥から福島県の新白河まで、公共交通機関を乗り継いで往復した。
このご時世、新幹線の座席は可能な限り飛び飛びに座れるようになってる。
山陽、東海道、東北各新幹線によって多少言い方のニュアンスは違うけど、
車内でのマスク着用、会話は控えめに、ゆうのは車内放送でアナウンスされる。
けど問題は、社内での飲食が禁止されてはおらん、ゆうとこやねんね。
「今、コーヒー飲んでますもん」
ゆう顔でマスク外しっぱなし、隣の席の人と延々しゃべり続けてたおばさん。
席に着くなり、買い込んできた缶ビールとつまみ開け、時々大きな声で笑いながら食っちゃべり続けるネクタイ姿の、多分上司と部下。
マスクなんか、はなっからつけてない。
車内販売でさらにワインやつまみを買い足して、声はますます大きなってくる。
ニュースでは「20代、30代の若者‥‥」て、よう言われてる。
それは確かにあるんかもしれん。
けど40代、50代のおっさん、おばはんらも、
ええ加減にしいや !!
「せいだしてやねぇ」
通りかかったおばさんが声かけてくれる。
私はびくっとする。
「待っとれよ、今助けたるからな」
野菜たちの株元を必死で草刈りしてる時に、
「おーおー、こんちは、こんちは」
小指の爪ほどのちびカエルに挨拶してる時に、
「ええ天気やのー」
おっちゃんの声がして、
やっぱり私は、びくっとする。
そうゆうたら昔々、
「ふんふんふん♪」
夕食の支度してて、
「ただいま」
窓の外から聞こえた声に、
わっ!
私はいっつも、
びっくりしてたなあ。
何十年たっても、
どこでどんな暮らししてても、
これって変われへんのかなあ。
猫が鳴いても、びっくりせえへんのになあ。
今週初め、届きましたよ、マスク2枚。
虫入ってたとか、ちっこ過ぎるとか、さんざん言われたマスク。
けど開けてみたら、そないちっこいとは思わへんし、生地のきめも結構細かそう。
「今すぐ使わへんねんやったら、第二波に備えて保管しといてくれ」て、
政府のお方が言うてはった。
そうさせてもらいます。
それはさておき、
私この頃TV観るたんびに落ち着かんかった。
安倍さん、
その妙にちっこいマスク、もうそろそろやめはってもええんちゃう?
いろいろしがらみやら、意地やらあるんかしらんけど、
他の国の人ら、あのマスク姿見たらちょっとびっくりしてはるんちゃうやろか。
心配なってくるわ。
「しみったれ」いう意味やない、
「難癖」いうほうの、「けちつける」とかいう時の「けち」の話。
こないだ、久し振りに病院行った。
診察終えて、支払いのカウンターに行ったら、小さなバスケットの中にマスクが何枚か並べられてた。
「ご自由にどうぞ」て、書いてある。
ボランティアさんが手縫いしてくれはったんやって。
へえー、って、きれいな黄緑色のん一枚もろてきた。
帰って、袋から出して、手洗いして干した。
今、自分で作った二枚を交代で洗いながら使こてるけど、
乾きにくい時あるんよ。
これ入れて、三枚ローテーションにさせてもらお。
こないだTVやったかネットやったか、「手作りマスクをくれる人がいるんだけど‥‥」ゆう話してた女性がある。
会社の同僚やったかな、自分で作ったマスクをくれはるんやって。
「けど、ちょっとねえ。作る時にあちこち触ってるわけでしょう」
ほんなら、もらうな!
相手傷つけん辞退の仕方はなんぼでもあるはず。
その一枚がほんとに嬉しい、助かるゆう人もきっといるはず。
もらうだけもろといて、陰で「けち」つけるんかいな。
なんか最近、誰かがどこかで見てんちゃうか、て思うことある。
ここ、買い物不便やから、パンは自分で焼くことにしてる。(→)
農薬とか肥料とか、いらんもん使わんように、野菜はなるたけ自分で育てるようにしてる。
ワンピースとかブラウスとか、しゃれたもんはよう作らんけど。
(作ったとこで、どうせ着いへんし)
眼鏡ケースとか、農作業用のズボンや帽子くらいやったら自分でチクチク縫う。(→)
マスクかて、もちろん作る。
畑が雪で埋もれる冬場は、家の中でシイタケ栽培する。(→)
こんな暮らししてること、誰かどこかで見てへん?
だって、強力粉やイーストが突然スーパーから姿消した。
ホームセンターで野菜苗が品薄状態になってるらしいし。
ガーゼが無いの、ゴム紐が無いのて、ネットでも大騒ぎやんか。
なんや知らん、今年はシイタケ菌床まで売り切れになったとか言うてる。
なんかなあ、誰かどっかでうちのこと見てへん?
そんで、あ、あれしてみよ、これもええかなあ、とか言うて、一斉に真似してる、
としか思われへんで、ほんま。
せやし、こないだなんか、いつものサイクルでCOOPにトイレットペーパー注文したら、「落選しました」なんてお知らせの紙入ってた。
トイレットペーパーだけ買いに、30分車走らせなあかんねんで、ここは。
なんか始めんのはええけど、ひとつことに皆していっぺんに飛び掛かるんはやめてくれへんかなあ。
パン作りも、野菜作りも、その他もろもろ、ええよ。
めんどくさいけど、体にはええし、けっこう癖になるよ。
みーんながやったらええことやと思う。
けど、大勢がいっぺんにうりゃあーーー!!!
ゆうのは、ちょっと‥‥。
何事も、
ぼちぼち、ね。
県立学校の再開を言い出した兵庫県知事。
わずか3日後には、やっぱり休校延長する、て前言撤回した。
その理由として、やっぱ用心した方がいい云々‥‥。
おまけに、電話やネットでいろいろ言われたせいじゃありません、てなことわざわざ付け足した。
あとで報道されたことやけど、兵庫の県立学校に通う高校生らが連絡取りおうて、休校延長してくれいう署名を急きょ集めたんやそうな。
同じ学校内と違うで。
県内ばらばらの学校の、見知らん生徒たちが一斉に声上げたんやで。
普段なんやかや言われてる若いもんが、やで。
こんな子ぉらの命、ちゃんと守ったらなあかんやないか、爺さん。
聞いてんのか、爺さん。
「え? わたし、ばあさんでっけど」