大広間の電気が消えて就寝の時間となる、十数人のオトコ達の大小のイビキが湧き上がる、その中に、
♪ つーるーとかーめーがすーべったー
うしーろーのーしょーめーん だあーれー・・・
ローカル色一杯の寝言だ、それでも寝てしまった。
「ドタドタ・ドタドタ」
目を開けると、下半身ハダカのオトコが駆けてくる、台に上り、正面の壁まで直進、そして、ポスターの端に指を入れ、引っ掻く、1回2回・・・
すごい光景だ、やはり、ここは東北の街、座敷わらしや山姥(やまうば)・ナマハゲが生活している風土なのだ、このオトコ、なにかに取り憑かれているんじゃあないかな、じっとして見守るしか方法がない。
やがて、クルリと振り返り、ハダカのケツをこっちに向けて、ダッーと広間を出ていき、二度と戻っては来なかった、2時半、あのままのかっこうで、がらんとした青森の街を走っていったのであろうか。
「明日、いや今日は三内丸山、ちょっと寝ておこう」