ご存知アメリカの大学では学期末のある日、大体期末試験の1,2週間前であるが、学生による教官の評価(Evaluation)が行われる。大体10-15分で終わるが、その時は教師は教室を去り、他の教師や事務官が立ち会って行われる。形式は大学によって多少は異なるが大体似た内容で、質問項目は多岐に渡る。例えば指導法、学生へ公平かどうか、教材は適正か、その教師の長所,授業で改善して欲しい点、等で学生の満足度が数字で記されてくる。
評価を初めて経験したときは評価当日からその評価の束が学科長、副学部長、学部長の審査?の目を経て自分自身に届くまで落ち着かなかったものだが、予想外に嬉しいスコアや参考になる意見が多く、次第に気にならなくなった。日本の大学教授たちでこの評価を毛嫌いする人や「学生に教師を評価させるべきではない」と力説する人を知っているが、「恐れることはない」と言いたい。むしろ改善のためのアイデアをもらったりするからだ。この評価の目的はよりよい授業に高めることであり、教官の首の危機に直結するわけではない、と考えた方がいい。日本でこれを嫌がる教官のいる大学では評価の質問内容や質問文が適正なのだろうか?
私は毎回準備に大変時間をかける。ハイテク機器使用にも挑戦を続けてきた。そしてもちろん誠心誠意の授業を行ってきた。そのせいかいやな結果を読まされることは殆どなかったし、まして評価が恐怖ではなかった。XU でもUCのRWCでもだ。いつも嬉しいコメントがたくさんあった。例えば、「このコースを改善するとしたらどんな点ですか?」に対して「壊れていないものは修繕はいらない」などというコメントもあった。
RWCでは事務官が全部の評価を学生の満足度のレートはもとより、すべてのコメントを一覧表にタイプして学科長に渡し、その後副学部長、学部長に行く。先学期末に行われた評価データは当然新学期になってから教師に届く。冬の学期初日にそれを手にしたが、なんとも嬉しくなるコメントが並んでいた。その後、学科長はもとより、学部長も副学部長も気のせいかとても鄭重であるが、この学生評価の効果かも知れない。(彩の渦輪)