昨晩、NHKスペシャル「最期の笑顔 ~納棺師が描いた東日本大震災~」という番組を見た。
それは、復元納棺師・笹原留似子(ささはら・るいこ)さんの、東日本大震災後の生き様を、追ったものだった。
彼女は、震災で無残に傷ついた遺体を、時間をかけて修復・復元され、それに笑顔を甦らせてから遺族の元にかえし、更に、その笑顔を絵に描い
て残すという活動を、ずっと続けられてこられたのだ。
←復元した故人の笑顔を描かれる、笹原留似子さん
「復元納棺師」‥こういう仕事・職業があることを、私は今回の番組で初めて知った!
“復元”の付かない「納棺師」も、あの名作「おくりびと」(漢字だったかな?)で、私はその存在を初めて知ったのだから‥。
笹原さんは、震災直後から遺体安置所を回られ、無残に傷ついた遺体を復元、生前の笑顔を甦らせてこられた。
←遺体安置所で復元作業をされる、笹原さん
その数は、300人を超えるという。
そしてこの復元作業は、すべてボランティアなのだ。
番組は、復元作業を受けられたお一人、(夫と4人の子どもを残して一人だけ津波の犠牲になられ、1ヶ月後にその遺体が発見された)Hさんの復元
作業を、追っていた。
Hさんの遺体の復元作業は、夫の、「このままの姿では、子どもたちをお母さんに会わせることはできない。なんとか4人の子どもたちに、お母さんと
のお別れをきちんとさせてあげたい!」という願いから、笹原さんに依頼されたのだった。
今回の復元作業は、遺体が安置されている、Hさんの家で行なわれた。
変形して硬直した顔を念入りにマッサージして元の顔の形に戻し、損傷のある処には脱脂綿をつめて、上から特殊なファンデーション等を丁寧に塗っ
ていく。
ファンデーションは、冷たくなった顔になじむように、自分の手でよく温めてから、何度も何度も、塗っていかれるのだそうだ。
そして、その人の笑い皺の跡をさぐって、笑顔を甦らせる。
生前の笑顔にできるだけ近づくようにと、Hさんの遺影にじっと目を向けられる、笹原さんの真剣な眼差しに、心打たれる。
この日の復元作業は、結局3時間に及び、終わったのは、深夜だった。
復元された奥さんと対面され、「これで、妻が戻ってきた‥子どもたちに会わせられる!」と、涙を流して喜ばれる、ご主人。
笹原さんの顔にも、安堵の表情が浮かぶ。
こんな作業を、彼女はなんと、300回以上繰り返してこられたのだ。
そして、(復元作業の依頼が少なくなった)震災後4ヶ月くらいから、彼女は、自分が復元した人たちの、「最期のすばらしい笑顔」を残したいと考えら
れるようになった。
彼女は、一人一人を思い出しながら絵を描かれ、それに、ご家族の思いを、(時には、自分の気持ちも)文で添えられた。
震災で亡くなられた方とそのご遺族に、このような向き合い方をしてこられた人がいるのだ!
「復元納棺師・笹原留似子さん」の存在と行動は、私に強い衝撃を与えた。
いい番組を見た時は、どうしても書き残したい気持ちになってしまいます。深刻な中味になってごめんなさい!
私は子供が借りてきた笹原さんの本を読ませて頂きました、ワンストーリーずつに涙しました。
わたしも看護士をしてますが、中々心底ここまで
尽くされるかたはそうそういません素晴らしいかたですね、
コメントの確認を怠っていて、今日になって偶然ちはるさんのコメントを見る事ができました。
笹原さんの本を読まれたんですね!それにご自身も看護師をなさっているとのこと‥。大変なお仕事ですが、お身体に気をつけられて、病気の方の強い味方になってくださいね。