9月も下旬に突入の「おかちゃ畑」。
大納言小豆の実ぃ膨らんできた。
秘伝枝豆もわさわさ実ぃついてきてる。
夏から秋へ、
作物の交代かなあ。
ところめが、
なんでか最後の最後で踏ん張るのが自然農の作物たち。
下の方の葉っぱなんかもうほとんどないのに、
まだ花咲いて実ぃつけようとするキュウリ。
地面近くに稔って、採り忘れられてたのに、
律儀にも一生懸命太り続けてるインゲン豆。
長雨の湿気で実ぃ小さいまま腐りかけてたオクラ。
どこで気持ち入れ替えたか、おチビさんなりにまた実ぃつけ始めた。
今まで稔り少なかった分、「わりい、わりい」「これで堪忍して」
ゆうて、頑張ってくれてんのかなあ。
「わても頑張ってまっせ~」
はいはい。
野菜の値段が上がってんねんて ?
真夏の長雨のせいかな。
確かに、オクラの実ぃが先っぽに枯れた花つけたまま腐ってきたり、
インゲンの実ぃは太らんまま黄色なってきたり‥‥。
けどうちの畑、私一人がいただくには十分な野菜たちが育ってくれてる。
キュウリとニンジンなんか、奈良漬け作ってキムチ作って、ゆうくらい頑張ってくれてるもんね。
私の命は、この野菜たちが一生懸命支えてくれてるんやなあ。
肥料も虫よけも、なーんもしてやってないのに、
自分たちの力でわっせわっせ大きなって、
私の毎日の食べもんになってくれてる。
ほんまこれは、自然からのいただきもんや。
きょうもこの子らと、この子らを育ててくれたこの村の自然にに感謝しながら、
いただきます。
梅雨明けのぼっさぼさのぼうぼう。( → )
嘆いてても草はへこんでくれへん。
もちろんカエルさんは手つどうてくれへん。
しゃあない、ちょこっとずつやけど草刈りしましたがな。
まず、物干しまで洗濯もん持っていけるように、庭の草刈り。
んで、緑のじゅうたんに侵食されてたインゲンさんと人参さん救出。
救うたらなあかん子ら、まだいっぱいおるけど、今日はとりあえずこれで店じまい。
自然農は、ちょっと手ぇ止めたらあっちゅう間に原生林化してしまう。
けど、ええとこもあるんよ。
どこに何植わってるかわからんのは人間だけやない。
ウサギさんやイタチさんかて食べもん探しにくい。
こないだ、やっと大きなりかけてたキュウリ、誰かが齧って、
しかも途中でやめてほっぼり出してた。
いつも言うてるやろ ?!
食べるんやったらきちんと全部食べなさい !!
この子も大きなりかけてる。
ここ、草刈らんとこ。
見つからんよう、ほら、隠れとこ、隠れとこ。
近畿地方、昨日梅雨明けしたんやって。
山と川に囲まれたこの村、雨の時はほんまびくびくもんや。
川なんて、いつもはちんたら流れてるくせに、
ちょっとザアーッて降ったら、こうよ。
山の斜面から水噴き出して来たら、土砂崩れの前兆。
そんなこと言われたって、うちの横の崖、ちょっと雨続いたら、消火栓みたいに水プアーっと吹いてるけど‥。
まあ今年も、何とか梅雨の大雨は乗り切ったゆうことかな。
雨やんだらやんだで、外に出るの、恐怖、恐怖。
だって、庭の草草の元気なこと !
畑なんか、もっとシビア。
ツルなしインゲン、緑のじゅうたんに侵食されてるやん。
その左手奥はニンジンなんやけど、あこまで踏み込んでいけるやろか。
今年初めて蒔いてみた鞍掛豆。
機嫌よう芽ぇ出てきてたんやけど、今や、多分あの辺がお豆さんなんやろなア、てな有様。
鳴門金時かて、ほら、見たってちょうだい。
もう、あっちゃもこっちゃも。
いきなり雨やんだって、どないせえっちゅうんよ、これぇ。
ちょっと君、いま笑わへんかった ?
