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このぽっぽや鉄道員の主演、高倉健さんが去年の11月10日、83歳でご逝去されました。高倉健さんはたくさんの映画作品で出演されていますが、そのなかで1番印象に残るものは「ぽっぽや」の幌舞駅長を務めた佐藤乙松さん役。11月下旬に予約して、やっと借りられたのは12月25日。返却期限は年明けなので、今のうちに15年ぶりに視聴しました。
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生まれて間もなくの娘さんが亡くなった日も、病気だった自分の妻も亡くなった日も、乙松はホームに立ち続けた。職務を全うするあまり家族に寄りそってあげられぬまま・・・。
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幾寅駅の中にあった、展示資料館。ホームに現れた小さな少女が現れてきては、人形を置き忘れてしまいました。初めてこの作品を見たときは、どういう関係なのか全然わかりませんでしたが・・・あとになってようやくわかりました。
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15年前の志村けん。今も変なおじさんやバカ殿さまとか笑わせてくれますが・・・映画に出ていた、志村けんは真剣そのもの。閉山してしまった九州の筑豊から炭鉱の町、幌舞に赴いたが、期間工の炭坑夫。自分の身分が使い捨ての炭鉱夫だということもあり、だるま食堂内で酒を飲んでは暴れまくるシーン。酒癖が悪く、妻と離婚して幼子と同居しているのに、炭鉱の事故に巻き込まれ帰らぬ人というストーリー。今、DVDを見て思い出しました。
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今でもずーっと印象に残る場面。15年前に見た時もそうでした。乙松さんがユッコ(雪子)が生まれた直後、美寄(びよろ)の街で人形を購入。美寄も、幌舞と同じく実在しない、架空の町。生まれてまもなくの娘がなくなって、その人形を棺桶に入れて見送ったはずなのに、なぜか見覚えのある人形がここにある・・・。
乙松さんは近所にある寺の住職の孫だと思い込んでいたが、住職からの電話で「娘も孫も帰ってきていない」と告げられ、少女が誰であるかを知ることになる。「ユッコか・・・」それはあの世で成長し続けている雪子が小6のときに現れ、今度は高1の姿になって現れ、お父さんに慕い続けていた。ホームで汽車を見送る間も、温まる鍋料理を作り、親孝行。
ある日・・・廃線直前のホームで雪かきラッセル車を待っている間に乙松さんが倒れてしまいました。幌舞線がなくなってしまう運命とともに・・・。棺桶に入れられた乙松さんをキハ12 23に乗せ、SLの機関士時代から仲のよかった仙ちゃんが霊柩車代わりに自ら運転。
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モデルはキハ40だけど、映画のためにキハ12の雰囲気に改造。本物のキハ12は寒冷地向け仕様として22両生産されており、映画のキハ12 23は23番目という設定。
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昭和30年代のディーゼルカーはご覧のとおりバス窓がほとんどでした。
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映画では「昭和32年製造」と言っていますが、実際は昭和54年製造。(キハ40 764)2005(平成17)年に廃車、除籍されています。北海道内のキハ40は日高本線や室蘭本線、函館本線、根室本線などまだまだ現役ですが・・・・キハ12 23はフェースがちょっと違和感がするという理由で廃車されてしまったかもしれません。
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でも、車内はまだまだ使えますね。
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このお手洗いも、映画のロケとして残しています。小6の雪子がおっかないから、乙松さんに「ここで見といて!」と人形を預けるシーン。雪子が生まれた直後、購入した人形と全く同じだったなと回想シーン。
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高倉健さんが実際に着用した、旧JR北海道制服と制帽。1987(昭和62)年JR北海道発足時は、國鐵の制服をそのまま引き継ぎ。JR6社ごとデザインの異なる制服が定まったのは、翌年の1988(昭和63)年から。JR北海道は1988年~2009年の21年間もこの制服でした。今は右胸に「JR|北海道旅客鉄道 HOKKAIDO RALWAY COMPANY | 北海道の地形」エンブレム付き。昔のワッペンのほうが貫録あり。
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幌舞駅は、高倉健駅長がホームに上がって汽車を見送ったり、汽車から降りたお客さんから切符を回収したり、1人で駅務をこなしていましたが、実際の幾寅駅は無人駅。
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映画のために設置したラッチも保存中。
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ちょうど、映画ぽっぽやは、正月を設定したストーリーなので、今の時期に視聴するのに感情移入しやすいです。