列島の山人を考えるとき、山岳部に棲息する雷鳥が思い浮かぶ、この二つには密接な関係があるようだ、雷鳥が、列島にやって来たのは、約2万年前の氷河期、その後、温暖な気候になったのだが、大半の雷鳥は、北に帰っていった、取り残されたものは、この列島の高山地帯に移住した。
現在、雷鳥の生息地域は、北極の周辺で、日本の雷鳥は、一番、南の端にいることになる、日本国内では、全部で3000羽ほど、だから、もし、山人がいたとしても、その最盛期でも、これぐらいの人数だったかもしれない。
寒さに適した雷鳥は、夏の暑さが苦手で、気温が26度C以上になると呼吸が苦しくなったという記録がある。
面白い観察では、冬の雷鳥はめったに飛ぶことはなく、ゆっくり歩いて体力を温存し、夜は、雪の中に身体を沈め、首だけ出して休むという、面白いシーンだ。
氷河時代を経験した人々は、雷鳥のように山岳部で生活したのではあるまいか、彼らの血脈は、山人伝説となって、わずかに、記録されたようだ。