番組の終盤に1982(昭和57)年2月8日に起きた、ホテルニュージャパンの火災で命がけで救助する消防士のドキュメンタリーが出ていました。
ホテルニュージャパンの火災は私が幼いころにテレビでよく見ていたので、昭和の大事件の中でまだ記憶に残っていますが、なぜそのようになったのか今回の放送で初めて知りました。
異常乾燥発令中の午前3時半頃、9階のイギリス人男性客の寝タバコ不始末が原因で出火。
仮眠に向かう従業員がドアのすき間から煙が出ているのに気付くが、初期消火活動も徹底されていなかった。
火が出ている部屋のドアを閉めていなかったり、警備員が社長の指示をあおぐ電話も社長からは「高級家具を外に出すように」。人命救助よりも「モノ」が大切だったらしい。
消火栓の使い方がわからなかったり、館内放送の器材故障で宿泊客に緊急事態の連絡が全く行き届かなかった。
火災が起きる前、消防署の指導でスプリンクラー設置や防災対策を社長に要請したが、ただの飾りをつけるだけで放水の機能はさせていなかった。
何枚かのシーツをつないで窓から階下に宿泊していた日本人2人とともに脱出した韓国人の話も出ていました。
この火災の前に韓国でも大規模なホテル火災があり、シーツで脱出した話をマスコミで取り上げていたので、それを実践した韓国人が多かったそうです。
シーツをただつなぐだけでは、重みで外れてしまうので、シーツの先端にコブのようなものを作り、それをつなげば簡単に外すことはなく、ロープの代わりになるとのことでした。
冬の間は空気が非常に乾燥しており、火災が起きやすくなります。
火の取り扱いには充分ご留意ください。
さて、ホテルニュージャパンは火災が起きてからずっと廃墟のままで放置、電気も切られているはずの10階に明かりがついていた、窓に人影が見えた、外国語の話し声が聞こえる、などなどの都市伝説は以前聞いたことがあります。
今の跡地はどうなっているかな?とネットで調べてみたところ、14年後の1996(平成8)年に取り壊され、2002(平成14)年から38階建てのプルデンシャタワーができたそうです。
1~2階はレストランなどのデナント、3階から24階までオフィス、25階から上は高級賃貸マンション。