言葉による意思伝達ができない人たちに対するコミュニケーションも、健常者に対するコミュニケーションも、結局は同じなんだよなあって、思えました。
ゆびさきの会の指談勉強会
午後、米子で“第8回 ゆびさきの会の指談勉強会”があり、お邪魔させていただきました。
参加させていただいたのは、松江で白雪姫プロジェクト事業として、7月に「僕のうしろに道はできる」の上映会、8月に山元加津子さんの講演会、10月末に守本早智子さんを招いて講演会と指筆談のワークショップを計画していますが、一連の事業を終えたら、松江でも米子のような指談勉強会が立ち上げれたらとの思いからです。
ゆびさきの会の天野代表は障がい者支援施設の職員さん。以前、施設にお願いをして守本さんの講演会を開催させてもらったところ、キャリアを積んだ60代の職員の方が守本さんのお話に感銘を受け、入所者の病状説明を根気よく丁寧にするようになった。
すると、病院行を渋ったり、頑強に抵抗し力づくで病院に連れて行っていた方が、時間になると自分から出てくるようになった。
こうなると、きっと病院の治療効果も全く違ってくるんでしょうね。
職員の人柄を瞬時で見抜く
守本さんが指談に取り組む皆さんにこんな気持ちでと6つの約束事をお願いしていらっしゃいます。
①赤ちゃん扱いしない②自分を信頼してもらえるまで待つ③相手が「拾うタイミング」を待つ(こちらが先走らない)④敬意を忘れない⑤成果を求めた接し方をしない(実験台ではない)⑥自分のために行うのではない。
高齢者施設などでの入所者の方の接し方の基本でしょうし、健常者同士の円滑なコミュニケーションを成り立たせる基本も同じだよなあと思えます。
結局、上から目線ではなく、相手を尊敬し、寄り添い支えようとする姿勢が大切なんですよね。
天野さんは、お話ができない人は、職員の人柄を瞬時で見抜く力をお持ちのように感じると仰いました。
この職員には甘えてもいい、この職員とは距離を保つなど、間合いを知っているようだ。自分の体を全部職員に託さなければならないわけですから、人が持つ本来の力が甦るんでしょうね。
入所者から、そんな厳しい眼を注がれている職員は、そのあたりを理解して接すると自分の仕事も楽になるんでしょうが、人手がなくて時間に追われると、それができなくなるのかも。
それによって、お互いに損をした上に、気持ちまで荒んでくる。寂しいですね。