昭和の名僧に山本玄峰がいる、昭和天皇に終戦を指導した、
「まける時は あっさりまけるべきだ ジタバタするとおおけがをする」
この山本老師の寺に、男子学生が宿泊していた。
ある日、境内を散歩していると、老師がやって来て学生の前で膝まづいた、そして、学生の靴のヒモを直す、その学生、されるがままにしていた、下から、玄峰老師が不思議そうな顔で見上げたという、これは、フツウなら、
「キョウシュクしてしまう」
「三界の大導師である 天皇を指導する高徳の名僧 だが この若者 そのまま それは 何十年も修行した僧侶にもできない」
それがフシギ。
「この若者は どこで身につけたのか」
ある日、
「私も 座禅をしたいのですが」
すると、
「君のような善人は座禅をする必要がない」
そして、
「君は 君のおかあさんに感謝すべきですよ」
玄峰老師、見抜いていた、
「母親が リッパだったようだ」
「おっとりとやさしく じっと見守ってきた」
ギスギスした上っ面の教育ママではなかったのだろう。