ここ数年自動運転の話題はいろいろな面で取り上げられ期待されています。そして今年はG7交通相会議で自動運転も討議され、日本の自動車メーカー各社が共同で地図会社を立ち上げたりルールやインフラ整備のベースづくりもスタートしました。
新技術はどんどん進化して今年はベンツ、BMW、テスラなど1000万円前後以上出せるなら最先端の運転支援システムを搭載した新型車が発売され「いずれ大衆車もああなるんだ(高級感は別にして)」みたいなものが見えてきました。
そんな中、今秋は日本車も各メーカーの運転支援システムを取り上げたCMをよくみかけるようになりました。ちょうど昨年の今頃トヨタプリウスが発売されてそれまで高級なレクサスにオプションで100万以上するような安全システムよりグレードの高いセーフティーセンスPという運転支援システムがリーズナブルな設定で出て、最近では日産が日本で初めて高速道路同一車線での自動運転システムをセレナに(これも20万強というスゴイ設定)、ホンダはホンダセンシング、マツダも最近全車速度追従クルーズコントロールを採用という状況です。
クルマ好きのユーザーにとっては運転支援システムは不要という声もあるかもしれません。ただ各社運転支援システムの内容、標準装備かオプション設定かなどの違いはあるものの希望すれば数年前まではベンツEクラスやボルボに搭載されたスペックかそれ以上の機能が20万前後で車体本体価格300万以下のクルマに付けられるようになったのはスゴイです。
衛星を使用した地図システムとの連携や法整備が完了しないかぎり当面は現在のこの20万前後の運転支援システムの基本的な機能が洗練されていく方向になるのではというのがワタシの個人的感想です。
今年7月下旬に日本では最初に「ぶつからないクルマ」と宣伝していた(詳細はNASVA 安全性能評価試験「予防安全性能アセスメント」を参照してください。各社の評価が出ています)スバルXVに乗り換えて約3ヶ月たって上述の高級車種とは異なる普及版の運転支援システムの感想、今回のクルマ選びで感じた20年間の技術の進歩と環境変化について書くことにしました。
クルマによく乗る方にとっては「何をいまさら」な話題ですけれど、あまり運転しない方の参考になれば幸いです。
結論から言ってしまえばこの20年間のクルマの技術進歩に感激しました。今回新車を購入した最大の目的は伊東に住んでいる両親が二人とも後期高齢者になったので今後突然入院などという場合ワタシが一人で運転して行き来するということでした。
ということで燃費よりは安全運転支援システムと長距離・曲がりくねったアップダウンでの運転のしやすさを重視しました(伊東まで行ってさらに両親の家から病院などとの運転もしないといけないので)
各メーカーにより運転支援パッケージは異なるのでとりあえず今回購入したスバルのアイサイト(ver.3)の内容です。
・CMで有名なプリクラッシュブレーキ
(自動ブレーキによって衝突を回避、または被害を軽減)
・全車両速度追従機能付きクルーズコントロール
(広い車速域で先行に追従走行。つまり前のクルマに合わせて自動で加減速。
ハンドル操作は運転者。数ある運転支援機能の中でこれが一番重宝とも)
・アクティブレーンキープ
(60km以上でステアリング操作のアシストを行い車線からの逸脱を抑制)
・AT誤発進抑制制御&AT誤後進抑制制御
(シフトレバーの入れ間違いやペダルの踏み間違いによる急な飛び出しを抑制。
つまり駐車するとき速度が自動で抑制される)
このアイサイトに車種によって追加できるアドバイスドセイフティパッケージも付けたので
・後側方警戒支援システム
(センサーで後側方から接近する車両を検知するとドアミラーにLEDインジケータで表示
し警告音で運転者の注意を促す。車線変更するとき便利)
・ハイビームアシスト(状況に応じてハイビーム/ロービームを自動で切り替え)
以上が運転支援パッケージで、その他20年ぶりの新車で驚いたのが
・トンネルなど暗いところに入れば自動点灯、出たら自動消灯
・雨が降れば自動でワイパーが雨量に応じた速さで拭いてくれる
こんな具合ですから30年弱前、「歳をとればとるほど時間がかかる」と言われて学生時代のうちにとクラッチ付きの古くて大きなローレルの教習車で40時間弱もかかって免許取得した身にとっては目が点になりそうな進化です。
特に高速道路ではハンドルを握っている以外は何もすることがない感じです。前のクルマではタイミングを逃したため最近のナビもETCも後付けするにはバッテリー容量が足りなさそうでした。そこで今回ナビとETCをつけることにしたらすでに時代はETC2.0で一体化していました。高速道路の渋滞情報を音声案内してくれるので一人のときはメリハリがつきます。
納車のとき付いていた取り扱い説明書も昔のパソコン附属の説明書のように分厚くてこれまた驚きました。スバルは納車までだいたい2ヶ月かかるそうで運転下手なワタシとしては半月の慣らし期間で伊東に行くまでに各種ボタン操作に慣れるか心配になりました。
実際にお盆に伊東に行ったときにははバッチリ高速渋滞にはまったので運転支援システムの中で最も実用性が高いらしいACC(全車速追従機能付きクルーズコントロール)を試すことができました。10年以上ぶりぐらいに青葉ICから東名高速に入ったらすでに混んでいて町田から海老名の間が10km/h以下で時々停止なんて状況でした。おかげでクルーズコントロールの操作方法も低速で安心して試せました。ハンドルに速度調整ツマミと車間距離設定ボタンの操作して設定した内容をスピードメーターの間のアイサイトディスプレイで確認するのに慣れるまで少々戸惑いました。
その後小田原厚木道路ではACCを設定して走ったのでアクセルは踏まなくてもクルマが加速減速してくれたのですがいつもの運転姿勢と違いぺたっフロアに両足を着けて座っているといざというときブレーキが踏み込めないのではと感覚がなれずいつでも踏めるようにブレーキに触れないようにブレーキbの上に足をキープしたので緊張しました。
快適な小田原厚木道路の後は夏の週末伊豆方面に向かうときのボトルネック、西湘バイパスから真鶴道路です。案の定道路に張り付き状態になりました。10km以外でも完全に停止しないかぎりACCは働いてくれますけれど、完全停止後はすぐにアクセルを踏む状況以外では「ポーン」という警告音でACCはオフになることがわかりました。
その先の熱海ビーチラインは49km位で走れました。ところが熱海港の手前のビーチの辺りがまた大渋滞。結局休憩時間もいれると100km程度で5時間かかりました。
帰途は夏休みで相変わらず混んでいたもののACCにも慣れて本当に快適でした。ただし海老名の辺りの渋滞時、上限90km、車間距離を最小にセットして30km位で走っていたら町田あたりで徐々にスピードが上がり80kmで最短車間距離になったので慌てて最長にしました。それから横浜青葉ICで出るときACCをセットしたままなのを忘れていたら出口レーンの下りカーブで突然ぐんぐん加速したのでこれまた慌ててオフにしました。
高速を降りるときは早めにACCはオフにしないといけないですよね。これもほかのクルマを試乗してとき聞いたような。でも実際自分でやってみないとなかなかわからないですね。
お盆のドライブは良いお試しになったので次はどこに行こうか考えていたら翌週母が体調不良で病院に行ったら即入院したのですけれど重病ではなかったので一人で運転して日帰りで伊東の病院に見舞ってきました。ACCフル活用で車高が少し高いSUVは長距離のときカラダがラクです。
長くなったので今回のクルマ選びで感じた環境変化は次の記事にまとめます。