<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

銭がかからない安上がりな男だ

2014年06月19日 11時08分25秒 | Weblog
朝顔の蔓が伸びてきて三郎の乗る自転車に巻き付こうとしている。風が蔓を揺するので、まるで三郎においでおいでをしているようである。

で、三郎は、おいでおいでに従う。風が強くなったので大袈裟に揺すってくる。蔓の長さは45cm。これが宙を舞っている。そうとうしっかりしていなければ折れてしまいそうだが、折れないでいる。

執拗においでおいでを続けている。もうすぐ自転車のサドルに到達するところだが、あと5cmを遺している。タッチしただけではだめで、これにつかまらなければならない。

三郎は麻紐を持って行って、蔓の曲線を少しばかり直線に直して、これで結んで固定をしてやる。もうおいでおいでをしなくてもすむので、朝顔は安心したようにしている。揺れないでいる。

たったそれだけのことをし遂げて三郎は快適になっている。三郎という男は実に安上がりな男だ。銭のかからない男だ。

おっと、じゃどうするんだ? 夕方サイクリングに出掛けて行くことになっているというのに、どうするんだ? 三郎は頭を抱え込んだ。

安上がりの正体は頭の悪い三郎、というだけのことだったんだ。
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これ以上加えるものがない

2014年06月19日 08時42分34秒 | Weblog
いい気持ちだ。どうしてだか、いい気持ちだ。

雲雀が大空高く舞い上がって囀っているからなのかな。

木に登った雨蛙がびきびきびきびき低音で鳴いているからなのかな。

透かし百合の咲きっぷりがいいからかな。

降り注いでくる日差しがやわらかいからかな。

さっきトイレに行って残留滓を放り出してすっかりしたからかな。

まあ、ともかくいい気持ちだ。ここへこれ以上さらに追加しなければならないものが見付からない。

日頃よりお目をかけて下さっている大空さまにお伝えします。

2016年6月19日、木曜日、三郎はいい気持ちでいるから、どうか安心をして下さい。

ここにこうして三郎に与えてもらっているものですっかり満ち足りています
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