<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

こころゆくまでお楽しみください

2014年06月04日 08時26分23秒 | Weblog
「ようこそお出で下さいました」
「お出でになるのをみなでお待ちしておりました」
「旅のお疲れもおありでしょうからまずはゆっくりおくつぎになってくださいね」
「お帰りの日が来るまでは、どうぞ当地をこころゆくまでお楽しみください!」
ホストたちがわたしに握手をしながら歓迎を述べる。



「ここは楽しいところです。すべてを楽しめるようにしてあります」
「楽しむのに制限はありません。でもそれは、しかし、あなたにゆだねられますので、結局はあなたの裁量次第ということになります」
こころゆくまで楽しめるとは! 凄い! わたしは嬉しがる。でも、わたしの裁量次第という点が少し気になることだ。



わたしはまだわたしのスピリットである。形はない。ホストたちも形はない。形はないが、形のないものを見る目が備わっているので不都合はない。ホストたちはみな菩薩の位に達している。穏やかないい顔だ。



「どうかよろしくお願いします」
「お世話になります」
「今日の日をずっと楽しみにしてきました」
「嬉しいです」
「想っていた以上に、ここは美しいところですね」などとわたしのスピリットも答えている。こことはこの世のこと。この地球である。出迎えを受けたわたしは終始にこにこしている。いささか興奮気味でもある。期待に胸がはち切れそうだ。



わたしは赤ちゃんのからだをもらう。お母さんとお父さんをもらう。家族になる人たちを紹介される。赤ちゃんの中に宿ったわたしは赤ちゃんの泣き声を立てて泣き出す。



スピリットのわたしは、これからここでこころゆくまで楽しむことができることを思ってわくわくしている。希望と期待で胸がはち切れそうだ。
コメント
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