日本農業新聞e農ネットの[異常気象の時代 4]に「大雨が増加 地球の温暖化で拍車 (2013/11/26)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
今夏は猛暑とともに、大雨や台風による水害が各地で相次いだ。
「雨が、経験したことのない早さで強くなっていった。水があふれ出て道路が川のようだった」。
今年8月9日、早朝から降り始めた大雨をそう振り返るのは、秋田県鹿角市のネギ農家、内藤正広さん(61)だ。
水路からあふれた水は20アールの畑に、あっという間に広がった。
秋の出荷に向け順調に育っていたネギが水に浸かっていくのを、内藤さんは、遠くから見つめることしかできなかった。
「水をかぶったことで病気や生育不良が出て、収量が減ってしまった」と内藤さん。
周辺には土砂で埋まった水田が広がり、収穫不能になった稲は市内で10ヘクタール近くに及んだ。
同市が見舞われたのは、秋田、岩手両県を襲った「数十年に一度の規模」の豪雨だ。両県では、わずか数時間の降雨で月間の降水量に達した地域が続出。1時間の降水量は多いところで100ミリ超を記録した。農業関係の被害額は両県で100億円を超えた。
市内の復旧は4カ月近くたってもはかどらない。
被害現場が多いことで「復旧の手続きだけでも時間がかかってしまう」(農林課)ためだ。
被害件数は農業関係だけでも700カ所、被害額は7億円に達する見込み。
来年の作付けに間に合わせるために市は、急ピッチで復旧に取り組むが「これからは雪が降って足場が悪くなる。重機が動かせるか心配だ」(同)と気をもむ。
内藤さんは「こんな大雨が頻繁に起こるようなら、営農を諦める農家も出てくるのでは」と声を落とす。
国は今年、集中豪雨や台風などで大きな被害があった地域を「激甚災害」に指定。
農地などの災害復旧にかかる費用は全国で、220億円に達する見込みだ。
国際会議「気候変動に関する政府間パネル」は、地球全体の温暖化で、日本のような中緯度の地帯では「今世紀末までに極端な降水がより強く、より頻繁になる可能性が非常に高い」と見通す。
気象庁によると大気中の水蒸気量が増え「大気の状態が不安定になる」ことが一因だという。
水の循環を研究する東京大学の沖大幹教授は、集中豪雨によって「水害が増える恐れがある」と指摘。
対策として「温室効果ガスの削減といった緩和策と、堤防整備などの対応策の両方が必要ではないか」と提起する。
というもの。