She said ,
" I was so unhappy ."
" I built a special room for my son, but he married a witched woman. "
I kept silence, I could not answer it.
" He escaped from me. "
I felt uneasiness again, then I watched one doll staring at me, she said ,
" This doll is my old friend about sixty years. "
We continued to talk about various things, but I felt gloomy so much.
婦人の部屋で、
「わたしほど不幸なおんなはいません」
「・・・」
「主人が おめかけさんを こしらえてしまったんです」
「なんとか育てあげたひとり息子 悪い女にひっかっかって家を出ていった」
その時、強い視線を感じた、老女の後ろに、身長が1メートルほどの市松人形、じっと見ている、ボロボロの着物、ほほは剥(は)げ、すさまじい顔、それが、こっちを見ていたのだ、
「ほほほ これっ 初めてのお宮参りで買ってもらったんですのよ」
「ずっといっしょなんです さびしい夜・ねむれない夜 いつもいつも いっしょにすごしてきたんです」
60年以上になるか
「ときどき 話しかけてくるんです おほほほ」
その時、この人形が「ニヤリ」、この老女は一晩中この人形と囁(ささや)き合っているようだ、そりゃあ、となりの部屋の人は出ていってしまうはずだ。
胸騒ぎの原因が分かった、この人形はわたしが來るのを察知してバリアを張ったんだろう、バス亭から、ここまで400~500メートル、たまったもんじゃあないね、
「どうやって断ろうか」