畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

三県制覇!其の5~栃木県~

2012-08-02 04:44:00 | 旅行・観光
 さて、群馬県太田市の金山城見学に7:00~9:45くらいまで時間を割いた。次は目指すは栃木県足利市。史跡足利学校を訪問しようと思っています。群馬県足利市から直線距離で約10km弱。越県するとはいっても近いですね。車で30分ほどでつきますね。



おっ!見えてきたぁ~渡良瀬川です!となればあれが見たいです。

 渡良瀬橋!渡良瀬橋っていうと、森高千里の名曲「渡良瀬橋」を思い出しちゃう私。派手なミニスカートで歌い売り出していた森高千里が一転しておとなな魅力をだした一曲。車の中で歌いながら渡りました。歌詞を書きたいけど、JAS●RACから請求来たらヤだからね…。渡良瀬川を渡るともう栃木県。足利学校までもう近くです。



 足利学校の目の前に「足利市観光駐車場」というものが目に入りました。観光目的なら2時間無料。しかも目の前に「太平記館」という観光案内所とお土産物屋がある。一人旅なので家族にお土産を…と思っていたのでもってこいでした。



 観光駐車場から歩道橋で大通りを渡ると、すぐそこに足利学校が。結構大きな土塁と水堀に囲まれています。まるで中世の城館みたいです。足利学校の入口はここから徒歩3分くらいのところでちょっとまわらなければいけないのが面倒…(^^;)



 足利学校入口に到着です。参観料は一般400円。私はJAFの会員証を提示して団体料金適用になりました。330円で入場です。



 足利学校は日本最古の学校として「世界遺産」を目指しているようです。足利学校は奈良時代の国学の遺制という説。平安時代の832(天長9)年小野篁が創建という説。鎌倉時代初期に足利義兼の創建説。1439(永享11)年に関東管領上杉憲実によって創建されたという説もあり諸説あります。
 ただ、実際に記録が出てくるのが、関東管領上杉憲実によって学校が整備され孔子の教えである「儒教」を寄進し、禅僧を学長に据え学生の養成に力を注いだ事実が知られています。1528(亨禄元)年に京都の医学者であり畠山義綱や毛利元就らにも医道を伝授した曲直瀬道三が足利学校に入学するなど、当時の最先端の学問を学ぶ場所でした。



 これは江戸時代の1668(寛文8)年に建立された孔子廟で、日本最古の孔子廟と言われています。中には1535(天文4)に作られた孔子像がありますが、文化財保護のため展示されているのはレプリカです。



 孔子廟から東に行くと、2つ建物が見えます。手前が「方丈」(ほうじょう)と呼ばれる講堂で、講義や学校行事が行われた場所だそうです。奥が「庫裡」(くり)と呼ばれる学校の台所で日常生活が行われたところだそうです。



「庫裡」の南東にある建物が「衆寮」と呼ばれる建物です。

学生が生活したり勉強したりするところです。ちょっと狭いですね。学生寮だとこんなものでしょうかね。



 これは衆寮の西にある「足利学校中興祖 関東管領上杉憲実公顕彰碑」です。日本史の教科書での記述どおり、足利学校は鎌倉時代の足利義兼の創建で、室町時代の上杉憲実が中興した、というのが定説のようですね。奈良・平安時代説もありますが、関東はそのころ日本の辺境ですし、鎌倉時代創建説が一番現実的な気もします。



 方丈と庫裡の建物はつながっており、中が展示室になっています。室町ファンとしての見どころはやはり上杉憲実の展示ですかね。



 方丈から見える庭園の景色が素晴らしいですね。これも復元ですが、それでも発掘調査に基づいたものでしょうか…趣を感じますね。



 グッズショップもあるけど、「論語」の本とかCDとか…あまり興味ないな…。「足利学校」のリーフレット700円は買いましたが、やはり宝暦の雷での消失のせいであまり中世の資料は多くないですね。


 孔子廟を除くこれらの施設は1754(宝暦4)年の落雷で焼失し、古文書なども紛失したと言います。その後再建はされず明治を迎え、1873(明治3)年には敷地の一部が小学校となりました。その頃の様子がこんな感じだそうです。写真右に見えるのが小学校です。

 1921(大正10)年には孔子廟などが国指定史跡になりましたが、現在のような史跡の保存・整備が行われたのは1982(昭和57)年に小学校が移転したのが契機だそうです。発掘調査や古絵図・学校記録などの文献調査を行った結果、1990(平成2)年に江戸時代中期のものを再現しました。現代の様子がこちらです。

