北極圏の島国アイスランドで若者が言った:「家と車の無い生活はありえない」と。勤労意欲を表現した彼の言葉は観光立国の若者らしいが家族の基本思想のようにも思えた。ここ、ハーツで借りたレンタカーは日本車のトヨタだった。途上国の庶民にとって車は高嶺の花のようだが日本はその気になればいつでも購入可能、贅沢な乗り物とは思っていない。短期の旅では時間に制約のないレンタカーをよく利用する。街から街へ、目的地から目的地へ、そして宿探し、と。ミャンマーでは日本大使館の車に乗せて頂いた。人は生まれた国によって生涯が決まる。先進国に生まれれば文明社会が享受できる。筆者は子供の頃の農村の生活を知っているだけに、触れ合いの旅で国力の差が個人の生活差になっていることを痛感する。日本人に生まれて幸せだといつも思うわが旅、祖先や先輩の勤勉努力に感謝し、後輩としてせめてやるべき行動をしなければ、と常に自覚する。完(自悠人)