1
いい気なもんだ、だ。
2
いち早く、ともかくいい気になってしまう、という技がある。先と後を引っくり返すのだ。
3
普通は、いい気になれるものが先行して、それを受けて、いい気になる、はずである。
4
それが正当な順序なんだが、これを無視して掛かって、まず先にいい気になる。
5
するとその後に従って来るものが、その手合いの服装をして現れ出て来るのである。
6
「笑う門には福来たる」なんて諺もそれに近いのではないだろうか。福が来やすい条件を作ってあげるのだ。しかめっ面をしてところには、福さんの足がすくんでしまうのかもしれない。
7
世の中には<調子者>がいる。そう呼ばれている手合いがいる。これも、後先を引っくり返す術をこころえている。「あいつ調子がいいんだから」と揶揄されるが、誰よりも早く上手い調子をつけて、ともかく楽しいリズムに乗って、先へ行ってしまう。
8
いつまでもしかめっ面に執着していることはないのである。そこは早々と切り上げてしまうのがいいのである。
9
これも仏教が教えている「転」だろう。転は引っくり返すことだ。チェンジするのだ、あっさり。あっさり理屈抜きで。新境地へジャンプしてしまう。
10
イヤに固執しない。イヤに固執しているといよいよイヤになってしまう。落ちた穴を深くしてしまうだけである。
11
そこを抜け出してしまう。理屈抜きで、ともかく一目散に。理屈なんて後でつけても良いのである。幸福へハイジャンプ。高く飛べ!
12
春になると、有明海ではトビハゼがハイジャンプをする。恋の季節だ。恋へ向かって高く飛ぶのだ!