前の写真と比べると史跡整備が進んでいるのが一目瞭然ですね。



 観光駐車場のある「太平記館」でお土産を購入。観光案内所で昼食を食べている場所を探していると…「ポテト入り焼きそば」なるB級グルメが足利名物とのこと。職員の方に近くにある店を紹介してもらいさっそく行く。



 太平記館から歩いて5分。足利学校正門からまっすぐ西に歩いて2分くらいの距離にある「よしおか逸品堂」さん。足利名物は「ポテト入り焼きそば」だけでなく「ソースかつ丼」も有名だそうです。

 結構麺は太麺でコシがあります。写真ではポテトは1つしかないように見えますが、麺に隠れて結構入っています。ポテトもソースに絡んですごくおいしい。これでお値段300円!大盛りにしとけばよかったかな…。


さて次はどこに行くでしょう?次回をお楽しみに~。

<史跡・足利学校情報>
◇開館時間   4月~9月:午前9時~午後4時30分、10月~3月:午前9時~午後4時
◇休館日     第3月曜日(祝日・振替休日のときは翌日)
           年末(12月29日~12月31日)
◇入館料     一般400円、高校生210円、中学生以下無料

三県制覇!其の4~真・群馬県~

2012-08-01 04:44:00 | 旅行・観光
 前回に引き続き、金山城関係の話です。前回まで金山城を見てきたので、今回「其の4」では、「太田市立史跡金山城ガイダンス施設」の紹介です。



 ガイダンス施設の入口です。この施設は金山城の麓に平成21年5月30日オープンしました。ですので建物もまだまだ新しいです。



 展示室は2階にあります。入館無料なのにこの豪華さ!すごい!館内は撮影OKなのも嬉しいところです。



 2階展示室にはVTRコーナーも。平日のオープンしたての時間ということもあり、見学者は私だけだったのですが、職員の方が「ぜひどうぞ」と勧めてくれ見ました。こういうVTRって長くて見ている余裕もないほどなんですが、5分ほどでよくわかるようにまとめられていました。



 館内には金山城に関係のミニチュアも。これも古文書などを基にしているので、よく考証されているなあ…と感心。



 金山城で出土した品ももちろん展示されています。カワラケはもちろん、白磁・青磁などの中国陶器、古銭、火縄銃の弾丸なども発掘されているようです。解説付きで展示されているのがいいですね。



 これは「北条家朱印状写」です。古文書のレプリカなども展示しています。



 展示パネルにおける解説も充実。金山城の解説のほか、石垣に関する解説など様々な視点から解説されています。残念ながら無料の資料館ということで、図録などを販売していないのが無念です。



 情報コーナーなどもあり、地元紙に取り上げられた金山城関係の記事や、発掘調査に関するパンフレットなどを展示してあります。平成14年以降の発掘調査のパンフレットが掲示しており、職員の方に「この発掘調査の記事ってもらえませんか?」と聞いたところ残念ながら予備分はないとのことでした。その代わり…と言って



 金山城のリーフレットをもらいました。これは受付にもなく、職員の方にもらってよかったなあと言うものでした。発掘調査のパンフレットは平成21年度分からは一般向けにありもちろんゲットしました。


さて、このガイダンス施設の見どころの1つがまた2階にあります。

 それが職員が推定に基づいて作成した1/35スケールの模型です。これが結構しっかりした作りになっています。これは実城の馬場通路と物見台の模型です。こんな物見台や虎口の櫓などがあれば一層現実感がでますね。現在の金山城の石垣復元だけでもかなり満足でしたが、これを見ちゃうとさらに上を求めちゃうカモね。



これが実城大手虎口の曲輪です。かなり堅固な城ですね。

なるほど、こういう門ならば、門の礎石が通路の中央になくても納得できます。ただ、これは推測復元なので、発掘調査の結果というわけではないようです。


これで、ガイダンス施設の案内は終了です。最後にこんな写真を。

これは、金山城の整備前の写真だそうです。これが…

復元によってこうなるわけですね。スゴイです。この感動は訪れた人にしか伝わりません。ぜひぜひまだ登城されていない方は金山城への登城をお勧めします!先にガイダンス施設を訪れて勉強してから史跡を回るのもいいかもしれませんね。

 では、三県制覇の旅は、栃木県足利市へと移っていきます。次回をお楽しみに!


<太田市立史跡金山城ガイダンス施設情報>
◇開館時間   午前9時~午後5時
◇休館日     月曜日(月曜休日の場合は翌日)
           年末年始(12月29日~1月3日)
◇入館料     無料