列島の山間部に山男の伝説がある、いくつかのタイプがあるのだが、その中で特徴敵なのが、身体が大きいいうこと、これは、明らかに、平地の人々とは違っている。
北陸地方の奇談集『北越奇談』には、人間と山男の交流のエピソードがあり、山の仕事をしている人々が、夜、山小屋で火を焚いていると、山男がやって来て、一緒に暖まったという、身長は6尺(約180センチ)・赤い髪と灰色の肌で、人間の言葉は理解できたらしい。
青森県の赤倉岳には大人(おおひと)と呼ばれる山人がおり、相撲取りのような大男で、魚や酒をやると山仕事を手伝ってくれた、現地にある『鬼神社』は、村人が彼らの仕事ぶりに感謝して建てたもので、彼らが使用した大きな鍬(くわ)が御神体として祭られている。
秋田県北部でも山男を山人・大人といい、タバコを与えると木の皮を集める仕事を手伝ってくれた、山人の伝説は、明治の30年台まであるのだが、それ以後はない、絶滅したのだろうか。