彩の渦輪はシンシナティに戻った。腰椎事故40日後の飛行機は不安だったが5回ぐらい通路を歩いて長時間座位を防ぎ、事なきを得た。戻ると週間情報誌J-Angleの原稿書き(地球千鳥足)、知人の見舞い、大学のMeetingと、コルセットを友として忙しい日々。7月中旬に戻っていた自悠人は相変わらずCincinnati Art Clubへ通い、ショート・エッセイも書き、料理も結構継続している。ここでちょっとアメリカに居る「男の料理」をご紹介しよう。
料理は国内、海外とやってきたから「チーン」以外にも焼き飯や魚の煮付け以外結構出来ると自負している。牡丹餅や各種天ぷらも得意だ。だし汁を作って卵を溶く茶碗蒸しだってできる。トンカツの場合、余ったら翌日カツドンに使う。料理は食べさせる人があれば作品となり、独り者にとっては生きるための必然だ。きゅうりもみやぬたのように酢を使った健康料理も多少覚えた。料理のコツは勿論味付けだろう。だし、酒、みりん、香辛料は必ず使う。魚の煮つけは強火、火を切るタイミングが難しい。煮すぎると縮んでしまう。生姜などで生臭みを取ることもコツだ。
料理教室のような生真面目なものは出来ないしやりたくない。どうせ自分が食べるのだと思えば「XXライク」即ち「姿も味も似ていれば」よい。小匙、大匙、カップなど計量は無関係だ。全て目分量で味付けする。生煮え、生炒めに気をつけるだけ。私の料理のメニューはたまに思い出すので入れる材料を忘れることだ。準備していても忘れるのだから世話がない。材料を入れる順序も忘れて野菜がくたくたになったりする。入れ忘れた料理の典型は、肉のないカレーライス、挽肉のないマーボー豆腐、味噌の無い葱味噌和え、小豆をつぶし忘れた牡丹餅、等だが、あんこの体積が少なくて気がつく次第だ。肝心かなめのところを忘れたりする。食べることばかり頭に浮かぶから、作る過程では頓馬をやるわけだ。油断すれば指切りや火傷だってある。これは後々まで尾を引くから大変だ。(自悠人)