今年から佐渡では、「朱鷺と暮らす郷」ブランドとは異なる、「世界農業遺産(GIHS)佐渡の郷」ブランドが立ち上がっています。
「世界農業遺産」とは「世界農業遺産」とは、国際連合食糧農業機関が立ち上げた正確なプロジェクト名は、「Globally Important Agricultural Heritage Systems」。
頭文字を取って「GIAHS(ジアス)」と呼ばれている。
地域環境を生かした伝統的農法や、生物多様性が守られた土地利用のシステムを世界に残す目的で創設され、主に途上国に向けた支援策となっている。
日本は、先進国で初めて「世界農業遺産」の認定を受けた。
戦後、高度成長を遂げ、経済大国の仲間入りを果たして久しい日本において、農業の近代化と並行し、伝統的な農業・農法、農村文化や生物多様性、農村景観などがシステムとして保全されており、その維持に努めている地域が認められた。
◆世界農業遺産(GIAHS)を活用した新ブランドについて
佐渡においては、世界文化遺産の認定を目指す金銀山の歴史から継承される多様な農文化とトキが棲める豊かな生態系を維持した里山と、生物多様性を保全する農業の姿が世界的に重要で後世に引き継ぐべき農業システムとして認められた。
佐渡が評価されたポイント
1.豊かな生態系
2.金銀山抜きでは語れない佐渡農業の歴史
3.独自に発展した佐渡の伝統的な農文化
4.トキの野生復帰活動を生んだ農業システム
よって、世界農業遺産(GIAHS)を活用した新ブランド米の考え方は、世界農業遺産の理念もある「農業の多面的機能」や、世界農業遺産そのものの価値を認めてもらうべく、お米のブランド化と、販売を通じて、消費者に対して発信していくことを目的とする。
1.ブランド名世界農業遺産(GIAHS)佐渡の郷 ○○地域(※棚田地域を特定)
2.ブランドの目的条件不利地の棚田地域で生産される米の高付加価値化、販路拡大を目的として、世界農業遺産の理念もある「農業の多面的機能」や世界農業遺産そのものの価値を米のブランド化、販売を通じてより具体的に発信する。
既存の朱鷺と暮らす郷は、トキをシンボルとして、農業が育む生物多様性を発信するとともに、品質・食味を重視するお客様にも受け入れられるブランド米として位置付け、この世界農業遺産(GIAHS)佐渡の郷は、農業農村地域が育む自然・景観、農文化、人の暮らしなどの多面的な価値やそれらを保全することに理解いただけるお客様に対して販路を広げていくブランド米として位置付ける。
3.ブランドの方向性棚田地域限定のブランド米として、世界農業遺産の認定基準に沿った「こだわり」を「見える化」することで、棚田地域における苦労やこだわりのみならず、世界農業遺産の価値も含めてお客様(消費者)伝えながら販売が可能な販売店(米穀専門店)のみが扱えるブランドとする。
4.ブランド基準(こだわりの「見える化」) -1
・佐渡棚田協議会に加盟する集落等棚田地域限定
・生物多様性の保全は、営農を通じて動的に保全されている(農薬・化学肥料の地域慣行比5割以上の削減、生きものを育む農法の実施、生きもの調査の実施など)
・地域の農業と周辺環境が一体となった美しい優れた景観がある(ジオサイト・国重要文化的景観などに指定されている、景観に配慮した畦畔の除草、景観に配慮した畦畔への草花等の植樹、はざかけ、特徴のある街並みが保全されているなど)
・地域の農業に関連した農耕祭事、神事等の文化が地域住民が主体となり継承されている(能・鬼太鼓などの神事が保存され、年1回以上、地域のまつりなどで演じられている、地域に伝わる民話を継承しているなど)
4.ブランド基準(こだわりの「見える化」) -2
・地域の農林水産業と観光、サービス業等他産業との有機的連携が図られている(観光協会などの観光関連団体と連携して、棚田景観や集落の価値を発信する活動を実施しているか)
・出荷する米は1等米のみとする
5.商流及び販売方法、価格について
・JA佐渡において区分集荷、保管して、卸が取りまとめた要望に応じた量を卸を通じて米穀専門店に販売する。
・見える化した世界農業遺産の認定基準に沿った該当地域の「こだわり」を販売する米穀専門店に提供する。
・販売する米穀専門店は、佐渡市と「世界農業遺産ロゴ(FAO)」の使用を定めた協定を締結して、当該ブランド米の販売を通じて世界農業遺産のPRを行う。
・加算金は朱鷺と暮らす郷の倍を最低基準とする
◆26年産米の販売地区
・佐渡棚田協議会に加盟する北片辺農事法人組合が栽培する北片辺地区限定に平成26年産米からモデル的に実施する
・佐渡島の北西地区で海岸に面した集落で、そこから標高約100~200mの中山間地の棚田で栽培している。
・生産者数 8人
・ほ場の区画は5~30a
・大小合わせて合計5.4ha
・海のミネラル分を豊富に含んだ潮風が稲体を丈夫にし、力強い根を張らせてくれる。
北片辺は、日本海に沈む夕日が田んぼを赤く染め、棚田の景色を一層幻想的に感じさせてくれます。四季折々の絶景が楽しめる場所。
誰もが知る「鶴の恩返し」のルーツはこの地と言われている。
村で語り継がれていた民話の「鶴女房」を劇作家の木下順二が語り聞き「夕鶴」として発表されたことで全国に広まった。
地元集落は、昔ながらの家々が残っているので、その地域の特色・魅力などを地域の住民自らがガイドとなり散策に訪れる観光客に発信している。
このお米は、100%「和穀の会」が流通・管理・責任を持っていますので、販売を検討しているお米屋は、和穀の会にお問い合わせください。