The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

マサイ族の第2夫人 3

2015-10-01 05:08:53 | 世界経済

 乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負とは、世間の注目を集め、一気に人生の勝利者になるということ、実際、本を出版し、テレビに出演し、いくつもの会を主催している、マサイ族の第2夫人とは言え、そんなヒマがあるのか。

 世の中にはハラにすわった人がおり、不平ばかり言っているインテリとはちがい、ここイチバンに勝負をかけることを知っている、勝海舟の「氷川清話」の中に、
 「大坂でぬすみをはたらき 江戸にやってきて ほとぼりが冷めたころに大坂にもどる盗人がいた」
 さらに、
 「あの最中に おとこの急所をつぶし 財布を盗むおんなが・・・」

 テレビの番組だけではもったいない内容のように思えたが、これも計算のうちか。

 マサイの男たちのイチバンの関心は牛、一日中、牛のことを考えている、だから、牛とこころを通わせることができるのかもしれない、牛のよろこび、牛のかなしみ、牛の人生・おっと牛生、牛の幸福がマサイの男の幸福であり、青い風にときめき、川の水をいっしょに飲む、日陰の休息は王者のくつろぎ・・・巨大な猛獣が襲う、一本の槍で対決する、
 勇気・勇気・勇気、
 血が、たぎる。
 
 「ブーン」
 ネコパンチのでっかいの、
 あっという間にたたきつけられた。

 二番槍が飛ぶ、
 瀕死のマサイの男に、
 「おまえが イチバンヤリだぞ」
 「ありがとー」

 血のアワが吹き上がる、
 「あの世でも 友だちだぞ」
 「うん うん うん」
 おとことおとこの、かなしい真実。

 この日本人女性は、きっと、dryな男の世界に惹かれたのかもしれない、この地球上から失われていくきっぱりとした男の世界、無口な男が、ひたすら牛を追い、家族を養う。

 21世紀の世界は、それとは、ちがった方向に進んでいるようだ。