ふと、赤目のことを思い出した。
今から十年ほど前、当時住んでいた大阪北部の自宅から、毎週日曜日、電車を乗り継いで赤目自然農塾に通うた。
月一回、川口由一さんが現地で実地指導してくれはる。
希望者には、敷地内の畑や田んぼも貸してもらえる。
私も運よう畑と田んぼを少しずつ貸してもらえた。
で、日曜ごとに着替えとか飲み水とか種とか、しこたま縛り付けたキャリー引っ張って、朝まだ薄暗いうちから出かけて行った。
近鉄「赤目口」が最寄り駅。
ここから線路沿いに進んで、田んぼ道抜けて、ずうっと山の方に歩いて行く。
道はだんだん上りになって、ラストはかなりの急坂。
しこたま荷物持ってる身には鬼の坂。
途中、いつもつながれてる犬がおる。
「どない ? 元気でやってるかぁ ?」
返事なんかないけど、なんとなくしんどいの軽なったような気ぃして、もうひと踏ん張り、登って行く。
これが「赤目自然農塾」の目印。
私が通うてた頃、月一回の塾日には大勢の人が来てた。
九州やとか東北やとか、遠いとこから泊りがけで来てる人も多かった。
小さな子供連れてる若いカップルとか、案外若い人らが多かったなあ。
その真ん中で川口由一さんが、道具の選び方とか種の蒔き方とか、自然農の基本から実地指導してくれはる。
見学してる人から質問出たら、川口さんはすぐそれに答えてくれはる。
畑仕事なんかしたこともないゆうド素人がほとんどで、とんでもない質問が飛び出したりする。
それでも川口さん、丁寧に丁寧に、私らの頭撫ぜ撫ぜするみたいに答えてくれてはった。
お昼頃に川口さんの指導は一旦終わって、あとはそれぞれお昼食べる人、すぐに自分の畑行く人、いろいろ。
お昼は、お味噌汁がふるまわれる。
山ひとつが丸ごと塾になってる感じやから、自分が借りてる畑に行くまでがまた大変。
要所要所、方向指示は立ってるけど、それでも最初のうちは何回か道に迷うてた。
川に渡された橋は、塾生の人らが作ったもん。
鍬とかスコップとか手箕とか、自由に使える道具が置いてある小屋も、塾生たちで建てたんやって。
赤目って、奈良県と三重県の境にある。
塾は駅から歩いたら40~50分かかるし、自宅からやとほんま朝星夜星やった。
あんなとこまで毎週えっちらおっちら、よう二年間も通えたなあ。
今、赤目はどうなってるかしらん。
なんでかしら、急にそんなこと思い出した。
台風が過ぎて、急に涼しなった。
朝方なんか、ストーブつけよか思うくらいの日ぃもある。
今日、獣医さん行ったついでに、灯油買うてきとこ。
畑は、ちっこい赤ちゃんたちがあちこちに。
大根、芽ぇ出たけどなかなか大きなれへんなあ。
大納言小豆。
黄色い花の下からピュッピュッと突き出してるトゲみたいなのは、将来のサヤの赤ちゃん。
秘伝豆。
だいぶ実ぃついてるけど、まだ薄べったい。
赤シソの花咲いてきた。
この後の実ぃ、プチプチして美味しい。
ついでと言ってはなんですが、
家ではヤモリの赤ちゃんも元気に走り回ってはります。
幼きものはほんま怖いもん知らず、ルール知らず。
長いな、しつこいな、て言われた梅雨もいつの間にやら明け、
カンカン照りの日ぃがやって来た。
草刈り機の音や、走り回る軽トラの音や、
村はいっぺんに賑やかになる。
こうなったらしゃあない、
私もたまってる畑仕事せんとなあ。
どんどん出っ張ってくるイチジクの木、
もうちょっとおとなししててよ、ゆう程度に散髪。
一応「地這」なんやけど、一生懸命によじ登ってくるキュウリ。
今年は「整枝」ゆうのやってみよかな思て、いろいろ調べてみたら、
地這キュウリのバヤイ、親つるの5~6節目くらいを芯止めするらしい。
もう遅いがな。
結構先の方まで実ぃつきかけてるがな。
けどまあ、今年は実験、実験。
ということで、かなり上の位置になってしもたけど、親つる芯止め。
ここで止めたんやでーゆう印に、テープ巻きつけといた。
そんでから、今年は台風もひどいかもしれん。
秘伝豆も芯止めしとこ。
私、土寄せゆうのせえへんし、倒れたら困るもんねえ。
背丈抑えといたら、ちょっとはましかも。
そのあと、ぼうぼうやった秘伝豆畝の周り、
ここに畝あります、ゆうのがわかる程度にざっと草刈り。
続きは、まあぼちぼち‥‥。
雨の合間、
久し振りに畑に出かける。
「おーい、みんな元気ぃ~? 」
畑ぜーんぶが、一斉に答える。
「はーい、元気よ~! 」
うわあ、ほんまや。
見落としてたツルありインゲンは、サインペンくらいの太さになって、
地面に突き刺さってるし、
ど、とないしたん。
雨の量にムラあったからか?
キュウリはとっくり型になってしもてるし、
カメムシさんは機嫌ようでんぐり返しして遊んではるし、
おちびさんは相変わらず指の爪ほどの大きさやけど、
なんか、ヒップライン色っぽなってない?
