「梅仕事」
なんとなく情緒のある言葉やなあ。
大根でも、小豆でも、らっきょでも、どんな作物でも食べものの形にするまでにはそれぞれ作業というのはあるのに、なんで梅だけを「仕事」て言うのか。
今年、村の梅をどっさり手に入れていろいろ作ってみて、その訳が分かった。
なんせ、しんどい、めんどくさい。
最初の難関が、梅の実ぃのなり口のホシ(軸)取り。
梅って、枝にくっついてたとこにヘタみたいな黒っちいのが残ってる。
これをやね、取らなあかん。
竹串かなんかで、ちまちま、ちまちまほぜくる。
数多かったら、これだけで徹夜や。
それと、青梅はあっという間に黄色なる。
二日くらいのうちには作業終わってしまわんとあかん。
酸味がきついから、ホーローや土鍋しか使われへん。
いろんな種類作る時は、手順ちゃんと考えとかんと先に進まれへん。
果汁もあちこち飛ばしたらあかんから、作業台に広告紙敷きまくってた。
一旦使こうた道具や鍋は、丁寧に洗ろうて酸洗い流しとく。
台所も居間も、あちこち行ったり来たりしながら同時進行で進めていく。
今まで、梅酒と梅干しか作ったことない。
それもかなり昔のこと。
今年はネットで調べながらあれこれ挑戦したから、よけいあたふたしたんやなぁ。
さて、梅肉エキスに続く梅仕事は、青梅の甘露煮。
これも梅肉エキス同様、初挑戦。
しかしこれねえ、レシピ読んだ時、自分の目ぇ疑ごうた。
二度見どころか、三度見、四度見しましたがな。
だって、梅入れた鍋を火ぃにかけて、両手突っ込んで梅の実ぃが鍋底につかんように優しく混ぜながら煮る、て書いてある。
ええーっ!
四度見したとき、湯温が50度くらいになったらいったん火止めて、新しい水に入れ替えるゆうことがわかって、ちょっと安心。
いざ、挑戦。
<青梅の甘露煮 材料>
青梅 500g
砂糖 300g
水 840cc
鍋に青梅入れて、水から火ぃにかける。
(両手で混ぜるとこは、一人で写真撮られへん、すんません)
50度くらいのお湯になってきたら一旦ザルにあけて湯きりする。
また新しい水入れて、手で優しぃに混ぜながら火ぃにかけ。
これを三回くらい繰り返す。
鍋に梅を並べる。
840ccの水と、三分の一量の砂糖入れる。
火ぃにかけて、浮き上がってくる灰汁を掬い取る。
ガーゼで落し蓋する。
普通の落とし蓋はあかんねんて。
梅がつぶれてまうんやって。
弱火でことこと5分くらい煮る。
ガーゼの上から、砂糖の三分の一量をそっと回し入れる。
弱火で更に5分。
最後の三分の一両の砂糖を入れる。
ダメ押しのコトコト煮を5分。
保存容器に梅を並べて、ガーゼをそおっと被せる。
雑な私はこの時に、せっかくきれいに仕上がってた実ぃを数個つぶしてもた。
鍋に残ってる煮汁を煮立たせる。
その煮汁を、保存容器に並べた梅にガーゼの上から回しかける。
梅がひたひたに浸かるくらい。
粗熱取れたらそのまま蓋して冷蔵庫へ。
2~3か月で食べきったほうがええそうです。
ということで、
いっただきまーす。
うん、うん。
もっと甘いだけかと思うたけど、やらかい酸味もある。
これ、来年も作ろかな。
作業の間中、キーワードは「そおっと、そおっと」。
いつもバタバタ、ガサガサしてる私は、たまにこういう梅仕事した方がええかも。
ちなみに「砂糖」は今回、三温糖と白砂糖を半々で使いました。