聞いてくれるな、
「今年はどや ?」て。
にーって笑うな、
「ええ色になってきてるなあ」て。
「いち、にぃ、さん‥‥5個ほどいけるな」
勝手に数えるな、人のもん。
ポツン、ポツンとしか実ってくれんイチジクを、
今年が最後かもと、イチジク命の母にせっせと送り続けて幾年月。
畑帰りに目ぇおうた人に、ついついお裾分け。
あの人にあげてこの人にあげんというのは、小さな村では騒ぎの素。
そやけど、そやけど、
秋ももうおしまい。
イチジクもトマトももうおしまい。
あとは青いまま枯れてくる。
これは、
これこそは、
私のんやし !
「家の庭に実のなる木植えたらあかんで」
チェックの厳しいこの村の婆ちゃん達。
しゃあないからこそっと畑の隅っこに植えさせてもろたイチジクの苗。
どないすんねん、こない大きなってしもたやんか。
貸してもろてる畑やのに。
お返しするときは、
毎年おいしい実ぃつけますんで、ゆうことでごめんしてもらえるやろか。
今年も7月頃から実る気満々で、
ひょっとしたら8月頃にわさわさ大きなるんちゃうかと思てた。
それが、7月過ぎても、8月になっても、
実ぃの太りは遅々として進まず。
ところめが、ところめが、
こないだいきなり赤なった子がおった。
えーっ、いつの間に。
まだちょっと若いかなあと思たりもするけど、
正面から見たら、
結構いっちょ前。
明日大雨ゆう予報やったから、はじけて反っくり返ってまうのもなあてんで、採ったった。
二日ほど追熟させたらええ加減になるやろ。
けど、あとの実ぃ、みな青うて固そう。
私、ようわからんまま強引に枝切ってるからなあ。
いわゆる「夏果」は今年、これ1個だけなんかなあ。
この冬、ぱっつんぱっつんに散髪したイチジクの木。
今年はイチジク、諦めなあかんかもなあと思てた。
それが、4月になって芽ぇ出始めて、
ちいこい実ぃ、あちこちにつくようになって、
それでも夏イチジクは無理やろなあと思てたら、
なんか、甘ーい匂いする。
あれえ ?
木の下潜り込んで探したら、
ありました !
1個だけ、赤なってるやつ。
うわあ。
ほんまに凄い、うちの子ぉたち。
今年豊作やったイチジクで作った酵素ジュース。
ジュース濾した後に残ったイチジク。
これが実は今、我が家では結構活躍してくれてる。
おやつにでもいただこか、思うて瓶に入れて冷蔵庫に保存してるんやけど、
おやつにつまむだけやない、
ちょっと粗刻みしたら、もう万能。
ヨーグルトに入れたり、パン焼く時にクルミやレーズンと一緒に入れたり。
甘味がしみ込んでるから、パンなんか砂糖なしで焼いてるもんね。
ちょうどええくらいで、飽きけえへん味よ。
実りの秋も、もうお終い。
トマトもイチジクも、まだ木ぃに実ぃついてるけど、もう色づかんかもしれん。
で、ここまでに収穫できた総力を結集。
小ぶりのサツマイモと、近所の人にもろた柿も仲間に入れてみよ。
サツマイモはスライスして、あとはザクザク切って、
例によって、1.1倍量のお砂糖と交互に瓶に入れて、紙で蓋して、
名付けて「晩秋のラストランナー」酵素ジュース。
半月ほど前に仕込んどいたイチジクの酵素ジュース。
期待してた「しゅわしゅわ」は、ほんのかすかやけど、
2週間たったらできたとみなしてええ、てどこかに書いたあった。
で、ざるで濾すことにする。
とろみが強いから、このまま一晩かけてゆっくり濾す。
折しもカメムシぶんぶんのこの季節。
紙で蓋しとく。
で、あくる日、目の細かい茶こしでもういっぺん濾す。
すぐ目ぇ詰まるから、茶こしを洗ろうてはキッチンペーパーで拭き、洗ろうては拭き。
私て、こんな気ぃ長かったっけ。
でき上がったのを保存瓶に入れる。
蓋せえの、ゆるめとけの、いろんな説がある。
初めてでわからんから、とにかく紙かぶせて一晩様子見ることにする。
翌朝、こんなことに。
あの、上の方の不気味なもんはなんじゃ。
試しに左の瓶の方そうっとかき混ぜてみたら消えた。
泡か? しゅわしゅわ、今頃来たんか?
そうゆうたら、濾した後も発酵は続いて、ほっといたら噴き出してくるて書いたあったのもあったなあ。
ということで、紙で蓋して冷蔵庫保存することにしました。
一日60ccくらいずつ、うすめて飲んだらええねんて。
けさ30cc水で割って飲んでみた。
甘いで~。
けど、おいしいで~。
今年は大豊作のイチジク。
夏に続いて秋も順調。
近所の人たちに分けたり、イチジク好きの人たちに送ったりもしてるけど、それでもどんどん実ってくれる。
で、発酵ジュースとドライイチジクに挑戦してみることにした。
まずは、発酵ジュース。
多少若いやつも一緒に洗ろうて、
軸とヘタの固いとこだけ切り落として縦四分の一にカット。
ちょっとでも早よう発酵するかと思うて更に半分に切って、
おお、別嬪さんぞろいや。
消毒した瓶に砂糖と交互に詰めていく。
今回の砂糖は、今うちにあるもん全部かき集めて、白砂糖と三温糖のミックス。
一番上は砂糖で覆って、
紙で蓋する。
最初の2~3日は一日2回かき混ぜよ、とのことやけど、無精もんの私は1回しか混ぜへんかった。
これ、翌日の様子。
底に砂糖いっぱいたまってる。
これ3日後。
まだ砂糖たまってる。
あと、毎日1回混ぜ続けてたら、しまいにシュワシュワーてゆうようになるねんて。
シュワシュワー、楽しみやなあ。
明日採ろ、思て帰ったら次の日には齧られてる、
そんなことが続いたイチジク。
「排水溝ネットかけといたらええで」
近所の婆ちゃんのアドバイス通り、実ぃにネットかぶせて当座はクリアー。
ところめが、ところめが、
敵もさるもの、
ネットはいとも簡単に食い破られるようになった。
で、
おいしいとこだけいただいてお帰りになったようです。
一個くらい残しといてくれてもええやんか。
8月の初め。
9月の初め。
下の畑入口に植えたイチジク。
畑に出入りする時、ふぁーんと香りがする。
まだ青うてちっこい実ぃの時から、
ふぁーんと香る。
あと二日くらいかなあ。
今すぐにでも採りたいのをぐっと我慢。
で、二日後。
ルンルン気分で畑に到着すると、
ジャーン!
い、いきなりかいっ!
カバっと開いたやつに、カメムシさんが貼りついとった。
「はい、はい、はい、ごめんなさいね」
ゆうて払いのけ、get。
柿では虫さんに先越され続けてるけど、
イチジクでは負けへんでえ。
ボロボロの防獣ネット支柱を補強し、倒伏防止紐の緩みをチェックし…。
と、これはなんかのご褒美かな。
やたらでかいイチヂクが1個、熟してる。
イチヂクの実は何個かついてるけど、こいつだけ立派に熟してる。
店で売ってるのよりでかいねん。
10日ほど前に採った1個は、こんなやった。
写真ではわかりにくいか知らんけど、あれの1.5倍はある。
わーい、いっただきまーす!