ともあれ、それぞれ元気そうで、
よかったよかった。
今から十年ほど前、「いのちの食べ方」いう映画を観た。
それがきっかけ、ゆうわけではないんやろけど、
なんとなーくあっちこっちでもやもやしてたいろんなもんが、
カチン、カチンてかみ合わさって、
いつの間にか肉類はほとんど食べんようになった。
けど、「ヴェジタリアン?」て聞かれると、困るんやなあ。
そんなはっきりしたもんやない。
第一、牛やら鶏やら食べるんが許しがたいことやとしたら、
ほんなら野菜とかの植物やったら食べても許されるんやろか。
私にはわからん。
大豆の足元の草刈りしてて、
うっかり大豆の茎に鎌の刃ぁ当ててもたことがある。
「あ、ごめん!」て、慌てて謝ったんやけど、
それを通りかかりの人に聞かれてもた。
「ごめん、やて」
けったいな顔してその人は通り過ぎて行った。
「別嬪さんやねえ」「ええ子やねえ」
ゆうて育てたら、ツタンカーメン豆はほんまに別嬪さんの花咲かせてくれるし、
肥料も何もやってない手抜き畑で、トマトや枝豆は健気に自力で育ってくれるし、
イチジクも甘い実ぃいっぱいつけてくれる。
これって、この子ら人間の言葉わかってるんちゃうかって、私は思う。
村の人らにはそんなこと絶対言わんようにしてるけど‥‥。
こないだ、こんな本買うた。
近隣の図書館にはどこもなかったから、しょうがなしにネットで古本注文した。
この中に「植物も痛みを感じるの?」ゆう章がある。
ほんとはそこだけ読みたかったん。
読んで、
やっぱわからん。
けど、「どんな生き物でもそのいのちをとるとき、掟があります」と作者は書いてる。
「ん?」て迷た時、
ここんとこをようよう考えるようにしたら、
そうおかしな方にはいかんですむんちゃうかと、
そんな気ぃだけはしてる。
今年は、連作実験やら、4~5年前の種蒔いてみたり、
随分と荒っぽいというか、ええ加減なことばっかり試してる。
育たんでも文句は言われへんなあ、
畑行く前はいっつも、半分覚悟しながら行く。
さて、梅雨の合間、畑に行ってみた。
おお、キュウリの赤ちゃんできてるやん。
中には、こんな逆とんぼりになりながら大きなろとしてる子ぉもおる。
今年初めて「根出し」やってみて、なんか知らんずるずるに葉っぱとけてもたサツマイモ。
これはあかんかもなあ、てとりあえず植えてみたら、
葉っぱ出てきてるやん。
4年前の種蒔いたツルなしインゲン。
まだおちびさんやのに実ぃつけるもんやさかい、
実ぃ、地面に刺さってるやん。
何もそないに気張らんでも、
ゆうくらいぎちぎちに巻き付いて登ってくツルありインゲン。
「でへへへへ~」(インゲンの花)
親が頼りないから、子ぉらは皆頑張ってくれてるんやなあ。
こないだ、全国的に強い風吹いた。
台風並みやてTVで予報してたから、物干し台から竿全部外しといた。
けど、ある予報士さんなんか「春一番になるかもしれません」なんて言うねんで。
「春一番」なんて言うな。
うちの村、冬もまだ来てへんねんからにして。
風のあくる日ぃ、こわごわ畑見に行った。
ほんなら、
不織布があちこちまくれあがってたけど、
まあそんなもん。
杭はほとんど全部ぐらぐらやけど、きょうのとこは見んかったことにしとこ。
トンネルの下で、もち麦とツタンカーメン豆、スナップエンドウさんたちも元気でおる。
めでたし、めでたし。
まくれあがってたとこ、かぶせ直して補修完了。
実ぃ採り終わってからずっと気になってたイチジク。
伸びてる枝、ぎこぎこ切り落としといた。
ほんまはな、好き放題に伸ばしてやりたいんやけど、なんせ村の消火栓が隠れてしもたらあかん。
これくらいまで切り詰めといたら、怒られることないやろ。
気ぃ悪せんと、ことしもまた元気に実ぃつけてな。
夏の間さんざんお世話になったキュウリ、オクラ。
さすがにちょっと勢い鈍ってきた。
曲がったんも増えてきた。
けど、味は変わらへんでえ。
代わって実ぃ大きなってきたんがトマト、イチジク、秘伝豆。
秘伝豆はまだ若いんやけど、味見程度に毎日ちょこっとずつ。
秘伝豆、今年は乾豆になるまで元気でおってくれるやろか。