日本農業新聞e農ネット[被災地の暮れ 米農家の思い 上]には「復興託す「たかたのゆめ」 岩手県陸前高田市 金野千尋さん ブランド確立目指す (2014/12/27)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
2014年もあと5日。東日本大震災の被災地の米産地では、今年初めて水稲を作付けしたり、米の販売を本格化させたりして復興に向けた歩みを続けている。
だが、米価下落のあおりを受けて厳しい経営を強いられている。
震災から4度目の正月を迎える米農家の年末を追った。
・安値不安も
11月中旬。津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の農家、金野千尋さん(63)は東京都港区六本木にいた。
復興への思いを込めた新品種「たかたのゆめ」を消費者にPRするためだ。
金野さんは「復興米には特別な思いがある。消費者の関心は高まった」と確信した。
あれから1カ月が過ぎ、年の瀬を迎えた。ブランド化を目指しているが米価下落で経営は苦しい。
復興米に希望を託しつつ、不安な年末を過ごしている。
「たかたのゆめ」は日本たばこ産業(JT)が開発した「いわた13号」。
つぶつぶ感があり、炊きたてでも冷めてもおいしいのが売りだ。
JTは復興支援につなげてほしいと2012年に権利を市に譲渡。
これを受け、市は地域ブランド米として作付けを推進してきた。
初年度となる12年産米に取り組んだのが金野さん。
わずか15アールからのスタートだった。
江戸時代から続く農家の13代目。
勤めていた地元漁協を退職したのを機に01年度から、専業農家として営農を本格化させた。
家族で水稲50アール、リンゴ60アールを経営してきたが、仲間の農家が高齢となり米作りを引き受ける機会が増えてきた。
そんな時、大震災が発生。11年産米の作付けは当初、4ヘクタールを見込んでいたが田んぼが津波にのみ込まれた。
「揚水機がずたずたになり、実際に耕せたのは1ヘクタールあったかどうか」。
金野さんは振り返る。
・増える仲間
「たかたのゆめ」の栽培から3年目を迎えた今年、作付面積は3.5ヘクタールに広がり、減農薬減化学肥料の特別栽培にも取り組んだ。
主力の「ひとめぼれ」を含めると米の作付けは計8ヘクタールに達した。
栽培に挑戦する仲間は増え、14年産は市全体で54ヘクタールになった。
市の農林水産部長を務める千葉徳次さん(55)は「金野さんの作付けがなければ、『たかたのゆめ』の広がりはなかった。生産者の思いを消費者に伝える橋渡し役を担ってほしい」と期待する。
ただ、不安も頭をもたげる。
米価の下落だ。
「売り上げから労賃や機械代などを差し引けば赤字だ」と金野さん。
さらにこう続けた。「ボランティアで農業をやっているわけではない。不安な年末だよ」
市は農家の手取り向上を目指し、JAや生産者組織、関連企業などとともに「たかたのゆめ」の研究会を発足させた。
今後、栽培や販売方針を決める。
「確実なブランド化につながる」。
金野さんは諦めない。
というもの。
頑張ってブランド化してほしいと思うが、相当苦しいだろうな。
ブランド化は、考えているほど簡単ではない。
1人では出来ないが、人数がいても、計画がなければ、やっぱり出来ない。
進めていくだけの計画と、結束力と精神力が、有るかどうか・・・